上 下
63 / 506
スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う

63:俺達らしいな

しおりを挟む
 


「良かった!成功?」
 咲樹がテーブルに肘をついて、こう…立派なメロンをふたつですね、腕で挟んで強調しているわけですよ。
「どこぞのキャバ嬢か!」
 オーベも俺と同じ事を思ったらしい。咲樹の後頭部をスパンと叩いた。

「痛ぁい。セーフ機能オン過度な接触NGだから、接待は出来ないわよ」
 いらねえわ!そんな接待。

「とりあえず、ひとりでログインしても支障ないくらいにはなったな」
 ジルドの言葉に、思わず目を見開いてしまった。

 俺のレベルを早々に50まで上げたのも、高い装備を買ってくれたのも、街着まで揃えてくれたのも、テイマーの俺が一人でログインしても大丈夫なようにだったのか!
 ガルムが従魔になったのはイレギュラーな事で、本来ならまだ俺は『しょきしま』のギルマスが心配した最弱テイマーのはず。
 しかも、どう見ても子供にしか見えないハーフリングの。
 ガルムがいなかったら、クラン証ももっと目立つ物だったのかもしれない。

 ヤバイ。ちょっとウルッときた。


レ イ:幸せな誕生日を過ごせたなら、良かったです
ユズコ:勿論、これからも一緒に遊ぼうな!


 両脇から、モフモフにスリッと頬擦りされた。
 それを見たヨミが何を思ったか、銀狼レイの頭に飛び乗り、負けじと俺に頬擦りしてくる。
<何だ?あるじに頬擦りするのか?>
 頭の天辺に、ガルムが頬擦りをした。

「幸せそうで、良かったよ~」
 オーベがいつもの気の抜けたような、軽い話し方に戻った。



 のほほんとした空気が部屋を満たしていると、白虎ユズコがビクン!と体を震わせた。
 急に焦り出し人型へと戻ると、ウィンドウ操作を始めた。
「レッドアラーム鳴った!わりぃ、落ちるな!」
「体調大丈夫なの?」
 咲樹もレッドアラームが頻繁なのが気になるのか、そんな事を聞く。
「体調じゃないんだ、コレが!」
 ユズコが笑った。

「シフト休みなのに連絡しなかったら、が来てた!」
 あぁ、美人の彼女ね。
「さっきはちんこに顔描かれてた!」
 え、ちんこに顔描かれたらレッドアラーム鳴るの?
 いや、そうか。急所だもんな。

「今もパンツ脱がされてると思う!」
 いや、お前の彼女凄えな。
 ん?あれ?彼女だよな?ツレって……
「じゃあな!」
 あっと言う間にログアウトしていったな、ユズコ。
 次回、どんな事になっていたか教えてくれるかな。

「ちんこに顔って描けるのか?」
 素朴な疑問を口にした。
「油性ペンなら、いける……か?」
 咲樹が素に戻って答える。
「それ、落とす時大変そう~」
 オーベが股間を両手で押さえる。解る。俺もちょっとヒュンてした。
 銀狼レイがジルドをジッと見つめている。
「……やるなよ」
 寝てる間に悪戯いたずらされる危機を感じたジルドが、レイを牽制する。
 狼なのに「チッ」て顔をしているのが判った。
 感動で終わらないあたりが、俺達らしい。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生王女は現代知識で無双する

紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。 突然異世界に転生してしまった。 定番になった異世界転生のお話。 仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。 見た目は子供、頭脳は大人。 現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。 魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。 伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまに心から感謝です。

ーOnly Life Onlineーで生産職中心に遊んでたらトッププレイヤーの仲間入り

星月 ライド
ファンタジー
親友の勧めで遊び、マイペースに進めていたら何故かトッププレイヤーになっていた!? ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 注意事項 ※主人公リアルチート 暴力・流血表現 VRMMO 一応ファンタジー もふもふにご注意ください。

VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。

モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件

こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。 だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。 好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。 これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。 ※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ

運極ちゃんの珍道中!〜APの意味がわからなかったのでとりあえず運に極振りしました〜

斑鳩 鳰
ファンタジー
今話題のVRMMOゲーム"Another World Online"通称AWO。リアルをとことん追求した設計に、壮大なグラフィック。多種多様なスキルで戦闘方法は無限大。 ひょんなことからAWOの第二陣としてプレイすることになった女子高生天草大空は、チュートリアルの段階で、AP振り分けの意味が分からず困ってしまう。 「この中じゃあ、運が一番大切だよね。」 とりあえず運に極振りした大空は、既に有名人になってしまった双子の弟や幼馴染の誘いを断り、ソロプレーヤーとしてほのぼのAWOの世界を回ることにした。 それからレベルが上がってもAPを運に振り続ける大空のもとに個性の強い仲間ができて... どこか抜けている少女が道端で出会った仲間たちと旅をするほのぼの逆ハーコメディー 一次小説処女作です。ツッコミどころ満載のあまあま設定です。 作者はぐつぐつに煮たお豆腐よりもやわやわなメンタルなのでお手柔らかにお願いします。

転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~

hisa
ファンタジー
 受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。  自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。  戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?  教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!! ※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく! ※第5章に突入しました。 ※小説家になろう96万PV突破! ※カクヨム68万PV突破! ※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

生産職から始まる初めてのVRMMO

結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。 そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。 そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。 そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。 最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。 最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。 そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。

処理中です...