ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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強い魔獣がいるみたいなので、探してみようと……周りが盛り上がってます

89 :地獄絵図

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 地獄絵図って、こういうのを言うのかな。

 訓練場が血の池地獄のようです。
 でも、死人はいません。
 死ぬ直前にオーベが回復魔法を掛けるからです。
 服は直らないので、もうサルボボも含め七人共ボロ布を纏った状態です。
 こっちのセーフ機能オフだったら、素っ裸だったかもしれない。
 対人戦闘PvPは、どちらかが死ぬか降参すると終了だけど、攻撃→回復→攻撃の繰り返しで、相手に降参する隙も与えない悪魔達がいました。

 俺としては、ジルドの蝙蝠が攻撃してる姿を見られたり、レイがあの長剣を優雅に振るう姿とか、ユズコの白虎姿での戦闘とか見られて満足だけど。
 咲樹の魔法?ちょっと引くほどグロかったから、これは正直見ない方が良かったな。
 炎で焼くとか、凍らして砕くとか、風で斬り刻むとかな。
 オーベは、ひたすら回復魔法掛けてました。お疲れ様。

 サルボボは、ガルムにガフガフ齧られて放り投げられたり、ヨミに串刺されたり、テラに齧られたり凄いスピードで体当たりかまされたりしてたな。
 テラの体当たりは、トゲトゲ甲冑に体当たりされるような物だから、なかなかの破壊力でした。


 途中からオーベにを任せた俺は、月兎と八咫烏の所へ行ってました。
 だって、戦闘がグロ過ぎてちょっと無理だった。
 倒すとアイテム化する魔獣モンスターと違って、消えないんだぞ。
 血が消えないのは一緒だけど、肉片ってか、切り落とされた腕とかが消えないのはちょっと……相手が死なない、いや、相手を殺さないせいなのかもしれないけどな。

 後から聞いた話だが、痛みとか精神的なダメージとか、本人が耐えられないレベルのものにはならないらしい。
 トラウマ案件じゃなくて良かった。


「そろそろ終了で良いかしら?」
 ギルマスの声が訓練場に響いた。
「俺達の負けで良い!」
【憤怒の炎】の一人が叫ぶ。
「……負けで、良い?」
 うずくまっている男の前まで行き、仁王立ちして見下ろす咲樹。視線は絶対零度。
 美人が本気で怒ると迫力あるよな。

「その台詞は、戦況が拮抗きっこうしている時に使うものよ。今の状況が貴方にはそう感じるのかしら?」
 は、男の脳天に見事な踵落としを喰らわした。
 そのまま咲樹は、周りで呆然と座り込んだり倒れている男達を見回す。

「降参します!」
「圧倒的に大敗です!!」
【憤怒の炎】が降参を宣言した事により、対人戦闘PvPは終了になった。
 あ、腕とか諸々切り落とされた物も消えたよ。良かった。


「それでは、【憤怒の炎】はこのまま冒険者ギルドの登録抹消を行いますので、残ってくださいね」
 ギルマスが笑顔で爆弾を落とす。
「何でだよ!」
 まぁ、そうなるよな。対人戦闘PvPに負けたから抹消みたいに感じてるのだろう。
 でも、違うと思うぞ。
 見物人ギャラリーに見覚えないかな?多分、悪質なに騙された異界人プレイヤーだな。

 騙し過ぎて、いちいち顔なんて覚えてないのか?
 俺達は、【憤怒の炎】が逃げないようにHPとMPを削る役だったんだと思う。多分ね。


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