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スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う
65:知らないところで色々起きていた
しおりを挟むリビングへ行くと、ジルドとレイがいた。
この前の俺作のりんごホットケーキを食べている。
「ヴィンと一緒に買い物行きたい人~」
オーベが言うと、レイが立ち上がり、ジルドは手を上げた。
キラキラを三人も連れて歩くのか……
いや、俺だって、ゲーム仕様だから美形度は上がってるはず!引け目を感じる必要はない!はず!!
街中を歩いております。まるで大名行列です。
両脇の人々が土下座してないのが不思議なくらい、綺麗に道が開いております。
空いているのではなく、開いてるんだよ、マジで。
昨日まではここまで凄くなかったよな?住人の反応も異界人の反応も。
本日の俺、オーベの腕の中。
ガルムの上だと、店内がよく見えないだろうとのオーベの提案。
レイとジルドは、ガルムを挟んだ反対側を歩いている。
オーベに「お前等が注目集めれば、それだけ俺達がゆっくり店を見られるからね~よろしく~!」と言われてた。
ヨミは勿論、定位置の俺の胸元。上機嫌でジルドに貰った骨を齧ってる。何の骨かは、怖くて聞いてない。
大名行列の前に、急に人が飛び出して来て土下座した。
無礼打ち希望!?違う、直訴か!
いや、しっかりしろ、俺。そもそも大名行列じゃないから。
「ありがとうございました!」
飛び出して来た人達を鑑定すると『異界人』と出た。全部で三人。
オーベの顔を見ると、知らないとの意思表示をされる。
ガルムの前へ顔を出し反対側を覗くと、同じようにこちらを見ていて、やはり顔を横に振られた。
でもこんな目立つ集団を誰かと間違うとは思えないんだが……何て思っていたら、すぐに謎が解けた。
「ガルム様、これは討伐報酬です」
冒険者達が重そうな袋を、顔も上げずにガルムへと差し出す。
「ガルム?」
説明、してもらおうか?ん?
<主、儂のせいなのか?>
おや?ガルム自身が戸惑っているぞ。身に覚えが無いようだ。
だが、【cinq(サンク)】のメンバー以上に、誰かと間違えようが無いよな。
「取り敢えず、移動しようか~」
オーベが提案した。
例のたこ焼き屋台の横に落ち着く。
しかし、前回よりも長い列が出来てないか?たこ焼き屋。焼き係が一人増えてるし。
「坊!ほれ、食べぇ!」
相変わらずの似非関西人姉さんがたこ焼きを3箱持って来る。
「いくらだ?」
ギルドカードを差し出すと、手を振って拒否された。
「あれからずっとこの調子やねん。うちら、実は現実でもたこ焼き屋やってんねんけどな、その宣伝も兼ねての屋台やったんや」
指差された方を見ると、屋台に現実の地域名と店名が書いてある。
「ゲームで食べて気に入った人が、現実でも来てくれるようになってな。そのお礼やから、今後もお金はいらんよ」
いやいや、それは申し訳なさすぎる。
しかし、料理スキルを持ってるのに、いちいちちゃんと調理していたのは、プロの矜持だったのか?
「しかし、現実にまで影響もたらすなんて、やっぱ【sechs(ゼクス)】は凄いなぁ」
しみじみと言われた。クラン名で言われると俺も含むのでやめて欲しい。
凄いのは友人達だからな!
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