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クランハウスに行く為に『しきしま』目指して頑張りま……す?
38:従魔専門店
しおりを挟む「従魔関係ないのかよ!」
爺さんから激しいツッコミきました。てか、キャラ崩壊してるけど良いのか?店員さん、目ぇ見開いてるぞ。
「んん!アリシアナ、今日はもう帰っていいぞ」
咳払いをした爺さんが、本に視線を落としながら店員=アリシアナ=さんに声を掛けた。
「そう、ですか?それでは……お先に失礼します」
アリシアナさんは俺と爺さんをチラチラ見ながら、店の裏へと入っていった。
「もう、ホント勘弁してよ。従魔屋来て、従魔関係ない物探してるとか思わないだろ」
見た目も声も爺さんなのに、口調が若いって笑える。
「いや、ヨミのアクセサリーだが」
ヨミは俺の従魔だし、従魔に関係ある物だ。
「ヨミってそのアルミラージの事かの?」
お、猫被ったね。
「サイズが変わるから、そういうのに対応する特殊なリボンとかが欲しいのだが」
<きゅ!>
ヨミが胸元から飛び出し、中型犬の大きさになった。
「ふおぁ?アルミラージがサイズ変更するとか聞いた事ないんじゃが?」
お!今回はキャラ崩壊しないで驚いたね。
<きゅきゅう!>
ウサギのドヤ顔って初めて見たぞ。可愛い。
「鑑定しても良…」
レ イ:ヴィン?今どこにいますか?
「悪い。友人からチャットきた」
爺さんへ手をかざし、会話を止める。
ヴィン:早いな、レイ。今【従魔専門店】にいる
レ イ:ガルムを連れて行きますね
ヴィン:え?店に入れないぞ
レ イ:近くに居たいらしい(笑)
ヴィン:待ってる
ヤバイ。ガルムが予想外に可愛い。
思わず、中型犬サイズのヨミに抱きついて悶えてしまった。
「ヨミ~、ガルムが可愛いよ~」
ヨミの毛は天鵞絨の手触りです。スベスベフワフワ。
「ガルム?」
訝しげな爺さんの声で、そういえばこの地域にいるって事は、確実にガルムと戦ってるよな、と思い至った。
レ イ:着きました。扉を開けてください
なぜかレイからチャットがきたので店の扉を開ける。
と、銀狼姿のレイが入って来た。
「何で銀狼なの?」
言いながら抱きついた俺は悪くない。後ろで拗ねたヨミが足ダンをしたけど、俺は悪くない、よな?
「ガルムって、狼に付けた名前の事か」
爺さんが安堵の溜息を吐きながらそんな事を言う。まぁ、この状況じゃ誤解してもしょうがないか。
「この銀狼は友人だ」
俺の台詞を受けて、レイが人型に戻った。
爺さんが声を出さずに口をパクパクさせてレイを指差す。マナー違反ですよ~と言うのはやめておいた。
「ガルムなら外にいます」
レイが外を見るように顔を向けると、爺さんが年寄りとは思えない瞬発力で外へ飛び出した。
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