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クランハウスに行く為に『しきしま』目指して頑張りま……す?
31:従魔登録が面倒過ぎる件について
しおりを挟む「何かお使いかな?」
うん。このやりとりも大分慣れたよ。
「従魔の登録をしたい」
ギルドカードをカウンターに置くと、受付嬢が微笑ましそうに胸元のヨミを見た。
「はい。ではここに手を置いてくださいね」
ギルドカードを何か機械に差し込んで、丸い透明な玉に手を当てろ、と言われた。何かアレみたいだな。クリスマスとかに見るガラスの中に雪が降ってる置物。スノーグローブだっけ?
手を当てると中が光って、ますますスノーグローブっぽい。
「あら?もう一匹ワンちゃんがいるのね」
「いるな」
わんちゃんなんて可愛い呼び名が似合わないのがな。
「連れて来ないとダメですよ。職員の目視が必要なんですからね」
メッなんて可愛く言ってくるが、いい加減子供扱いをやめて欲しい。年齢見えてるよな?
因みに他の五人は、俺が子供扱いされるのを、少し離れた所からニヤニヤしながら眺めている。当のガルムは外で待っていた。
「ここに入れない大きさなのだが」
いや、他に誰もいなければ入れるだろうが、この混雑状況では傍迷惑だと思うぞ。
「もう!そう言う見栄とか?プライドとか?要らないから、連れて来てください」
ソウダネ。
ヴィン:レイ。ガルム連れて来て。
レ イ:え?ここにですか?
ジルド:パニックにならないか?
ヴィン:従魔を連れて来ないと登録できないと言われた。ちゃんとここに入れない大きさだと説明したんだがな。
オーベ:説明したんなら、良いんじゃな~い?
ユズコ:ちょ、オーベ軽っ(笑)
咲 樹:ヴィン、やっちゃえ!
ヴィン:何をだよwww
レイとユズコが扉から出て行くのが見えた。
ギルドの、おそらく普段は片側しか開けないで出入りされている扉を、レイとユズコが全開にする。そこを身を屈めたガルムが入って来た。
<主、どこに行けば良いのだ?>
室内で見ると、尚更デカイな。
パニックです。予想以上にパニックです。
黒光りのGが入って来た女子更衣室のようにパニックです。いや、そんな現場に遭遇した事無いけどな。
「あれです」
レイとユズコに付き添われているガルムに手を振って合図をしてから、受付嬢へと向き直り告げる。
反応無いな~と思ったら、目を開けたまま気絶してたみたい。フゥッと後ろへ倒れていった。
あの後、係の人が交代して無事に登録が済んだ。
ガルムを呼ぶまでの受付嬢とのやりとりは、ちゃんと監視カメラらしき魔道具に記録されており、お咎めは無しでした。
むしろギルマスが出て来て謝ってた。
最初に対応した受付嬢は「だって『番犬』って出たら動物だと思うでしょ?」と言っていた。
動物だったらテイムしなくね?と心の中でツッコミを入れておいた。
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