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44.フローラ視点 ※胸クソ注意

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 何?何言ってるの?
 黙んなさいよ!

 何よ、私生児って!
 私は正妃よ!
 将来の王妃で国母よ!!

 卒業が最低条件?
 出産したら結婚できない?
 何よそれ!聞いてないわよ!?


 王宮から出て行けと言われ、パーティー会場から連れ出された。
 部屋からなるべくたくさんの宝石とドレスを持って来ようと思ったのに、北の離宮とかいう所に連れて行かれた。
 建物の前に、さっきのムカつく神官長とかいう人が居た。

「子供をおひとりで育てられますかな?」
 無理に決まってる。
 元々、乳母に全て任せるつもりだったんだから。
「一生会えなくなっても良いのなら、教会で引き取りましょう」
 一も二もなく、子供を渡した。
「名前は何と言いますかな?」
「ないわ」
「じ、じっくり考えて決めようとしてたんだ」
 ヤコブが言い訳してるけど、そのうち王様にでも付けてもらおうって、面倒くさいからって言ってたわよね?


 産むのは大変だったし、産まれたのを見たら全然可愛く無いし、王子だから可愛がってたけど、育てるのは乳母がやるからいいと思ってたし、自分一人で育てるなんて絶対嫌。


 メイドにドレスを脱がされて、質素なワンピースを渡された。
「何よコレ!もっと可愛いのでも豪華なのでも、たくさんあるでしょう!?」
 刺繍も無ければ、可愛いフリルもない灰色のワンピース。
「これからはひとりで着替えるんですよ?出来るんですか?」
 何言ってんのよ、この女。
 何で私がひとりで着替えんのよ!

「職場放棄すんの?いい根性してるわね!クビにするわよ!?」
 怒鳴りつけたら、鼻で笑われた。
「私は王宮メイドです。今日はこのドレスの為に来ただけですわ」
 そう言うと、生意気な女はドレスを持ったまま部屋から出て行った。
 下着姿でワンピースを手に持った私を放置してね!!


 いつまで待っても、さっきのメイドは戻って来ないし、他のメイドもやって来なかった。
 仕方ないので自分でワンピースを着る。
 前ボタンで質素なワンピースは、今まで着てた夜着よりも質素で、人前に出るのが躊躇ためらわれる服だ。
 昔侍女見習いしてた頃の制服より、肌触りも悪い。

 1番大きな部屋へ行くと、ヤコブはすでにソファに座っていた。
 シャツだけ豪華でズボンは私と同じ灰色のを履いていた。


「しょうがないから、あの女と結婚する。フローラはここに住んで、俺が通うようにすれば良い。あの女に子供さえできれば、後は豪華に旅行にでも行こう」
「まぁ!素敵!それなら、さっさとアンシェリーを犯して子供を作ってね!でも心変わりしちゃイヤよ」
「大丈夫だ。目もつぶるし、俺は動かない。あの女が惨めに自分で動く間は、フローラを想像しているよ」

 本気でそう思って、二人で楽しい想像をしていた。
 そんな日は二度と来ないと、この時の私達は知らなかった。


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