追放された令嬢は記憶を失ったまま恋をする……わけにはいかないでしょうか?

ツルカ

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夢と現実

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 夢を見てる。長い夢だ。




 昔住んでいた家の中に、パパとママが居る。ということは、これはまだ幼い頃の夢なんだろうな。

「栞は本当に可愛いね……」

 パパは口癖のようにいつもそう言っていた。

 パパの形の良い細い指が私の頭に乗せられて、ゆっくりと動くと、不思議と本当に可愛い女の子になれた気がした。

 だってパパはとても綺麗だったから。

 私はパパが大好きだった。パパはとてもキラキラとしていて、いつだって私の自慢だった。

 男の人なのに、私よりもママよりもずっと綺麗なパパ。友達のおとうさんもおかあさんも、パパを前にするとみとれるように頬を染めるのだ。

 サラサラの長い髪をしていた。茶色の髪を後ろで束ねていると、線の細さからまるで女の人みたいだった。

「栞もパパに似たかったな」

 私の言葉に、パパはいつも笑っていた。

「栞は誰よりも可愛い。愛してるよ」

 そう言うと私の頬に、いつも外国の人のようなキスを落とした。

 私はそれが幸せだった。綺麗で、カッコよくて、優しかった、私のパパ。

 だけど、私とママにだけに、優しかっただけじゃない。

 パパはいつも、知らない女の人たちに囲まれていた。向けられる笑顔に同じようにパパも笑顔を返す。

 パパの優しさはみんなのもの。パパの愛は愛のようで愛じゃない。小さな私にとっては。

 ……でも私にだって分からない。愛ってどんなものだろう。

「側にいなくても、愛してるよ」

 最後まで、そう言っていたのに。両親が離婚してから、一度も会いに来てくれることもなかった。

 パパが居なくなった後、ママから笑顔が消えた。火が消えた様に、我が家には、いつもぽっかりと穴が空いたような喪失感を感じていた。

 私が大人になれなかっただけなのかもしれない。親離れできない、子供だったのかもしれない。

 男の子のことを好きになれなかったし、告白されても、どこか信じられなかった。パパのように、愛を語りながらも、いつか消える様に思えた。

 けれど私なりに独り立ちしようとがむしゃらに生きていた。あのまま社会に出て、人と触れ合い生きていけたら、何かが変わることもあったのかもしれない。

 だけど。私は、あの日事故で亡くなってしまったのだ――







(パパ……)

 夢を引きずりながら目を覚ました。とたんに思い出す。私は死んだんだって。

 胸が痛くて、苦しかった。

 前の人生で思い残した1番のことが、パパのことだったんだなって、自覚してしまった。

 夢に見るだけでこんなに苦しくなって、この世界には、もう栞もパパもいやしないのに、私の気持ちだけが取り残されているみたい……。

 そう思いながら部屋の中を見回すと、黒い大きな瞳が私を見下ろしていた。

 意志の強そうな太い眉と射るような眼差し。鍛えた肉体を持つ、美しい容貌の男。だけどパパとはまるで違う人。

 パパはいつも空気に溶けるような笑みを浮かべて愛を語っていたけれど、彼は違う。

 生真面目なこの人は、ベッドの端に腰掛け、硬い表情で私を見つめていた。

「……ジェイラス」

 彼の不器用なまでにまっすぐな眼差しが、愛しくて堪らない。

 彼の瞳に映るだけで、心の中に幸福感が広がっていく。ああ、へらへらと笑ってしまう。

 大好き、ジェイラス!

 私不審者だよね。でも抑えられないの。

「シオリか……?」

 体がぞくりと震えた。

 ジェイラスが私の名前を呼んでるなんて、一体なんのご褒美!?

「うん……うん。ジェイラス」

 あぁ、嬉しいなぁ……。
 もっと呼んでも構わないよ。

 ちょっとだけ欲望のままそんなことを思っていると、ジェイラスの太い指が私の頬に触れた。

 傷だらけの彼の手。荒れた指の腹の感触を感じると、また体がぞくぞくとしてくる。

(え……なにこれ。どんな事態!?)

 あ、わかった。

「夢かぁ……」

 なんだか頭がぼんやりとしてはっきりしない。おかしいと思ったんだよ。

 頭の中にいろんな記憶がごちゃごちゃと混じりあっているみたい。
 夢なら、儚く消え去る前に堪能しておかなければ!と気持ちを切り替える。

 実際にジェイラスとこんな色っぽい感じになれるのずっと後だろうしね。将来的にはお願いしたいところなんだけどね!

「ジェイラスに触れられると嬉しい」

 とりあえず、気持ちを伝えてみる。
 喜びを伝え続けていたら、ほら、次のステップにたどりつけるかもしれないじゃない?すべては明日のために、そのいち!なのよ。

「……?」

 あれ?ジェイラスが腕を伸ばしてきた。

 そうしてまるで私の欲望が叶っていくかのように、彼のもう片方の手も私の頭をなで始めた。

 大きな彼の手はパパとは全然違う。男らしくて、力強くて、とても安心する。

 それに屈んだ彼の顔との距離も近くて……彼の熱まで伝わって来そうだ。

 う、顔が熱い。絶対真っ赤になっている。

 欲望が叶いすぎると思いの外困惑するようで、思わずもじもじとしていると、ジェイラスが私の体を持ち上げて上半身を起こした。

 ベッドの上に座るようにして、私はジェイラスへと向き直る。

 漆黒の瞳が真っ直ぐに私を見つめていた。

「あの……ジェイラス?」

 意識がぼんやりとしていて、まるで夢心地だ。あ、夢なんだけどね、これ。

「シオリ、なのか?」
「うん?」

 ジェイラスは信じられない、とでも言うようにそう呟いた。

 ああ、さっきから私の形を確かめるように手を動かしていると思ったら、存在を確認していたのか。夢だからそういうこともあるかも。

「シオリだよ」

 にへりと笑いながら答えると、ジェイラスの両腕が伸びてくる。

 彼の大きな胸に飛び込む形になった私は、そのまま強い力で彼の腕の中に抱え込まれた。

(ふ、ふおおおおおお……!!)

 さすが夢。願望が叶えられまくってる。なんて考えてる余裕もない!

 彼の使い古された薄いシャツが顔に押しつけられている。だけど、少しだけ汗ばんでいるのも感じる。においもかいでしまえる。ああ詳細をいつまでも語りたい。なによりここは天国より暖かい!

 ……いや、死んだことあるわりに天国の存在は知らないんだけど……。

 ううう、幸せすぎてもはやなにがなんだか分からない。情報量の多さに涙が出てくる。なんの涙かも分からない。

 どうしてこんなにも、切ないくらいに幸福になれるんだろう。

 ーー『愛しているよ』

 夢でみたばかりのパパの台詞を思い出す。パパはそういうばかりで、私に二度と会いにくることはなかったけど……。

 だけど、ジェイラスは違うような気がした。

 なんの言葉もなくても、その態度と行いで、彼の感情が見え隠れしているように思えるのだ。

 今……ジェイラスがこんな風に抱きしめてくれるなら……きっと、彼は私に対して悪い気持ちを抱いていないと思える。大事な存在として……必要としてくれて、抱きしめてくれている……そんな風に感じてならない。

 ……そう思いたいから、そう感じるのかもしれないけれど。それでもいいじゃない。夢の中でくらい、心から幸福を感じてしまっても。

「……あなたに会えて良かった」

 ジェイラスの背中に腕を回して、ぎゅっとしがみつく。私の気持ちが少しでも彼に伝わりますようにと願いながら。

「あなたに会うために、きっとここに来たの……」

 佐々木栞の人生にあった悲しい出来事は、ジェイラスに出逢えて癒されてしまった。

 人を……男の人を信じられる気がした。この人の心を、感情を、疑う気持ちには微塵もならなかった。

 不器用なほど真っ直ぐな、この人が好き。……そう、誰かを好きになることまで、出来てしまった。

 それだけで、私がここに来た理由になると思えた。私はもう死んでしまったけれど、夢の中のようなこの世界で、自分の中の幼さと、未熟さと、心に空いた穴に気付けた。そしてそれを癒してもらえた。

 だから……私は。

 私は……。

(あれ……?)

 段々と、彼の体温で温められ、押し付けられた胸に息苦しくなってきているのを感じた。

「ねぇ、ジェイラス」
「なんだ?」
「……これ夢だよね?」
「夢?」

 不思議そうな声に、なんだか現実感が湧いてくる。

 男らしい大きな体とか、顔にかかる彼の癖毛のくすぐったさとか。

 まさかのこれリアル?

「……」
「シオリ?」

 時にリアルは妄想を軽々と超えて行くらしい。

 夢ではないならば。

「……ルシアに会った?」

 それならば、私はもう満足しなければいけないんだ。

 ジェイラスが驚いたように私を見下ろしていた。
 緩んだ腕の中で、私はそっと彼の胸に手を当てて距離を取る。まっすぐに彼を見上げると、彼も私の瞳を探るように見つめている。

「少しだけ、思い出したの。この体の中にずっと居た、ルシアって女の子のこと。ルシアは私の記憶を持ってる……」

 私はもう死んでいて、ルシアが私の記憶を持っている。

「シオリは……もう死んでいるの。生まれ変わったのか、そうじゃないのかも分からないけど……私の居場所はここにはなくて」

 言っているうちに声が震えてきた。

「私はあなたの前に、きっと、長くはいられないの……」

 どうしてまだ私が目覚められたのかも分からないけれど、この体はルシアのものだ。ルシアが目覚めた今、もう私の居場所はどこにもないんだろう。

 目の前にあるのは、日に焼けた、美しい細長の顔。顎は細くて、鼻筋は通っている。漆黒の瞳が探るように私を見つめる。

 とても綺麗な人だけど、パパとは違う。男らしくて野性味にあふれていて……ううん、もうパパと比べる必要もないんだ。私の心はジェイラスのことだけでいっぱいだ。

 この人の心が好き。

 見知らぬ誰かの心を癒してしまえるような、そんな心を持てる人になりたかった。

(私の恋は叶わない……)

 本当は、そんなことは、最初から分かっていた。栞はもう死んだ人間だ。どんなに好きになっても私と彼が結ばれることはない。

 だけど、初めての恋はとても幸福で。

 夢を見た。……夢を、見たかった。私はもう、めいいっぱい堪能させてもらったんだ。

 あなたの存在だけが、私を救ってくれた。だけどジェイラスのたくましい背中は、いつだって人を拒絶するように一人きりで立っているように見えた。

 ……私を好きになってくれなくてもいいの。

 苦しまないで。どうか幸せになって。隣に誰かがいたら、もっと楽しくなるかもしれないよ。一人で生きて行かないで。誰かと生きる喜びを知って。

 ジェイラスが誰かの側で笑顔になれる日が来るまで、私が見守れたら良かったのに。

 でもそれは出来ないって分かってる。

「出会ってくれてありがとう、ジェイラス……」

 私は言った。私もあなたのように、誰かにそう思ってもらえるような人になりたかったな、と思いながら。

 まだ心残りがあるとすれば、ジェイラスの心からの笑顔を見られなかったことくらいだ。

 そんなことを思いながら顔を上げると、ジェイラスの艶やかな瞳が揺れていた。

「シオリ」
「うん」
「俺のことを、知りたいか?」

 ……え?

 突然の彼の台詞に首を傾げる。知りたいかと言われると、めちゃくちゃ知りたいけど、どうしてそんなことを聞かれるのかが分からない。

「知りたい……です」
「そうか……」

 ジェイラスは私の返事に少し考えるようにしてから……笑った。

 嬉しそうに頬を染め、輝くような笑顔を私に向けている。

 突然の破壊力満載の彼の笑顔に、私の全部が持っていかれそうになる。

 どうしたのジェイラス?なにかあったの?

 頬が熱い。なんでこんな素敵なお顔が向けられたのかが分からない!

「俺も知りたいと思う」

 ……え?

 ジェイラスは抱いていた私の肩から手を離すと、立ち上がり言った。

「今はもう夜だ。夕食の時間は過ぎているが、軽食がそこに置いてある」

 見るとテーブルの上にサンドイッチのようなものが置かれている。私はそんなに長い間寝ていたらしい。

「……また明日だ。シオリ」

 そう言うとジェイラスは部屋を出て行ってしまった。

 何が起きたの?訳が分からなくて混乱する。

 だって、私は死んだ人間なんだって告げたのに、彼は私を知りたいと言う……意味が分からないよ。

 だけど……。

 彼の輝く笑顔が見れた。あんな顔は初めて見た。

「……く、くうううううぅ」

 私は布団を強く握りしめて、身悶えるように転げ回った。

 好きな人の満面の笑みに、瞬殺されそうでした。愛する人は殺人兵器になりえるのだと今知りました。

 好き。大好き。死んじゃいそう。もう死んでるけど。死後の世界でも好き。





 そうして私は、心も体もホットにさせたまま、眠れぬ夜を過ごしたのでした。
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