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クランハウスに行く為に『しきしま』目指して頑張りま……す?
41:クラン証を受け取ろう
しおりを挟む「ねぇ、オーベ。クラン証受け取って来たのよね?」
咲樹が頬に手を当てて首を傾げる。
それはそうだろう。オーベは何も持っておらず、一人の女の子を連れていた。
女の子は、10歳くらいの人間に見える。
「アタシが職人ギルド指定のクラン証発行人なのよさ!」
某闇医者にくっついている元畸形嚢腫の少女のような話し方だな。見た目は赤毛のおさげで全然違うが。
「子供じゃないのよさ!20歳のドワーフだから、馬鹿にしたらコレ渡さないのよさ!」
少女が掲げた透明な袋の中には、クラン証だと思われる物体が入っていた。
「いやいやいや。そのキャラ作りで子供扱いするなって無理があるだろう」
思わず声を掛ける。
「それとも、そこまでが込みのキャラなのか?」
たしかあのキャラも「18歳なのよさ」とよく言っていた。
ガルムの上にいる俺が見えないのか、キョロキョロと周りを見回した後、後退りしてジャンプをする。
「卑怯者ー!姿を見せるのよさ!」
別に隠れてるわけじゃないんだがなぁ。
飛び降りようとすると、ガルムが伏せをしてくれ、ジルドが降ろして……降ろせや!
俺を抱っこしたまま少女の前まで連れて行き、目の前に降ろす。
「ほら、27歳ハーフリングだ」
ジルドさん?相手よりも俺の精神的HPがダメージ受けてますけど!?
「はい。忘れ物です」
レイが自分の頭の上にいたヨミを俺の胸元に持ってくる。ヨミは当たり前のように服の中へ入って、定位置へと移動した。
<きゅ!>
空気読んで、ヨミ!いや、読んだからこそのコレ?
「負けたのよさ……」
いや、勝負してないからな!?
「冗談はこの位にして、真面目にクラン証渡しますね。皆様、ギルドカードを用意してください」
ちょ、キャラ違い過ぎる。見た目は子供のままなのに、公務員のようにキッチリした口調になった。雰囲気もガラリと変わる。プロだ。
「オーベ様、クラン責任者で間違いないですね?」
少女は、オーベのギルドカードを確認し、クラン証の表側と裏側を見せてから手渡す。
「ジルド様とレイ様が副責任者ですね?」
同じように二人にも手渡す。
「咲樹様、ユズコ様は、クラン員で間違いないですね?」
それぞれに確認して渡していく。
「ヴィン様は、クラン員で従魔の分もクラン証発行希望で間違いないですね?」
「はい」
「では、こちらがヴィン様の分です。従魔の分がこちらで、名前がガルムとヨミで間違いないですか?」
「はい」
<きゅ!>
<ガルムが儂の名前だな>
「では、お渡しします」
ギルドカードを見せる。小声で「マジか」と言っていたのは聞こえなかった事にする。
少女が俺の手に、俺の分のクラン証を渡してくれた。
「従魔の分は『登録』の為に、一度体に触れさせていただきます」
俺と一緒に名前を確認しながら、ガルムとヨミの額にそれぞれのクラン証をペタリと触れさせる。
「登録完了です」
二匹の分のクラン証も受け取った。
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