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強い魔獣がいるみたいなので、探してみようと……周りが盛り上がってます

97:買い物ですよ!

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 キングウルフの皮と牙を買取屋へ持って行き、本日の軍資金にする。
 まぁ、全額カバーはできないだろうけど。

「バーベキューセットみたいなの買うか?それとも網だけ買って、かまどを作る?」
 ホームセンターみたいな店で色々見て回る。使わないと判っていても、買いたくなる罠。
 咲樹に魔法で綺麗にしてもらったヨミは、俺の胸元で楽しそうにキョロキョロしてる。
「かまど作りも楽しそうよね」
 ウフフ、と笑ってるが、咲樹お前……自分では作るつもりないだろう?

 ジルド?それはバーベキューセットではなく、燻製セットと言うのでは?
 何か四角い箱の前で動かなくなったジルドの横に行くと、真剣な表情で『燻製器』の前にいた。
 魔法がある世界でも、こういうのって売ってるんだな。
『さくらチップ』とか『くるみチップ』とかも一緒に売っているが、俺にはそっち系の知識は皆無だ。
「やるなら自力で頑張れよ」
 あ、離れるんですか。そうですか。


 結局、網だけ買ってかまどを作る事に決定した。煉瓦レンガでも積むのかと思ったら、咲樹の魔法でできるとの事。
 自分ではやらんだろ?とか思ってすみませんでした。
 トングは、大きいトングと小さいトングを買った。俺の手には、大きいトングは無理だったんだよ。
「次は肉も買っとくか」
 ユズコ達も山ほど狩ってくるだろうが、すぐに焼ける味付き肉も欲しい。

『肉か!』『バーベキュー肉なら肉の佐藤だな』『味付きの肉があるからな』『塩ねぎが美味い』『ニンニク醤油も良いぞ』『ニンニクの芽が入ってるのが好きだ』

 好きだってお前、食べた事あるのか?お前ら玉蜀黍とうもろこしだろ?
「食べた事があるのか?」
 同じ疑問を持ったのだろう。ジルドが魔物玉蜀黍に問い掛ける。
 ピタリと声が止まった。
「魔物玉蜀黍の情報って、どこ情報なんだ?」
 俺の素朴な疑問に、レイもジルドも咲樹も首を傾げる。
「今まで魔物玉蜀黍を買った事すらなかったですね」
 レイが言う。確かに、このメンバーが料理をするとは思えない。てか、誰も料理スキル持ってなかったしなぁ。

「店頭で売ってる焼き玉蜀黍は、呼び込みしかしないのよね」
「呼び込み?」
「買ってくれとか、美味しいよとかですね」
「段々悲痛になっていくんだ、これが」
「悲痛?」
「食べ頃を過ぎちゃうから早くしてくれ!とか、俺はもうダメだとか言い出すのよ」
「そうすると、値段が下がるんです」
「黙っている魔物玉蜀黍は買うな、という言葉があるくらい有名な話だ」
「美味しくなくなると店主が黙らせるのか、喋る気力が無くなるのか、とにかく黙るのよね」
 魔物玉蜀黍、面白いなお前達。

 俄然、魔物野菜に興味が湧いてきた。
 次は野菜を買いに行くぞ!
 あ、今回買うのは、バーベキュー用の普通の野菜です。念の為。


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