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強い魔獣がいるみたいなので、探してみようと……周りが盛り上がってます
82:事件のあらましを聞いてみた
しおりを挟む現実昨日、八咫烏はレイとジルドによってクランハウスから追い出された後、冒険者ギルドへ飛んで行ったそうだ。
『しきしま』の普通の魔獣なら八咫烏の敵ではないし、オーベに「remède」という回復魔法をかけて貰ったから体調万全だっただろう。
多分、単体なら俺より強いと思う。いや、絶対か?
冒険者ギルドに着いた八咫烏は、従魔登録から主人を割り出されて連絡が行き、無事保護されたらしい。
問題はここからで、八咫烏を傷付けられる魔獣が『しきしま』にいる!と焦るギルド側と、そんなに強い魔獣なら従魔にしたいテイマーが対立し、2つの依頼が出されたと。
退治依頼のギルドと、捕獲依頼のテイマーね。
この2つの依頼に発展した事が「八咫烏事件」と呼ばれていたが、いつの間にかこの2つの依頼自体を「八咫烏事件」と呼ぶようになったらしい。
正直、どっちでも良いわ!!
で、うちで一時保護されてた事からそのテイマーとギルド職員が話を聞きに来たと。
ガルムは、俺以外からの命令やお願いを一切聞かないからな。だから、俺待ちだったんだ。なるほど。
レイからのメールの意味を理解した。
オーベからのメールは、ギルドからクランへ問い合わせがきた事の連絡だったみたい。
『八咫烏が怪我をした件でギルドから連絡有。
傷の形状から大型魔獣と思われるとの事。』
この文面は、誤解しろって事だよね?オーベ?まったく。
「話聞きたいらしいんだけど、どうする~?」
はいはい。
「どこに行けば良いんだ?ギルドか?」
一通り話し終わったオーベに聞く。
「いいや~、居るよ~」
はい?
「誰が?」
「ギルマスと八咫烏の主人ですね」
「どこに?」
「応接室に~」
「今?」
「今、ですね」
何ですと!?
ガルムに寄り掛かって座りながら、胸元にヨミがいて、右肩にテラがいるベストポジションの従魔達と、仲良くのんびり茶を飲んでいましたが!?
「いつから居たんだ!?」
オーベとレイが顔を見合わせる。
「1時間位前からですね」
いちじかん!!それは、ここでの1時間だよな?現実1時間だと、ここでは8時間だぞ?約半日。
「テイマーは大して待ってませんし、ギルマスはヴィンのホットケーキ食べてます。大丈夫ですよ」
何が大丈夫なのか教えてくれ。
「ガルム……とりあえず応接室に行くか」
ため息が止まらない。
<主が嫌なら、追い返すか?>
物騒過ぎるし、本気でやりそうだし、実際出来るだろう。
「ダメだぞ、ガルム」
ため息が止まらない。
<きゅ?>
胸元から飛び出して、中型犬サイズになったヨミ。角が前より立派になってないか?
「ダメだぞ、ヨミ」
ため息が止まらない。何でうちの子達は好戦的なのだろうか。
<<毒霧吐く~?>>
「ちょ!マジでダメだぞ!テラ!!」
テイマーはともかく、ギルマスがどうなるか想像がつかん。
「何をやるつもりなのかわかりませんが、僕が結界を張るまではダメですよ?テラ」
ちょっとレイ!結界張ったら良いみたいな言い方はダメだから!
<<わかった~。結界待つ~>>
ほら、誤解した!
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