43 / 506
クランハウスに部屋を貰ったから、快適空間にしたいと思う
43:クランハウスの中を見てみた
しおりを挟む皆の部屋を順番に見学する。
最初に見たユズコの部屋は、現実と似ていて、雰囲気としては、アールデコ調。
入り口の応接室を整えたのは、ユズコかもしれない。
咲樹の部屋はアールヌーボー調で、自分の趣味と今のキャラのイメージを合致させて作られたのだろう。広いし、完成度が高い。本物じゃないと解っているのに、女性の部屋にいるようでドキドキする。
オーベの部屋はとりとめがなく、とにかく好きな物を集めた感じ。正直に言おう。散らかってるんだ、凄く。本人曰く「まだ途中だから」だと。
ジルドの部屋は予想通りの純和風。龍の欄間まである。ちょっとヤ◯ザの親分の家に見えなくもない。でも本人は吸血鬼というアンバランス。
レイの部屋は、何と箱がひとつだけだ。
「寛ぐなら共有スペースで良いから、部屋に物が必要ないんですよ」
えぇ~。それで良いのか?レイさんや。
現実の部屋が凝りに凝ってるのに、なんでやねん。
もうひとつある扉を開けると、そこは何もない空間。
ただ、他の部屋と違い壁の一面がリビングと同じように全面窓仕様。しかも向かいの壁には大きな扉。
「ヴィンの部屋は従魔がすごす時間が長いから、大きな窓と専用の出入口付きね~」
クラン証が鍵になり、扉から出入りできるのだとか。
「この建物に接している森は全てクランの土地だから、気にせずいじって良いぞ」
マジか!家庭菜園とか、ちょっと憧れてたんだよな。自家製トマトとか齧り付きたい。
実は、今年からトマトの口腔アレルギー症候群になったので、生は2切れまでしか食べられなくなった。好きなのに。
とりあえず一度解散。皆して自室へと戻る。勿論、レイはリビングだ。俺も何もない自室へ。
「出入りできるか試してみるか」
<きゅ!>
外へ通じる扉へと近付いた。
結果。俺とヨミは通れたけど、ガルムは弾かれた。
ゴメン。従魔用のクラン証は、まだ俺が持ってたわ。
本来の入口は、クラン員である事が出入りの条件なので、俺の従魔の2匹も問題なく通れた。だが、この扉はクラン証が鍵なので、俺とくっついていたヨミは通れたけど、ガルムはダメだったわけだ。
「ごめん、ガルム」
部屋へと戻って謝る。実は扉があるけど開きはしない。透り抜ける感じだ。『ここが出入口ですよ』の目印に在るだけ。
<いや、予想はしていたからの>
なんと。ちゃんと右前足で扉に触れて、通れないのを確認したのだとか。優秀過ぎる。
「レイ。クラン証ってどうやってチェーンに付けるの?」
クラン証には、ペンダントトップのような穴がない。
「付けたい物に当てて魔力を流せば、希望する形になりますよ」
レイが自分のクラン証で実践して見せてくれた。買っ……貰ったチェーンに当てると、ペンダントへと変貌する。
クラン証のサイズも少し小さくなった?
チェーンは頭を通す時に一度広がり、首元でまた縮まる。鎖骨の少し下にペンダントトップがくる長さで収まった。
俺も自分のはドックタグの長さに、ヨミとガルムのは首が締まらない余裕のあるサイズに作って装着した。
応援ありがとうございます!
157
お気に入りに追加
1,000
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる