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強い魔獣がいるみたいなので、探してみようと……周りが盛り上がってます
102:準備を進め……進め?進まん!
しおりを挟む「俺はテイマーだからパーティーが組めないんだが、良いのか?」
ミロとココアに聞く。
しかしこの二人の名前をセットで聞くと、甘い飲み物が飲みたくなるな。
「アタシは強いから大丈夫よ」
「強いのか?」
「ウフフ。現実で空手有段者なの。ここでは武闘家よ」
うわ、それはマジで強い系だ。
「オレっちはね~、召喚師だよ。そして、やっぱり強いよ」
サモナー?テイマーとは違うんだろうけど、よくわからん。
強いなら、まぁ良いか。
「喚べるのは、最高が『帝釈天』が1回だね」
それ、神様だよね!?
ID交換をして、バーベキューはお開きとなった。
ミロとココアは早々にログアウトしていった。パーティー名もクラン名も聞き忘れたが、まぁ次回で良いだろう。
現実で一緒にいるらしいオーベも一緒にログアウト。どういう状況なのか知りたかったが、後の祭である。
余った肉は買取に出す事にする。調理で消費しようと思ったら、俺なら年単位は軽く掛かる量だし。
従魔用の餌として欲しいか聞いたら<生肉ならいらん>と言う、ガルムのありがたいお言葉をいただきました。
ヨミとテラも、特に必要ないらしい。
「探索に行くのなら、明日は街で色々買い揃えましょうか」
レイから提案される。
「ヴィンの野営の道具は買わないとだな。斥候か隠密スキルを持っている冒険者も雇うか?」
なぜかやる気満々のジルドがいた。お前、年末進行で参加できるか曖昧なのだろうが。
「私が準備をするのは無しなのか?」
俺の表情を読み取ったらしいジルドが、そんな事を言ってきた。
ちょっとだけシュンとして見えるジルドに、駄目なんて言えるはずないし、別に言う気もない。
「いや、参加確定してないのに悪いなって思っただけだ」
これは本当。だから即答した。
なぜかジルドに頭を撫でられた。子供じゃないんだが……
ちょっと学生時代に戻ったような気分になった。
それを咲樹とユズコが妙に良い笑顔で見守っていたので、とりあえずヨミとテラにスリスリ攻撃をさせておいた。
自室でガルムに埋もれながら、作戦会議を行う。
「テラが八咫烏を見つけたのは、クランハウスの側なのであまり意味はないですね」
レイが床に広げた地図に丸を付ける。本当にクランハウスのある位置のすぐ側だった。
「目撃情報とか、何もないのよね」
咲樹がうつ伏せで寝転がりながら、地図を覗き込む。隣にいるのに、目のやり場に困るって何だ!?けしからんメロンだな、ホントに。
「ふははは。咲樹はセーフ機能オンだぞ」
俺の視線に気が付いたユズコが笑う。
いやいやいや。男の性で見てしまうが、現実が俺の部屋にいるし、勘違いのしようがないぞ!何をどうしろと!?
「揉む?」
咲樹まで聞いてくる。
「揉まん!!」
ここは男子高校生の集まりか!
話が進まんぞ!!
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