ほんわりゲームしてます

クランハウスに行く為に『しきしま』目指して頑張りま……す？

32：クラン名とクランマーク

　


　今までステータスにしか記載のなかった従魔の事が、ギルドカードにも明記された。
　そういえば、ここってギルドランク？冒険者ランク？そういうのが無いんだな。
　まぁ、自己責任って事なんだろうな。
　自己責任と言えば……
「何で今日、全員がこの時間にログインしてるんだ？」
　噴水にいた時から思ってたんだよ。

「急ぎの仕事は無いので」
　レイは、在宅勤務の個人事業主なので、比較的自由なのは解る。自宅警備員と前に言ったら怒られた。それはニートの別称だと。
「偶然休みだった！」
　シフト制の仕事をしているユズコだ。夜勤もあるし、なかなか大変だけど、高給取りだったりする。
「有休入れた」
「あ、私も有休取っちゃった」
「同じく有休～」
　それで良いのか、社会人。いや、俺もか。

　とりあえず、時間の心配なく遊べるのか。
　何となく嬉しい。
「ヴィンの誕生日だしな！」
　ユズコが笑って言う。でも、お前は偶然休みだったんだろ？と、一応言っておこう。
　わはは、と豪快な笑いが返ってきただけだった。予想通り。


　ではまず、この街で買い物だな！と思ったら、以心伝心？オーベからの提案。
「街中見て回る～？」
「ガルムとヨミのアクセサリー買わなきゃですよね」
　そう。レイの言うとおり。野良と区別するのに従魔に何か付けなきゃいけないのだ。特にヨミ。
　胸元のヨミを撫でると、気持ち良さそうに目を細めた。

「前に言ってた『クラン』の証あかしも作りましょうよ」
　え、腕章的なのとか、カラスマスク的な厨二病な……
「多分、想像してるのは間違いだからな」
　吸血鬼は心も読めるの？ジルド凄ぇ！と思ったが
「ウヘェ、嫌だ～って変な表情になってた！」
　ユズコからツッコミきた。

「まぁ、そういう輩やからもいますけどね。普通はペンダントとか、バッジ位ですよ」
「種族を揃えてるクランとかは、マントや衣装合わせしてたりして、それはそれで格好良いけれど……」
　咲樹の視線が俺を上から下まで見てから、ユズコへ向く。そして、更にレイへ。
「……親子？」
　似てねぇから！髪色くらいだからな！？

「うちは装備や普段の服もバラバラだし、ペンダントかドックタグかな～」
　ドックタグって、軍隊とかで名前と所属と血液型とか記載するアレでしょ？俺が付けたら『迷子タグ』とか言われそうなアレ。
「……迷子タグ」
　よし、お前後で体育館裏な、オーベ。

「ペンダントなら、ガルムやヨミも付けられるんじゃないですか？」
　レイのこの一言が決め手になり、ペンダント型のタグに決定しました。


　クラン名【sechs（ゼクス）】はドイツ語の６という意味だそうで、六角形の中に晴明桔梗を入れて、真ん中に自分の瞳の色の魔石を入れるデザインに決定した。
　五芒星と呼ばずに清明桔梗と呼ぶのは、オーベかジルドの趣・味・だろう。
　このデザインは【sechs（ゼクス）】の正式な象徴として登録するんだとか。

　こんな単純なデザインじゃ、簡単に真似されて、偽物を身につけてクラン員に成りすます人とかいないのかと心配したけど、そ・れ・をやると運営からペナルティがあるらしい。良かった。