ほんわりゲームしてます I

スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う

64：聞かない方が良い？

　


　誕生日をほぼ幻想世界ファンタジーワールドで過ごし、翌日は残業もしないで速攻帰った。
　月末月初以外ほぼ残業のない仕事で良かった。
　まぁ、その月末月初の残業だけで４０時間超えるんだけどな。

　風呂も入ったし、夕飯も食べた。夕飯は仕事帰りに同僚に定食屋へ拉致されたんだが……無理矢理奢・ら・れ・た・。
　奢らされたのではなく、奢られた。昨日誕生日だったからと。
　早く帰ってゲームしたい、とはさすがに言えなかった。



　ログインしたら、部屋にガルムもヨミもいて、ちょっと幸せ。
「ただいま～」
　ガルムの上にダイブする。フカフカ。
＜主あるじ、疲れておるのか？＞
　鋭いな、ガルム。
＜きゅ？＞
　ヨミも心配そうに顔を覗き込んでくる。
「大丈夫だ。もう癒された」
　モフモフに心ゆくまで埋もれて、癒された。
　もふもふもふもふもふもふもふもふ……


「ガルム達は何してたんだ？」
　気が済むまでモフモフしてから、ゴロンと転がると背中に硬い感触。
「あ、テラ！ごめんな」
　卵テラの上に乗ってしまった。
　まぁ、殺人の凶器に推奨されるくらい硬いから、俺が乗っても大丈夫だな。むしろ、象が乗っても大丈夫。

＜此処ここは色・々・いて楽しいのでな。遊んでおったわ＞
　ガルムの顔が凶悪に歪む。人間だったら『ニヤリ』かな。
　うん。その遊・び・は、俺は聞かない方が良い遊びですね。わかります。
＜きゅ！＞
　うんうん。ヨミも一緒に行ったんだね。
　角だけ伸ばすなんて、新技も取得したんだね。危ないから、短く戻そうか？ヨミ。


「そうか。じゃあ、アスレチックジムはあまり使わないか」
　せっかく設置したが、ちょっと残念だ。
　だが元野生だから、物足りないのもしょうがないか。
＜いや、狩りに行っている時以外はよく遊んでおったぞ＞
＜きゅぅ！＞
　あ、狩りって言っちゃったよ。ガルム。

「でもその割には、汚れてないよな？」
　ガルムもヨミも、泥汚れも血で毛が固まったりとかもしてない。
　いや、ガルムは黒と赤だから、元々あまり目立たないが。


オーベ：ヴィン、部屋にいる～？


　お？オーベからチャットだ。
　そういえば、メンバーのログイン状態確認するの忘れてたな。


ヴィン：いるぞ


「入るね～」
　ノックとほぼ同時に扉が開けられた。
　それ、現実リアルだったら、絶対にやっちゃダメなヤツだからな！
　男子校の寮とかでやると、思いがけない関係になるキッカケになったりするからな！？

　スミマセン。昨日、ウッカリ間違ってそういう漫画を読んだもんで……それは、そういう展開を阻止しようと、フラグを無理矢理折る主人公が面白かったんだよ。

「どうした？オーベ」
　ガルムに埋もれたまま声を掛ける。
「別にどうってわけでもないんだけど～」
　近付いて来て目の前にしゃがみ込む。
　手を伸ばして卵テラを掴むと、俺のパーカーのフードに入れる。
「一緒に買い物行こう～」
　両脇に手を入れられて、抱き上げられた。