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クランハウスに行く為に『しきしま』目指して頑張りま……す?

33:エンプティではなくエナジー

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「何か、体が重い……気がする?」
 クラン証を作ってくれる店に向かって街中を歩いていたが、何となく体の動きが悪い気がする。
「ヴィン!今日に来てから何か食べました?」
「食べるどころか、飲んでもいない」
「ちょ、ちょ~っと!?ステータス開けて!!」
 レイとオーベに挟まれて、ステータスウィンドウを開けた。

「EPがイエローゾーンだよ~。むしろほぼレッドゾーン!」
 オーベの焦ってる姿なんて珍しいものを見た。
「チュートリアル、ちゃんと聞いてたかぁ?」
 ユズコに頭をグリグリされた。
 すまん。聞いていたつもりだが、半分くらいは理解出来なかった。てか、後でお前らに聞けば良いだろうって思ってた。

「そんなに落ち込まなくて良いわよ。街の中で気付いて良かったわ」
 咲樹に抱き上げられた。
 本物じゃなくても、ここでは本物だから感触がムニッとですね。とてもけしからんメロンがふたつもでしてね。

「助けて、ガルム」
 このままじゃ俺、開けちゃいけない扉開けちゃう。あ、セーフ機能オンだからセーフだ。まさしくセーフ。
 でも、ガルムの背中に移動はするけどな。


「ほら、とりあえずコレ飲んで~」
 オーベがインベントリからフルーツシェイクを取り出して渡してくれる。
 甘さ控えめで、どちらかと言うとスムージーかな。美味しい。
「飲みながらで良いから、聞いてくださいね」
 はい。頷いて見せた。

「HealthPoint(ヘルスポイント)は、体力とか生命力です。これはわかりますね?」
 うん。ヒットポイントだと思ってたけどな。

「MagicPoint(マジックポイント)は、魔力の量。これも昔からある RPGでわかりますよね」
 うん。

「EnergyPoint(エナジーポイント)。これは、活動する為に必要なポイントです。ゼロになってすぐに死ぬ事は無いですが、HPが減ります。
 それに、倦怠や鈍化などの状態になりますから、バトル中に0にならないように注意してくださいね」
 今の俺はこのEPがヤバかったわけだ。

「EPは、食べたり飲んだりする事で回復します。激しく動けば減りが早いので、これからは注意してくださいね」
 はい。すみませんでした。大切な事だから2回言いました…な感じですか?レイさん。

「注意してくださいね」
 3回言われました……



 クラン証の店の前に、携帯食やらお弁当やらの購入です。兵糧丸みたいなのから、幕の内弁当、サンドウィッチにおにぎり。
 オーベお勧めのスムージーは、ちょっと多めに購入。
 いや、実際に金を払ったのは五人なんだが……これがホントの寄生プレイ。
 だって、勝手に買ってきてガルムの上にいる俺にどんどん渡してくるんだ。

 ユズコがマンガ肉を買ってくれたけど、俺よりガルムの目が輝いていた。
 兎肉のハムをヨミが喜んでいたのは、微妙な気持ちになった。肉食だったな、そう言えば。
 可愛くニンジンとかリンゴとか食べてくれないかな。


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