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強い魔獣がいるみたいなので、探してみようと……周りが盛り上がってます
83:売られた喧嘩は買う
しおりを挟む応接室に居たのは、咲樹ほどではないけど美人の妖精と、屈強な多分人間だった。
どちらかがギルマスで、どちらかがテイマーなんだよな。
人間はバトルアックスが横に置いてある。インベントリに仕舞ってないって事は、こっちがギルマスか?
妖精は、優雅にホットケーキ食べている。
ん?ホットケーキを食べてるのがどっちだっけ?
「初めまして。テイマーのサルボボと言います」
さ・る・ぼ・ぼ!!
その前に、この屈強な男がテイマーなのか!
前に『しょきしま』のギルマスが「他の職で実力つけてからテイマーになるのが普通」みたいな事言ってたな。
漫画とかの『テイマーは貧相で弱い』ってのは、この世界では通じないんだな。
「初めまして。テイマーのヴィンだ」
挨拶をすると、なぜか鼻で笑われた。
「アルミラージですか。大変だったでしょう?」
胸元のヨミを見ながら言ってくる。
その馬鹿にした言い方は、俺が弱いから子供のアルミラージをテイムするのも命懸けだっただろう的な感じか?
「いや、最初から懐いていたな」
嘘ではない。但し、普通と違って一切戦っていないけどな!
「さすがは【sechs(ゼクス)】の六人目。持つべきは有名な友人ですね」
すごい笑顔だが、好感度は上がらない。このテイマーとは友人になれそうにない。
名前は好感持てそうだったのに、残念だ。
友人達が凄いのは事実だし、とても感謝してるが、こんな言われ方する謂れはない。
売られた喧嘩は買う!
「友人達には感謝してます。このヨミもアルミラージ変異種ですし、テラも奇跡の孵化率なのに無事生まれてくれました」
怒りで口調が丁寧になるのは、社会人故か。
ガルムとテラは、とりあえず様子見で部屋の外で控えている。
「それに、ガルムも俺を慕ってくれてますからね」
サルボボの表情が変わった。
「嘘つくな!ガルムは従魔じゃないんだろ?『漆黒の騎士』が魔族の銀狼で獣化できるようになったから、テイムではなく従えたんだろ?」
おぉう。サルボボ、見事にこちらの思惑通りに勘違いしてる。
こちらのミスリードを信じて、レイがガルムの飼い主だと思ってたようだな。
魔族がテイムじゃなく従えるって、それは魔王とかじゃないかと……
「従魔じゃないから、八咫烏を傷付けられたんだろう!!」
あ、なるほど。そこが着地点か。
「八咫烏を傷付けたのは、ガルムじゃない」
「嘘をつくな!ならガルムを呼んでみろ!」
何だ、この顔は。何を勝ち誇ってるんだ?
俺がガルムを呼べないと、本気で信じてるんだな。
いや、俺のこの見た目のせいか?
最近忘れていたが、ハーフリングの子供だと思われる姿だったな、俺。
舐められてるんだな、マジで。
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