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クランハウスに部屋を貰ったから、快適空間にしたいと思う
48:衝撃の事実
しおりを挟む「従魔用のソファとか買いたいから、一緒に見るつもりだったんだが……」
店員は、明らかに通行止をしている。
なんせ、俺とガルムの目の前に立ち塞がってるからな。
「従魔禁止なのか?」
違う事はわかってる。さっき店を見上げてた時に、狼の従魔を連れた女性が入って行ったから。
「そうではございませんが、次からは保護者の方と一緒に来てください」
まさかの入店拒否があるとは!
従魔禁止ではない。となれば、やはり大きさなのだろうな。
その場合の大きさは、ガルムが大き過ぎるからか、俺が小さすぎるからか。
子供が規格外な従魔を連れているからに1票。
もう面倒だからいいや。ギルドカードを出すのも面倒だ。
「他の店行くか」
俺とガルムが方向転換すると、ガルムの影になって見えなかったレイが、店員からも見えるようになったようだ。
「レイ様!?」
顔を見て分かる程度には顧客だったみたいだね。店員の表情が強張ってる。
「昨日注文した【sechs(ゼクス)】名義の注文は、全てキャンセルしておいてください」
氷の貴公子とか呼ばれそうな雰囲気ですよ。
「直接職人に注文にしましょうか」
俺の方へ顔を向けたレイがにこやかに提案してくる。
あぁ、怒ってるな。
俺も問答無用で入店拒否した店員に怒ってるので、フォローする気はない。
胸元のヨミも心なしか怒っているし、ガルムは言わずもがな。殺気を出さないだけ偉い。
後ろで店員が何か言っているが、振り返らずに歩き出した。
<ぎゅうぎゅぎゅ!>
ちょ、服の中で暴れない!
服から出たくないけど、怒りは表現したいらしいヨミが後ろ足をバタバタしている。
<ヨミも主が馬鹿にされれば悔しいのであろう>
うんうん。ガルムもそう思っているんだな。
なんか俺の機嫌は急上昇よ!
「タコ焼き食べに行くか!」
あの美味しいタコ焼きを、ガルムとレイにも食べさせたい。
<きゅ!>
ヨミの機嫌も急上昇。
<タコ焼き?美味いのか?>
おぉ、期待で尻尾がブンブンしてる。こういうところは、やはり犬だな。
「タコ焼き、ですか?」
あれ?レイは屋台とかで買い食いしないのか?
「今までは準攻略組と言われる立場でしたので携帯食ばかりで……」
よほど不思議そうな表情をしていたのだろう。俺の疑問に答えてくれる。
でもゴメン。
「準攻略組って何?」
「最前線で、新しい地域やダンジョン攻略を進める、戦闘を中心にプレイしている異界人の事を攻略組と言います。そこまでではないけど、攻略メインでプレイしてたので準攻略組なんです」
ほえぇ。そんな凄い事してるのか。
「最前線って『とおきしま』?」
「いえ、『とおきしま』は中間地点ですね。そこから更に色々世界が広がるので、クランハウスを置いておくと便利なんですよ」
なんですと!?
「じゃあ、クランハウス移動しちゃダメだろ!」
いや、マジで。
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