上 下
59 / 506
スキルが使えるようになったので、とりあえず色々試して遊ぼうと思う

59:スキル[料理]で実験

しおりを挟む
 


 炊飯器から『できたよ!』の音がした。
「うはぁ~りんご~」
 ソファでだらけてたオーベが体を起こす。
 そういえば、オーベからのリクエストの中にりんごホットケーキ入ってたな。

 さて、ここで俺はスキルの確認をする事にする。
 目の前にはりんごホットケーキの材料。
「調理、りんごホットケーキ」
 スキル[料理]はどこまで調理済みの物が出来るのか実験。
 今回は、ちゃんと計量した材料を目の前にしている。
 目の前の材料が一瞬消えたと思ったら、焼きたて熱々のりんごホットケーキが現れた!

「おぉぉおぅ!」
 これ、現実リアルでも使えたら、仕事から帰ってクタクタでも自炊するのに!
 1ヶ月家から出なくても生活できるくらい、レトルト食品とカップ麺の買い置きがある独身男性社会人は、俺だけじゃないはす。
 あ、米が切れるから、1ヶ月は無理か。

 次、計量していない材料を目の前に置く。
 今度はチーズ入ホットケーキ。
「調理、チーズ入ホットケーキ」
 先程と同じように目の前から材料が消え、量が減った材料と、焼き上がったチーズ入ホットケーキが現れた。
「優秀~!!」
 叫んだ俺は悪くない。
 だって、本当に感動したんだ。
 ちなみに、もう一度唱えたが何も起きなかった。材料が足りていなかったようだ。



「好きなだけお召し上がりください」
 テーブルの上には、6個のりんごホットケーキと8個のチーズ入ホットケーキ。
 全部4等分に切ってある。
 スキルに感動して、作り過ぎてしまった。

「いただきます~。食べるのとは別に、保存用で貰っても良い~?」
 りんごホットケーキにバターを塗りながらオーベが聞いてくる。
「別に構わないぞ。材料費もクランから出てるしな」
 オーベの目の前からホットケーキが消えた。インベントリに仕舞った模様。
 食う前に確保かい。まぁ、熱々を取っといた方が後で食べる時も美味いから、気持ちは解るけどな。


「ガルム、次はどっち食べる?」
 りんごホットケーキの4分の1を食べ終わったガルムに声をかける。
 ヨミはレイとジルドの真ん中に陣取り、両方からりんごホットケーキを食べさせて貰っている。あざとい。
<チーズ入りの方をお願いする>
 ガルムからの返事だ。舌舐めずりが怖い。

「ガルムなら丸々1個あげてもひと口だな」
 パクパクと食べるガルムを眺めながら呟く。今は切ったのあげてるけど。
<そんな勿体無い事はせぬ。折角のあるじの手作りなのだからな>
 ちょ、うちの従魔が男前なんですけど!
 これ、女子が男に言われたら、ときめくヤツじゃない?

「ヴィンの作る物は、何でも美味しいよね~」
 オーベ?申し訳ないが大した物作ってないぞ。
「安心して食べられるから好き」
 咲樹や、お前はモテ過ぎて何が入ってるか怖いからだろ?
 高校時代の手作りチョコは、はたから見ても怖かった。
 だって、前日に比べると不自然に髪の一部が短くなってるんだぜ?手作りは一切受け取らない咲樹を誰も責めなかったよ。

「焼きそば食いたい」
 この流れでリクエストか、ユズコ。
「もやしたっぷりでひき肉のヤツが好き~」
 ごめん、オーベ。それ、調理が面倒くさい時の手抜きバージョンだ。
「確かにひき肉の焼きそばって、ヴィンの所でしか食べられないな。俺も好きだ」
 おっとジルドまで。意外に人気になってた。
 市販の焼きそばは、バラ肉とかが多いからな。
 俺は、バラ肉を切るのが面倒な時にひき肉にするんだよ。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生王女は現代知識で無双する

紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。 突然異世界に転生してしまった。 定番になった異世界転生のお話。 仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。 見た目は子供、頭脳は大人。 現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。 魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。 伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまに心から感謝です。

【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。

運極ちゃんの珍道中!〜APの意味がわからなかったのでとりあえず運に極振りしました〜

斑鳩 鳰
ファンタジー
今話題のVRMMOゲーム"Another World Online"通称AWO。リアルをとことん追求した設計に、壮大なグラフィック。多種多様なスキルで戦闘方法は無限大。 ひょんなことからAWOの第二陣としてプレイすることになった女子高生天草大空は、チュートリアルの段階で、AP振り分けの意味が分からず困ってしまう。 「この中じゃあ、運が一番大切だよね。」 とりあえず運に極振りした大空は、既に有名人になってしまった双子の弟や幼馴染の誘いを断り、ソロプレーヤーとしてほのぼのAWOの世界を回ることにした。 それからレベルが上がってもAPを運に振り続ける大空のもとに個性の強い仲間ができて... どこか抜けている少女が道端で出会った仲間たちと旅をするほのぼの逆ハーコメディー 一次小説処女作です。ツッコミどころ満載のあまあま設定です。 作者はぐつぐつに煮たお豆腐よりもやわやわなメンタルなのでお手柔らかにお願いします。

チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!

しりうす。
ファンタジー
VRゲーム【Another world・Online】βテストをソロでクリアした主人公──────雲母八雲。 βテスト最後のボスを倒すと、謎のアイテム【スキルの素】を入手する。不思議に思いつつも、もうこのゲームの中に居る必要はないためアイテムの事を深く考えずにログアウトする。 そして、本サービス開始時刻と同時に【Another world・Online】にダイブし、そこで謎アイテム【スキルの素】が出てきてチート級スキルを10個作ることに。 そこで作ったチート級スキルを手に、【Another world・Online】の世界をやりたいことだけ謳歌する! ※ゆるーくやっていくので、戦闘シーンなどの描写には期待しないでください。 ※処女作ですので、誤字脱字、設定の矛盾などがあると思います。あったら是非教えてください! ※感想は出来るだけ返信します。わからない点、意味不明な点があったら教えてください。(アンチコメはスルーします)

モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件

こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。 だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。 好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。 これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。 ※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ

ーOnly Life Onlineーで生産職中心に遊んでたらトッププレイヤーの仲間入り

星月 ライド
ファンタジー
親友の勧めで遊び、マイペースに進めていたら何故かトッププレイヤーになっていた!? ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 注意事項 ※主人公リアルチート 暴力・流血表現 VRMMO 一応ファンタジー もふもふにご注意ください。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

処理中です...