ほんわりゲームしてます

仲村 嘉高

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スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う

59:スキル[料理]で実験

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 炊飯器から『できたよ!』の音がした。
「うはぁ~りんご~」
 ソファでだらけてたオーベが体を起こす。
 そういえば、オーベからのリクエストの中にりんごホットケーキ入ってたな。

 さて、ここで俺はスキルの確認をする事にする。
 目の前にはりんごホットケーキの材料。
「調理、りんごホットケーキ」
 スキル[料理]はどこまで調理済みの物が出来るのか実験。
 今回は、ちゃんと計量した材料を目の前にしている。
 目の前の材料が一瞬消えたと思ったら、焼きたて熱々のりんごホットケーキが現れた!

「おぉぉおぅ!」
 これ、現実リアルでも使えたら、仕事から帰ってクタクタでも自炊するのに!
 1ヶ月家から出なくても生活できるくらい、レトルト食品とカップ麺の買い置きがある独身男性社会人は、俺だけじゃないはす。
 あ、米が切れるから、1ヶ月は無理か。

 次、計量していない材料を目の前に置く。
 今度はチーズ入ホットケーキ。
「調理、チーズ入ホットケーキ」
 先程と同じように目の前から材料が消え、量が減った材料と、焼き上がったチーズ入ホットケーキが現れた。
「優秀~!!」
 叫んだ俺は悪くない。
 だって、本当に感動したんだ。
 ちなみに、もう一度唱えたが何も起きなかった。材料が足りていなかったようだ。



「好きなだけお召し上がりください」
 テーブルの上には、6個のりんごホットケーキと8個のチーズ入ホットケーキ。
 全部4等分に切ってある。
 スキルに感動して、作り過ぎてしまった。

「いただきます~。食べるのとは別に、保存用で貰っても良い~?」
 りんごホットケーキにバターを塗りながらオーベが聞いてくる。
「別に構わないぞ。材料費もクランから出てるしな」
 オーベの目の前からホットケーキが消えた。インベントリに仕舞った模様。
 食う前に確保かい。まぁ、熱々を取っといた方が後で食べる時も美味いから、気持ちは解るけどな。


「ガルム、次はどっち食べる?」
 りんごホットケーキの4分の1を食べ終わったガルムに声をかける。
 ヨミはレイとジルドの真ん中に陣取り、両方からりんごホットケーキを食べさせて貰っている。あざとい。
<チーズ入りの方をお願いする>
 ガルムからの返事だ。舌舐めずりが怖い。

「ガルムなら丸々1個あげてもひと口だな」
 パクパクと食べるガルムを眺めながら呟く。今は切ったのあげてるけど。
<そんな勿体無い事はせぬ。折角のあるじの手作りなのだからな>
 ちょ、うちの従魔が男前なんですけど!
 これ、女子が男に言われたら、ときめくヤツじゃない?

「ヴィンの作る物は、何でも美味しいよね~」
 オーベ?申し訳ないが大した物作ってないぞ。
「安心して食べられるから好き」
 咲樹や、お前はモテ過ぎて何が入ってるか怖いからだろ?
 高校時代の手作りチョコは、はたから見ても怖かった。
 だって、前日に比べると不自然に髪の一部が短くなってるんだぜ?手作りは一切受け取らない咲樹を誰も責めなかったよ。

「焼きそば食いたい」
 この流れでリクエストか、ユズコ。
「もやしたっぷりでひき肉のヤツが好き~」
 ごめん、オーベ。それ、調理が面倒くさい時の手抜きバージョンだ。
「確かにひき肉の焼きそばって、ヴィンの所でしか食べられないな。俺も好きだ」
 おっとジルドまで。意外に人気になってた。
 市販の焼きそばは、バラ肉とかが多いからな。
 俺は、バラ肉を切るのが面倒な時にひき肉にするんだよ。


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