ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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強い魔獣がいるみたいなので、探してみようと……周りが盛り上がってます

85:対人戦闘前哨戦

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「さて、そこのテイマー君対【cinq(サンク)】にするか、対ヴィンにするか、それとも同盟呼んでチーム戦にするか?」
 オーベが貼り付いたような笑顔で告げる。
 これは、対人戦闘PvPをやらないって選択肢は無いんだろうな。
 サルボボは、何かオーベの地雷を踏んだようだな。
 ん?こう言う場合は逆鱗に触れたって表現のが合ってる?

ちなみに、対【cinq(サンク)】か対ヴィンを選んだ場合は、すぐに選ばなかった方との対戦だからね」
 それ、選択肢が機能してない!一択だ!
 エゲツないな、オーベ。
「では、これからギルドに移動しましょうか。そこのあなたもすぐに同盟組んでくれそうな方呼びなさい」
 気のせいか、ギルマスがサルボボに冷たい?

<<毒霧……>>
 ちょ、テラ!?吐くなよ?
<テラ、溜めに溜めて吐き出してやると良い>
 なんだろう。間違った事は言ってないのに、不穏に感じるのはガルムの顔が凶悪に歪んでいるからだろうか?いや、よく考えると内容も不穏だった。
<ぎゅぎゅう!>
 胸元から飛び出したヨミが中型犬サイズに……って、さっきまでは大きいけど普通のツノだったよな?何でそんなにねじれてるんだよ!!
<おぉ!ヨミも更に進化したな>
 嬉しそうですね、ガルムさん。
 ヨミちゃん、小さい時は今までと変わらず可愛いのに、今の姿は凶悪そのものデスヨ。


「テイムしてない魔獣モンスターを使うのは卑怯だぞ!」
 サルボボが叫ぶ。
 まだ言うか、この野郎。ヨミが俺の胸元にいるの見てただろ。ガルムも俺の従魔だと説明したよな。
 テラは……名前しか言ってないかも。ま、いっか。
「失礼だな。全員俺の従魔だ」
 ギルドカードを目の前に突き付けようとインベントリから取り出すと、俺とサルボボの間にギルマスが割り込んだ。

「転移します。クランマスター、魔法使用の許可を」
 ギルマスがオーベの方を向く。
 クランの責任者って、クランマスターって言うんだ。恰好良いな、おい。
「うちの残りのメンバーはどうするつもり?」
 オーベは総力戦のつもりらしい。

「相手も仲間を呼ぶ時間が必要なので、全員揃うまでギルド内で待ちましょう」
 サルボボに聞こえないように「異界へなんて帰らせません」と呟いたのが聞こえた。
 だと、入室にはクランの許可が必要だが、ログアウトは勝手に出来るから汚名を着ても良い覚悟で逃げる事は可能だ。

 ギルマスの画策に気付いていないサルボボは、更に俺へと叫んでくる。
「大体、自分より弱い相手しかテイム出来ないのに、そこのチビがガルムやドラゴネットや、アルミラージの上位種をテイム出来るわけないだろうが!!」
 それが本音か!見るからに自分より弱い俺が強い魔獣モンスターを従魔にしてるのが気に喰わないんだな。いや、はなから信じていないのだろう。
 それから、ヨミは上位種じゃなくて変異種だ。


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