ほんわりゲームしてます I

クランハウスに行く為に『しきしま』目指して頑張りま……す？

27：可愛いは正義……？

　


　ログインした。……瞬間に人波に押されて噴水へ落ちた。

　あまりにもビックリしすぎて、噴水の中でそのまま固まったよ。
　広場に在る程度の噴水だし、深さは大人の膝くらい。ハーフリング俺が座っていても顔は充分に出る。

＜主あるじ！？＞
　驚いたガルムが体を起こすより先に、ヨミが跳んで来た。
　防御紙な俺が受け止め切れるわけもなく……後ろへひっくり返りましたとさ。

「……って、ぷはぁ！何してんだ、ヨミ！」
　溺れる前に体を起こすと、俺に叱られてるにも関わらず服の中へと入って行き、また首元からチョコンと顔を出した。
　びしょ濡れじゃなければ、可愛いな～と褒めるところだがな。

＜きゅ＞
　きゅ？
「ヨミ？」
＜きゅっ！＞
「お返事できるようになったのか、ヨミ」
＜きゅぅ！＞
「そっか～良い子だな～」

「ヴィンも良い子だから、さっさとあがろうな～」
　後ろから脇の下へ手を入れられて、プラーンと持ち上げられた。
　え、俺、子供感凄くないか？これ。

　プラーン状態のまま、噴水の外まで連れ出された。
　しかも１番体格の良いユズコに。
　しつこいようだが、俺の子供感半端無い！
　しかも胸元にヨミがいるからか、周りの視線が何て言うか……親目線？近所のおばちゃんが「あらあら」とか言いながら見守る感じ？

　泣くぞ。
　恥ずかしくて。

「咲樹。スクショ撮ってないで、乾かしてやれ」
　ギャラリーの１番前で、ニヤニヤ笑いながらウィンドウ操作している咲樹の頭をジルドが叩く。
「そうよね。乾かしてからの方が可愛いわよね」
　いや、そんな意味じゃないと思うぞ、咲樹。
　でも、乾かしてね。


＜主、終わったか？＞
　ガルムがのっそりと起き上がる。それだけでギャラリーから悲鳴が上がった。
　勿論、黄色くない本気の悲鳴だ。
「ただいま、ガルム」
　フカフカの胸の毛エプロンに埋もれる。
＜きゅ！！＞
　ヨミからの苦しい！という苦情をいただきました。多分。

「嬉しいのはわかるけど、そろそろ移動しようか～」
　パーカーのフード部分を持たれて後ろに引かれる。ヨミごと首が締まるっての。
＜ぎゅーー！＞
　聞いた事ない声でヨミが鳴く。怒ってるのか、苦しいのか、両方か？
「あ、ゴメ～ン」
　犯人であるオーベが両手を上げて一歩下がるのが見えた。

「とにかく、行きましょうか」
　抱き上げられた。安定のレイである。
　あれ？今日、平日だよな？
　何で全員集合？
「今日は『しきしま』まで行けるように頑張りましょうね」
　美形の笑顔は破壊力が凄い。その証拠に俺の後ろから半端無い悲鳴が聞こえた。
　勿論、今回は黄色い悲鳴だ。