ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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強い魔獣がいるみたいなので、探してみようと……周りが盛り上がってます

86:何かあるのか?

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 ギルマスに転移され、『commerce(コマース)』の冒険者ギルドへと着いた。
 俺とオーベ、レイも一緒に来た。俺達は応接室みたいな所で待たされている。
 勿論、対人戦闘PvPの原因となったサルボボテイマーも来ているが、一緒には居ない。
 むしろ逃げないようにギルマスがガッチリ監視してる。


「咲樹は、多分もうすぐログインするはず~」
 いつもの調子に戻ったオーベがウィンドウの現実時間リアルタイムを見て言う。
「ジルドはログインしてますね。ユズコ待ちらしいです」
 個人チャットでジルドとやりとりしてるのか、レイもウィンドウを見ながら言う。
 こちらの準備はもうすぐ整いそうだけど、相手はどうなんだ?

 てか、対人戦闘PvPって、こんなに大がかりな物なのか?
 俺の少ない知識の中では、出会って「何じゃいゴラァ」「やんのかオラァ」で戦闘バトル!なイメージなんだけど。

 ノックと同時に扉が開く。
「はぁ~い、お待たせ。ヴィンに喧嘩売った馬鹿との対人戦闘PvPですって?」
 どんな連絡受けてんだよ、咲樹。いや、どんな連絡したんだよ、オーベ。
 そんな咲樹の後ろに、人影が近付いて来た。
「まだ始まってないな?」
対人戦闘PvPやるって?最近、本当の意味でのPvPって無いから、腕がなるな!」
 ジルドとユズコも来たようで、こちらの準備はほぼOKだ。



 職員に呼ばれて訓練場へ行くと、なぜかギャラリーがいた。総勢三十人位か?
 その中に、知った顔が三人見えた。土下座三人組だ。
 俺の視線に気付いたのか、小さくお辞儀をしてきた。まぁ、挨拶に行くほど親しいわけじゃ無いからな。小さく手を振っておこう。

 俺達が入って来たのとほぼ同時に、反対側の出入口からサルボボと六人の厳つい男達が入って来た。
 サルボボ含め全員ゴツイんだけど、回復役とかいるの!?
 例えるなら、ワンパンチで敵を倒しちゃうハゲの出てくる漫画の、囚人兼Sランクヒーローっていうか、タンクトップがトレードマークの兄弟っていうか。
 見た目だけの話だけどな。

 うん?ギャラリーがワサワサしてるな。
「案内」とか「あのテイマー」とか「三人組で」とかコソコソとギルド職員らしき人に囁いている。
 何かが引っかかったけど、今は目の前の戦闘バトルに集中しよう。

八咫烏ヤタガラス白狐びゃっこ月兎げつと、来い!」
 サルボボが叫ぶ。
 日本名な魔獣モンスターばかりだから、サルボボは『日出処ひいずるところ』でテイマーに転職したのかもしれないな。
 サルボボの影から八咫烏を筆頭に、細身の白い狐と、きねを担いだ二足歩行の兎が出て来た。
 敵ながら、ちょっと格好良く見える。
 良し!俺も皆を呼ぼう!


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