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強い魔獣がいるみたいなので、探してみようと……周りが盛り上がってます
99:バーベキュー準備
しおりを挟む帰りは転移陣でクランハウスへ戻って来た。
爺さんや綺羅もバーベキューに誘おうかと思ったが、多分店が営業中だから無理だろうと寄らずに帰って来た。
『万引きを疑われもしねぇ』『……それだけ鮮度が落ちているんだな』『焼くだけで美味くなれるかな』『醤油だけじゃなくバターも塗ってくれ、頼む』
いつもよりテンションの低い魔物玉蜀黍がいた。
野菜売り場で咲樹が持って歩き、魔物野菜の説明を聞いていたらしい。
そのままレジに行ったのに、会計確認もされなかったのがショックだったようだ。
だけどお前達、万引きだったら自己申告するだろう?おばちゃんもそれがわかってたから何も言わなかったと思うのだが。
まぁ、鮮度が落ちてるのは事実だから、黙っておこう。
ガルム用カウチにヨミと寝転がって、窓から外の様子を眺める。
咲樹が土魔法でバーベキュー用の焼き場の土台を作り、買った網をセットしている。
レイが炭起こしをしていて、その量にちょっと引いてる。焼き場も三つも作ってるからそのくらい必要なのか?
ジルドは、バーベキュー用の野菜を切っている。外に作られた作業場で。
俺は、ウッカリ口を滑らせた咲樹のお陰で幻想世界でも鳥ご飯を作成。この後は玉ねぎご飯2種を更に作成予定だ。
あと、白米も炊いていて、次は雑穀入りを炊く予定。
白米の方は、刻んだ青しそと胡麻とおかかと醤油を混ぜた焼きおに用おにぎりを作成予定である。因みに、焼かなくても美味い。
皆の作業をボ~っと眺めていたら、炊飯器に呼ばれた。
5.5合炊きの方は、炊けた白米をボールに移し、雑穀入り白米をスイッチオン。
3合炊きの方は、玉ねぎご飯をセット。現実と違って、ウインナーは凍っていない。
色々なご飯を準備していて思った。
俺のこの手で作ったおにぎりって、一口サイズじゃね?と。明らかに現実と大きさが違う。
おにぎりくらいなら、料理スキルが無くても作れるかな。誰かの作業が終わったら手伝わせよう。
とにかく握る。ひたすら握る。
まだ誰も作業が終わっていないので、独りで黙々と握る。
ヨミは俺の部屋で窓の外の作業を見学中。
調理中は胸元に入れておけないので、一際小さいおにぎりを全種類作ってやり、それを食べながらの見学だ。危ないので、庭に出るのは禁止している。
「わはははは!大量、大量!肉はキッチンで出すか?庭にするか?」
俺の部屋から出て来たユズコが言う。
俺の部屋の外への出入口脇にシャワーブースを作ったのは、マジで失敗だった気がする。
作ったの俺じゃないけど。
従魔用に作ったはずのそれを、人間達も活用している。
勿論それ自体は一向に構わん。俺個人ではなく、クランで金を出して作った物だし。
ただ、そこからわざわざ表の出入口まで行くヤツはいないよな、って話で。
まぁセーフ機能オンだから、パンツも脱げないし、ナニかやってて~ってシチュエーションは無いけどな。
ナニかって何かって?そりゃ自家発電で……ゲフンゲフン。
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