35 / 506
クランハウスに行く為に『しきしま』目指して頑張りま……す?
35:ひとりで街中を歩いてみた
しおりを挟む必要最低限の家事だけをして、幻想世界へ戻って来た。
予定より30分くらい早いけど、お店を見て回りたいんだよな。
一応、全員へ既にログイン済だとメールしておく。チャットとは別で、ID交換をしていると送れるのがメール機能だ。まぁ、クランメンバーもパーティーメンバーもID交換してるのも、まだ五人だけだけどな。
<主、戻って来たのか>
俺がログインしてからメールしていると、ガルムがのっそりと近寄って来た。
噴水横の広場にある大木の下で寝てたらしい。ガルムの横をヨミがチマチマと跳んで来るのがまた可愛い。
<きゅ!>
ヨミが飛びついて来た。今回は加減を覚えたらしく、俺が倒れるほどの衝撃は無い。
そして、当たり前のように首元から洋服の中に入って行った。
「ただいま。ガルム、ヨミ」
ガルムの胸の毛のモフモフを堪能する。
さてと、どうするか。ここで俺達だけで行動すると、レイが従えたというミスリードの意味がなくなるからな。
「ガルム、皆が来るまで待ってられるか?」
<主は街中にいるのだろう?それならば、また木の下で待っていよう>
俺の意図が通じたらしい。
<危なくなったら呼べ、念ずるだけで良い。すぐに駆けつける>
何それ男前!
「ありがとう!ガルム」
もう一度抱きついた。モフモフを堪能する為じゃなかったはずだが、このフワフワの魅力には勝てなかった。
ガルムと分かれて、屋台が並んでいる広場へと移動した。
「食べ物はさっき……ここでは昨日になるのか?に、たくさん買ったから……」
と言いながら、目の前の屋台に近付いちゃう俺。
「ヨミ、タコ焼き食べるか?」
<きゅ!>
ギルドカードを出して買おうとしたが……
「お金は良いので、撫でて良いですか?」
タコ焼き屋のお姉さんにそんな事を言われた。異界人だよな、この人。
まぁ、撫でるくらいなら大丈夫だろう。
「軽くなら……」
タコ焼きを受け取りながら返事をする。
って、俺かよ!
「ウフフ。サラサラ可愛い」
俺の頭を軽く2、3度撫でると、満足そうに微笑んだ。
セーフ機能オンだから、俺が拒否してたら触れる事が出来ない仕様だ。
ヨミのつもりでOKしたんだが、まぁ良いか。
「ありがとな」
タコ焼きを目線まで上げてお礼を言って、店を後にした。
実は、セーフ機能オンだが街中での対人戦闘はOKにしている俺。
テイムされてる従魔を一方的に傷付ける事は出来ない。が、PvPはテイマーがOKすれば従魔も参加できるんだぜ!
むしろ従魔無しで戦うテイマーはいないだろうけどな。
勿論、俺から仕掛ける事はしないけど、売られた喧嘩は買う主義です。
応援ありがとうございます!
148
お気に入りに追加
1,000
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる