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誕生日プレゼントにゲームを貰ったので、堪能しようと思う
9:レベル上げらしいですよ
しおりを挟む「とりあえずレベル上げちゃう~?」
オーベが軽い口調で言う。
高校時代、全国模試1桁だったオーベは、俺の知る限り天才と呼ばれる人種だ。知的な美形なのに、話し方が残念なのは、狙っているのか素なのかいまだに謎。
「んじゃ、あそこ行って一気に上げようぜ」
柚子胡椒のサムズアップ。
「では、僕かジルドと一緒に行きましょう」
レイが俺を見る。レイは暗黒騎士なので鎧にマント。対するジルドは吸血鬼で暗殺者なので黒いお洒落なスーツ?タキシード?にマント。
一緒に行くって、手を繋ぐとかじゃないよな。多分抱きかかえて連れて行かれるとなると、硬い鎧よりは布地だな。
「ジルドかな」
ちょっとしょんぼりなレイ。鎧じゃなければ、銀狼なレイを選んだんだけどね。耳触りたい。
「はい。ジルドに決定ね~。
先行はレイと柚子胡椒で、二人の討ち漏らしを咲樹がヴィンを守りながらドッカンね。ジルドはとにかくヴィンを守って、俺は皆を回復&ヴィンを守護するよ~」
レベル1だから文句は言わないが、俺の守りが強固過ぎないか?
ここ!ここの適性レベルはいくつですか!?
熊!3メートルは軽くある熊!しかも爪は刃物みたいだし、背中にゴジ◯みたいな突起物ありますけど!?
そんなのが三匹纏まって襲って来てますけど!!
はい。柚子胡椒が殴って蹴って一匹沈め、レイが一匹を一刀両断し、咲樹が一匹氷の彫刻にしました。
比喩ではなく、あっと言う間でしたよ。そして恐ろしい勢いで〈レベルが上がりました〉のコールが鳴ってます。
これ、寄生ってヤツじゃないかと思うんだが……
レベル44……あの三匹でそんなにレベルが上がったの!?
おかしくね?どう考えても普通じゃなくね?
ちなみに、レベルが上がりましたのコールは43回ではなく、8回でした。良かった。43回も鳴ってたら、うるさくて発狂する。
「いくつになった?」
ジルドに聞かれる。
主語がないが、ここはウケ狙いで年齢を答えるべきか?素直にレベルか?
「110センチ?」
当たりだが、そうじゃないだろうオーベ。
「日付変わってないから、26歳?」
咲樹が乗っかる。お前ら、ジルドの眉間の皺を見なさい。
「5センチ?」
下ネタやめなさい、柚子胡椒。そもそも俺はセーフ機能オンだから、全裸にはなれません。
「レベルはいくつになりましたか?」
レイが改めて聞いてくる。
俺を抱っこしているジルドの頭をポンポンしてから、レイの質問に答える。
「44になった。上がり方、おかしくないか?」
「まだ44でしたか。あと6は上げたいですね」
あれ?皆的には普通なの?誰も驚いてないし。
「50になったら、一度街に戻って装備整える?私、ローブ予約してあるの」
ウキウキ顔の咲樹。
それを皮切りにブーツが小手が胸当てが……とそれぞれが言い出した。
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