ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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逃げたい……けど、誰も同意してくれそうもないのはなぜだろう

115:情報開示?

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 もう隠さなくてもいいだろう、と悪友達にも言われた気がするので、ガルムが俺の従魔である事を斗苫斗的ととまとまとに説明する。
 の事も、見間違いじゃないと教えた。

「え?本当ですか?一緒に居たのは?」
「獣化したユズコだな。白虎だ」
「レイさんだけじゃなく、柚子ゆず胡椒こしょうさんも獣化できるんですね!」
「あぁ。今は柚子胡椒じゃなくだがな」
「改名してたんですか?それとかって、流して良い情報ですか?」
「え?街中でも平気で獣化してるし。名前はステータスから変わってるから、良いだろ?駄目なのか?」
「【cinq(サンク)】の情報ですからね。どうなんでしょう?」
「駄目なのか!?」
 2回聞いちゃったよ。


あるじ、今、大丈夫か?川があったので体は洗ったが、毒が落ちたかまでは判らぬのだが>
 ガルムから念話が届いた。
「よし、わかった。呼んでみて、駄目ならまた警告が出るだろう。ガルム、ヨミ、テラ、召喚」
 急に独り言を言い出したと思ったのか、斗苫斗的がちょっと引いてる。

<<来れた~!>>
 俺の影から、テラがスポーンと飛び出して来た。
<きゅ!>
 ヨミも跳び出して来て、俺の膝の上に着地する。
「ヨミも体洗ったのか?」
 触って濡れるほどではないが、しっとりと湿っている。二匹とも膝に乗せて、乾燥魔法を掛けた。
 そして、相変わらずの圧巻の登場、ガルムである。

 俺の影から赤い前足が出て、鼻先から顔が出て来て、ずおおぉぉと全身が出て来る感じ。
 街中だから、気を遣ってゆっくり出て来たようだが、ラスボス登場!と心の中で思ったのは俺だけじゃないはずだ。
「……何でこの小さい影から?」
 この登場を見て、最初の感想がなのか?斗苫斗的。

 ガルム登場中にヨミは定位置の胸元へ入り、テラは俺の右肩にいる。
<大丈夫だったようだな>
「おかえり、ガルム」
 ガルムに抱きつくと、やはり湿っていた。
<うむ。主も息災そくさいだったか?>
 お爺ちゃん……息災って普段使わないから、一瞬悩んだよ。
「元気だ。もうすぐ皆も来るだろう。ガルム、乾燥させるぞ」
 ひんやりするガルムの毛を乾燥させてフワフワに……ならないから、インベントリからスリッカーブラシを取り出した。



「何してるのですか?」
 時間より少し早く現れたレイは、俺達を見てちょっと呆れ顔をする。
 俺と斗苫斗的は、スリッカーブラシでガルムをブラッシング中だ。
 何と!斗苫斗的の分のブラシは、自分で作成したのだ。錬金術師凄ぇな。

「ミロもココアも、来てたのなら手伝ってあげれば良いものを」
 ため息と共に呟かれたレイの言葉に周りを見回すと、少し離れた所で二人が笑顔でこちらを見ていた。
「だって、小さい二人が一生懸命ブラッシングしてるじゃ~ん?そんなの遠くから見守るに決まってるし!」
 決まってないからな、ミロ。
 そして、耳良いな。よく聞こえたな。


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