ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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クランハウスに部屋を貰ったから、快適空間にしたいと思う

45:写真撮影

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「ガルムがとんでもない魔獣だと忘れてました。ヴィンといるのがあまりに自然で……」
 レイが心底申し訳なさそうな顔をする。
 俺はガルムと戦わずに『さんきしま』に入ってしまったが、本来は最初にぶつかるだったらしい。
『しょきしま』の特殊戦闘ボスバトルに慣れるためのボスとは違い、本格的なボス戦に心折られる冒険者は多いのだとか。

「トラウマ的な存在だから、皆が遠巻きにするんだな。ガルムはこんなにフカフカで気持ち良いのにな」
 ガルムに抱きつく。ちなみに、ヨミはガルムの頭の上だ。
<主、それは何かが違うと儂にもわかるぞ>
 まさかのガルムにツッコミいただきました。
「そうですね。フカフカ関係ないですね」
 レイからもツッコミいただきました。



 街中を仲良く並んで歩き、従魔専門店に到着すると『close』の看板が出ていた。
 日付またぐほど時間は経っていないのに。
 一応ノックしてみる。対価を渡さずにに商品だけ貰う行為、それは詐欺か万引きと言う。

「今日は臨時休業……あ!待っておったぞい」
 爺さん、居たのか。
「撮影中に客が来たら困るからのぅ」
 やる気満々な店主に導かれ、店内に入る。
 何と、店内には商品が一切置いておらず、広い撮影スペースになっていた。

「ガルムのアップと、全身。アルミラージの小さいサイズと大きいサイズ、あとできれば集合写真を撮らせて欲しいんじゃが」
<儂は、主が良いのなら何でも構わん>
<きゅきゅ!>
 従魔二匹からOK出ました。
「俺もべつ」
「僕も一緒なら集合写真撮っても良いですよ」
 レイが俺の返事に被せてくる。
 あ、レイが飼い主設定だった。すぐ忘れる。爺さん、公式に載せるって言ってな、そういえば。
「むしろありがたい!」
 喜色満面な爺さん。正直だな。嫌いじゃないぞ。


 最初の話通り、ガルムの首元のクラン証が見える位置から上のアップと、全身写真を撮る。
 次に小さいヨミの躍動的に動き回る写真。
 そして大きいヨミの立ち姿。
 俺とレイを入れた集合写真。
 これはレイの獣人バージョンと獣化バージョンの2種類。
 それから、ガルムソファに寄り掛かる俺の胸元にヨミが入り、獣化したレイが膝に上半身を乗せてる俺の天国バージョンを撮った。
 勿論、最後のは非公開。

「いやぁ、良い写真が撮れたのう」
 爺さんが撮った写真をウィンドウで見せてくれる。
「確かに良いな。俺も欲しい」
 特に最後の1枚。
「ID交換すれば送れるがのぅ」
 爺さんがチラリとレイを見る。いや、別にレイは俺の保護者じゃないからな?

 ID交換すると、爺さんの名前が判明。
『タカアシガニ』
 うん。予想はしてたけど、確定する前に一度冷静になるべきだったな、爺さん。
「年上!?」
 爺さんに驚かれた。現実年齢リアルの話だよな?爺さん、ここで26歳以下のわけないよな。何族だよってなるわ。


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