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第十三章
第226話 竜種殺しのアルに挑むのは
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「アル君これだ!」
リマが背の高いテーブルを持ってきた。
これはきっと力比べだろう。
「さあ、竜種殺しのアルに挑戦する勇者はいるか! 勝者はレイをものにできるぞ!」
リマのふざけた呼び込みで、何人もの貴族や役人が挑戦してきた。
当初はヴィクトリアを呼び捨てにしたことを怒った者や、本気でレイと付き合いたい連中が挑戦。
だが、そのうち俺との力比べが記念になるという話になり、長蛇の列が出来上がっていた。
「さあ! アル君との力比べは一人金貨一枚だよ!」
リマが調子に乗り、金貨の要求を始めた。
「リーマー!」
「あ! 冗談だよ! 冗談!」
「何が冗談よ。本気でお金を取ろうとしたくせに」
「そそそそ、そんなことないぞ! フハハハ」
怒りを見せたレイに、リマがすぐ謝る。
その間も俺は、なぜかひたすら力比べをやらされていた。
だが当然ながら、貴族や役人が力比べで俺に勝てるわけがない。
「さあさあ! アル・パートに勝ってレイを手に入れるのは誰だ!」
リマはさらに声を張り上げる。
すると、背後から鋭い気配を察知。
振り返ると驚くほど長身の騎士が立っていた。
「挑戦してもよろしいかな?」
「お、なんだ! ウェイクさんか! アンタ、レイのこと好きなのか?」
「無論だ。だがそれより、アル殿の力を試したいのだ」
辺りがざわついた。
「ウェイク隊長だぞ!」
「騎士団ナンバーワンの怪力だ!」
「あの筋肉にはアル様も敵うまい」
「じゃあ、レイ様はウェイク隊長のものに?」
リマがこの騎士の情報を教えてくれた。
名前はウェイク・マーク。
年齢は三十一歳で独身。
キーズ地方を守護する五番隊の隊長で、騎士団で最も腕力があるとのこと。
リマよりも力が強いそうだ。
ウェイクの身長は約二メデルト。
パーティー用の正装だが、タキシードがはち切れそうなほどの筋肉を誇る。
腕の太さはレイの腰よりも遥かに太い。
茶色の短髪で、肌艶はよく、年齢よりも若く見える童顔な好青年と行った印象だ。
顔と身体のギャップを感じる。
「クロトエ騎士団五番隊隊長ウェイク・マークと申します」
「ア、アル・パートと申します」
ウェイクと挨拶を交わすと、レイが俺の肩に手を乗せてきた。
「ウェイク。真面目なあなたが、こんなことをやらなくてもいいでしょう?」
「レイ様、私は騎士団で最も力が強いと自負しております。いや、この王国で最も力が強いでしょう」
「そうね。あなたがナンバーワンでしょうね。アルがいなかったらだけど」
「ですから、噂で聞いておりましたアル殿の力を試したいのです」
「分かったわ。アル、騎士の真剣勝負よ。本気を出しなさい」
レイまでこの騒ぎを楽しんでいるようだった。
俺が負けるとは微塵も思ってないのだろう。
「王国頂上対決だ! 勝者はレイと結婚できるぞ!」
リマが叫ぶ。
俺はすでにレイと結婚しているのだが……。
開始の合図と同時に、俺の右腕に凄まじい力が加わった。
これは確かに人間の限界値だろう。
とはいえ、Aランクモンスターやネームドには敵わない。
それに、竜種の力なんて絶望的なほど強かった。
「ぐおおおおおおお!」
ウェイクが叫ぶ。
だが、俺の手は一ミデルトも動かない。
そして俺は静かに右手を倒した。
「アル君の勝ち!」
歓声が沸き起こる。
「あのウェイク隊長が全く敵わないとは!」
「演技じゃないのか?」
「ウェイク隊長はそういうことをするお人じゃない!」
周囲のざわめきなんて気にせず、ウェイクが大きな身体を折り曲げ、俺に握手を求めてきた。
「か、完敗です。アル殿、どうやったらそれほどの筋力をつけられるのですか?」
「いや、私は鉱夫で毎日採掘していただけですので、特に鍛えたというわけではありません」
「さ、採掘でその筋力を?」
すると、レイが両手を腰に当てながら、少し溜め息をついてウェイクの顔を見た。
「あのねウェイク。アルの話を参考にしちゃダメよ? この子は二十キルクのツルハシを持って、標高九千メデルトで一日中採掘するのだから」
「は? そ、それって……」
信じられないといった表情を浮かべるウェイクに近寄る人物がいた。
「ええ、人間業ではないということです。そもそも、人間がアルさんに筋力で敵うわけがないんですよ。だからウェイク、気にすることはないでしょう。王国一の腕力を持つのは、あなたで間違いないですよ」
団長のジルだった。
「ねえジル。アルだって人間じゃないの?」
「人外ということですね。もちろんレイ様もですが」
「あなたこそ、団長になって本当に人外レベルの嫌な性格になったわね」
レイとジルが冷たい笑いを浮かべながら、舌戦を繰り広げている。
二人の恐ろしい迫力に誰も突っ込めない中、リマだけは笑いながらジルの肩に手を置く。
「フハハハ、ジル団長もやるかい?」
「敵うわけないでしょう。ウェイクが敵わないのであれば、この王国でアルさんに腕力で敵う者はいません。リマでも勝てないでしょう」
「まあな。アタシがアル君に勝てるわけがない。素直にレイを差し出すよ」
その時、一人の女性が手を挙げた。
「仕方がないわね。私が挑戦しましょう」
「へ、陛下!」
声の主はヴィクトリアだった。
さすがのリマも驚いている。
「お、おやめください! 陛下に怪我でもあったら大変です!」
「うふふふ、その時はアルに責任を取ってもらうわよ」
リマは止めるが、ヴィクトリアは聞く耳持たない。
というか、責任って何だ。
「こらこら、ヴィクトリア。マリアも引いてるわよ。やめなさい」
さすがにレイが止める。
だが、すぐ側にいたメイド長のマリアは、満面の笑みで俺にお辞儀をした。
マリアも楽しんでいるようだ。
「さあ、アル! やるわよ!」
「レ、レイ。助けて」
俺はレイに助けを求めるが、レイはもう止められないといった諦めた表情を浮かべた。
両手を広げながら、肩をすくめ首を横に振っている。
「私が勝てばレイは私のもの! 私が負ければ、怪我を負った責任をアルに取ってもらう! どう転んでも私の勝ちね!」
ヴィクトリアが腕をまくってテーブルに肘を置く。
「さあ、アル! やるわよ!」
「クッ! わ、分かりました。では、私が陛下に怪我をさせず勝ったらどうしますか?」
「え? うふふふ、その時は私も諦めてアルと結婚するわ!」
「何を諦めるのよヴィクトリア!」
レイが怒鳴った。
勝っても負けてもダメなような気がするが、こうなったらやるしかない。
しかし、陛下の手を俺ごときが握っていいのだろうか……。
本来なら無礼な行為なはずだ。
俺は恐る恐る、陛下が差し出す手を握った。
とても小さく、温かく、か弱い手だ。
この手を守るのが騎士の責務か。
そんなことを考えていたら、リマが開始の合図を出した。
「ふううううう!」
ヴィクトリアが頬を膨らませ、一生懸命力を入れている。
女性としてはかなり力がある。
俺は内心驚く。
だが、当然俺に敵うわけはない。
とは言うものの、ヴィクトリアに勝つわけにもいかない。
悩んだ挙げ句、ヴィクトリアに怪我をさせないように、そっと腕を傾ける。
もちろん、俺が負ける方向へと。
「勝者! ヴィクトリア女王陛下!」
リマが叫ぶ。
「やったわ! レイは私のものよ!」
「陛下には敵いませんでした」
「うふふふ、そうでしょう。いい、アル。力というものは何も腕力だけではないのよ? 覚えておきなさい」
「感服いたしました」
これは純粋なる力比べじゃなかったのかと思うが、俺は素直に陛下へ跪いた。
すると、俺の頬をスカートの裾が触る。
このスカートはレイだ。
俺はすぐに立ち上がると、レイが両手を腰に当て、ヴィクトリアの前に立っていた。
「さて、私の旦那様の敵を取らせてもらうわね」
「レ、レイ! あなた卑怯よ!」
「何を言うのよ、ヴィクトリア。力というものは腕力だけじゃないんでしょ? 頭脳も使うのよ。勝てば私は自由よ」
「クッ! いいわよ! じゃあ、私が勝ったらアルももらうわ!」
女王陛下と名誉団長の力比べなんて前代未聞だろう。
俺は不安になって周囲を見渡す。
リマは当然ながら楽しんでいる。
それどころか、ジル、マリア、騎士たち、貴族や元老院、宰相までも楽しんでいるようだった。
中にはどちらが勝つか、賭けをしている者たちも見かける。
そして、宴の広間にリマの開始の合図が響いた。
◇◇◇
この日の出来事は、噂となり一気に王国へ広まった。
竜種殺しのアル・パートを負かしたヴィクトリア女王陛下。
噂が噂を呼び、ヴィクトリアは前陛下を駕ぐ武力を持つとまで言われるようになる。
さらに、その女王陛下を打ち負かした名誉団長は、もはや伝説となった。
真相は違う。
わざと負けたアル。
レイに負けたヴィクトリア。
最終的に元通りにしたレイ。
もちろん民衆も、ヴィクトリアがアル・パートに勝てるわけがないと理解している。
だが、敬愛する自国の王の噂話は、民衆の楽しみでもあった。
ヴィクトリアもあえて、その話題を禁止にしない。
むしろ、ヴィクトリアはアルに会う度に「私はアル・パートに勝ったのよ!」と冗談を言うのだった。
これ以降、王国の結婚パーティーでは余興として力比べが流行する。
そしていつしか、花嫁が花婿を守るという伝統行事になっていくのだった。
◇◇◇
リマが背の高いテーブルを持ってきた。
これはきっと力比べだろう。
「さあ、竜種殺しのアルに挑戦する勇者はいるか! 勝者はレイをものにできるぞ!」
リマのふざけた呼び込みで、何人もの貴族や役人が挑戦してきた。
当初はヴィクトリアを呼び捨てにしたことを怒った者や、本気でレイと付き合いたい連中が挑戦。
だが、そのうち俺との力比べが記念になるという話になり、長蛇の列が出来上がっていた。
「さあ! アル君との力比べは一人金貨一枚だよ!」
リマが調子に乗り、金貨の要求を始めた。
「リーマー!」
「あ! 冗談だよ! 冗談!」
「何が冗談よ。本気でお金を取ろうとしたくせに」
「そそそそ、そんなことないぞ! フハハハ」
怒りを見せたレイに、リマがすぐ謝る。
その間も俺は、なぜかひたすら力比べをやらされていた。
だが当然ながら、貴族や役人が力比べで俺に勝てるわけがない。
「さあさあ! アル・パートに勝ってレイを手に入れるのは誰だ!」
リマはさらに声を張り上げる。
すると、背後から鋭い気配を察知。
振り返ると驚くほど長身の騎士が立っていた。
「挑戦してもよろしいかな?」
「お、なんだ! ウェイクさんか! アンタ、レイのこと好きなのか?」
「無論だ。だがそれより、アル殿の力を試したいのだ」
辺りがざわついた。
「ウェイク隊長だぞ!」
「騎士団ナンバーワンの怪力だ!」
「あの筋肉にはアル様も敵うまい」
「じゃあ、レイ様はウェイク隊長のものに?」
リマがこの騎士の情報を教えてくれた。
名前はウェイク・マーク。
年齢は三十一歳で独身。
キーズ地方を守護する五番隊の隊長で、騎士団で最も腕力があるとのこと。
リマよりも力が強いそうだ。
ウェイクの身長は約二メデルト。
パーティー用の正装だが、タキシードがはち切れそうなほどの筋肉を誇る。
腕の太さはレイの腰よりも遥かに太い。
茶色の短髪で、肌艶はよく、年齢よりも若く見える童顔な好青年と行った印象だ。
顔と身体のギャップを感じる。
「クロトエ騎士団五番隊隊長ウェイク・マークと申します」
「ア、アル・パートと申します」
ウェイクと挨拶を交わすと、レイが俺の肩に手を乗せてきた。
「ウェイク。真面目なあなたが、こんなことをやらなくてもいいでしょう?」
「レイ様、私は騎士団で最も力が強いと自負しております。いや、この王国で最も力が強いでしょう」
「そうね。あなたがナンバーワンでしょうね。アルがいなかったらだけど」
「ですから、噂で聞いておりましたアル殿の力を試したいのです」
「分かったわ。アル、騎士の真剣勝負よ。本気を出しなさい」
レイまでこの騒ぎを楽しんでいるようだった。
俺が負けるとは微塵も思ってないのだろう。
「王国頂上対決だ! 勝者はレイと結婚できるぞ!」
リマが叫ぶ。
俺はすでにレイと結婚しているのだが……。
開始の合図と同時に、俺の右腕に凄まじい力が加わった。
これは確かに人間の限界値だろう。
とはいえ、Aランクモンスターやネームドには敵わない。
それに、竜種の力なんて絶望的なほど強かった。
「ぐおおおおおおお!」
ウェイクが叫ぶ。
だが、俺の手は一ミデルトも動かない。
そして俺は静かに右手を倒した。
「アル君の勝ち!」
歓声が沸き起こる。
「あのウェイク隊長が全く敵わないとは!」
「演技じゃないのか?」
「ウェイク隊長はそういうことをするお人じゃない!」
周囲のざわめきなんて気にせず、ウェイクが大きな身体を折り曲げ、俺に握手を求めてきた。
「か、完敗です。アル殿、どうやったらそれほどの筋力をつけられるのですか?」
「いや、私は鉱夫で毎日採掘していただけですので、特に鍛えたというわけではありません」
「さ、採掘でその筋力を?」
すると、レイが両手を腰に当てながら、少し溜め息をついてウェイクの顔を見た。
「あのねウェイク。アルの話を参考にしちゃダメよ? この子は二十キルクのツルハシを持って、標高九千メデルトで一日中採掘するのだから」
「は? そ、それって……」
信じられないといった表情を浮かべるウェイクに近寄る人物がいた。
「ええ、人間業ではないということです。そもそも、人間がアルさんに筋力で敵うわけがないんですよ。だからウェイク、気にすることはないでしょう。王国一の腕力を持つのは、あなたで間違いないですよ」
団長のジルだった。
「ねえジル。アルだって人間じゃないの?」
「人外ということですね。もちろんレイ様もですが」
「あなたこそ、団長になって本当に人外レベルの嫌な性格になったわね」
レイとジルが冷たい笑いを浮かべながら、舌戦を繰り広げている。
二人の恐ろしい迫力に誰も突っ込めない中、リマだけは笑いながらジルの肩に手を置く。
「フハハハ、ジル団長もやるかい?」
「敵うわけないでしょう。ウェイクが敵わないのであれば、この王国でアルさんに腕力で敵う者はいません。リマでも勝てないでしょう」
「まあな。アタシがアル君に勝てるわけがない。素直にレイを差し出すよ」
その時、一人の女性が手を挙げた。
「仕方がないわね。私が挑戦しましょう」
「へ、陛下!」
声の主はヴィクトリアだった。
さすがのリマも驚いている。
「お、おやめください! 陛下に怪我でもあったら大変です!」
「うふふふ、その時はアルに責任を取ってもらうわよ」
リマは止めるが、ヴィクトリアは聞く耳持たない。
というか、責任って何だ。
「こらこら、ヴィクトリア。マリアも引いてるわよ。やめなさい」
さすがにレイが止める。
だが、すぐ側にいたメイド長のマリアは、満面の笑みで俺にお辞儀をした。
マリアも楽しんでいるようだ。
「さあ、アル! やるわよ!」
「レ、レイ。助けて」
俺はレイに助けを求めるが、レイはもう止められないといった諦めた表情を浮かべた。
両手を広げながら、肩をすくめ首を横に振っている。
「私が勝てばレイは私のもの! 私が負ければ、怪我を負った責任をアルに取ってもらう! どう転んでも私の勝ちね!」
ヴィクトリアが腕をまくってテーブルに肘を置く。
「さあ、アル! やるわよ!」
「クッ! わ、分かりました。では、私が陛下に怪我をさせず勝ったらどうしますか?」
「え? うふふふ、その時は私も諦めてアルと結婚するわ!」
「何を諦めるのよヴィクトリア!」
レイが怒鳴った。
勝っても負けてもダメなような気がするが、こうなったらやるしかない。
しかし、陛下の手を俺ごときが握っていいのだろうか……。
本来なら無礼な行為なはずだ。
俺は恐る恐る、陛下が差し出す手を握った。
とても小さく、温かく、か弱い手だ。
この手を守るのが騎士の責務か。
そんなことを考えていたら、リマが開始の合図を出した。
「ふううううう!」
ヴィクトリアが頬を膨らませ、一生懸命力を入れている。
女性としてはかなり力がある。
俺は内心驚く。
だが、当然俺に敵うわけはない。
とは言うものの、ヴィクトリアに勝つわけにもいかない。
悩んだ挙げ句、ヴィクトリアに怪我をさせないように、そっと腕を傾ける。
もちろん、俺が負ける方向へと。
「勝者! ヴィクトリア女王陛下!」
リマが叫ぶ。
「やったわ! レイは私のものよ!」
「陛下には敵いませんでした」
「うふふふ、そうでしょう。いい、アル。力というものは何も腕力だけではないのよ? 覚えておきなさい」
「感服いたしました」
これは純粋なる力比べじゃなかったのかと思うが、俺は素直に陛下へ跪いた。
すると、俺の頬をスカートの裾が触る。
このスカートはレイだ。
俺はすぐに立ち上がると、レイが両手を腰に当て、ヴィクトリアの前に立っていた。
「さて、私の旦那様の敵を取らせてもらうわね」
「レ、レイ! あなた卑怯よ!」
「何を言うのよ、ヴィクトリア。力というものは腕力だけじゃないんでしょ? 頭脳も使うのよ。勝てば私は自由よ」
「クッ! いいわよ! じゃあ、私が勝ったらアルももらうわ!」
女王陛下と名誉団長の力比べなんて前代未聞だろう。
俺は不安になって周囲を見渡す。
リマは当然ながら楽しんでいる。
それどころか、ジル、マリア、騎士たち、貴族や元老院、宰相までも楽しんでいるようだった。
中にはどちらが勝つか、賭けをしている者たちも見かける。
そして、宴の広間にリマの開始の合図が響いた。
◇◇◇
この日の出来事は、噂となり一気に王国へ広まった。
竜種殺しのアル・パートを負かしたヴィクトリア女王陛下。
噂が噂を呼び、ヴィクトリアは前陛下を駕ぐ武力を持つとまで言われるようになる。
さらに、その女王陛下を打ち負かした名誉団長は、もはや伝説となった。
真相は違う。
わざと負けたアル。
レイに負けたヴィクトリア。
最終的に元通りにしたレイ。
もちろん民衆も、ヴィクトリアがアル・パートに勝てるわけがないと理解している。
だが、敬愛する自国の王の噂話は、民衆の楽しみでもあった。
ヴィクトリアもあえて、その話題を禁止にしない。
むしろ、ヴィクトリアはアルに会う度に「私はアル・パートに勝ったのよ!」と冗談を言うのだった。
これ以降、王国の結婚パーティーでは余興として力比べが流行する。
そしていつしか、花嫁が花婿を守るという伝統行事になっていくのだった。
◇◇◇
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