153 / 414
第九章
第148話 墓参り
しおりを挟む
俺はレイの様子を見ながら山道を進む。
しかし、いつもの登山ペースで問題なかった。
途中の樹海では、この付近の主でCランクモンスターの赤頭熊と久しぶりの再会。
モンスターとはいえ、このグリーズは俺に懐いていた。
用意した肉の塊を渡す。
喜んで食べるグリーズの様子を見ながら、レイが俺の肩に手を乗せてきた。
「アルって使役師の才能もあるのね」
「使役師?」
「ええ、モンスターに命令して使役する職業よ。高いレベルになるとネームドすら使役できるわよ」
「モンスター? そ、そんなの無理だよ!」
「何言ってるのよ。今も目の前でグリーズが懐いてるし、そもそもエルウッドとも共闘してるじゃない」
「エルウッドは家族だよ」
「ふふふ、そうね。アルの恐ろしいところって、自覚がないところよね」
「ちょっと!」
「ふふふ、本当にアルらしいわ」
「ウォウォウォ」
エルウッドまで笑っていた。
樹海を出ると本格的な登山となる。
坂を超え、いくつもの崖を登る俺たち三人。
レイは途中呼吸が乱れることもあったが、最後まで俺のペースについてきた。
そして俺たちは、太陽が頭上に来る頃に自宅へ到着。
「レイ、まだ正午だよ。このペースで登山できるって本当に凄い。シドの言う通りだね」
「ふふふ、アルに負けないように頑張ってるのよ」
自宅の中へ入る。
さすがにこの場所には誰も来ないので、一年前と変わりはない。
とはいえ埃は溜まっている。
俺はまずは掃除を始めた。
ベッドの布団も天日干しする。
「レイ、休んでいて」
「大丈夫よ。私も手伝うわ」
部屋が綺麗になったところで、見晴らしのいい場所に建っている両親の墓へ向かった。
「父さん、母さん、帰ってきたよ。またすぐ出るけど、俺たちは元気にやってる。安心して。そうだ父さん。シドがよろしくって言ってたよ」
しばらくの間、両親にここ一年の出来事を報告。
レイも一緒に祈ってくれた。
家に戻り水を確認すると新鮮な状態だった。
どうやら常に雨水や雪水が入ってきており、循環していたようだ。
風呂を沸かし、レイに入ってもらう。
そして俺も風呂に入る。
温暖な地域とはいえ、標高五千メデルトでは雪が積もる。
暖炉に火を焚べ、食事を取る。
「明日は丸一日採掘だ。クリスの依頼通り竜石と緑鉱石を狙う」
「久しぶりの採掘でしょ? 勘は鈍ってない?」
「アハハ、大丈夫だよ。十二年間もここで採掘してたんだから」
「ふふふ、そうね。明日は私も一緒に行くわ。久しぶりにアルの採掘を見たいもの」
「分かった。明日中に採掘を終えたいから、ちょっと無理するかも。標高六千メデルトから採掘を始めて、採れなければ標高を上げていく」
明日の予定を話し、レイとベッドへ入る。
この家にはベッドが一つしかない。
「明日は日の出と同時に出発したい。ちょっと早く起きるね」
「分かったわ」
「じゃあ、おやすみ」
「ええ、おやすみなさい」
――
翌朝、日の出前に起床。
朝食を取り採掘の準備。
そして、久しぶりに自分のツルハシを持つ。
鍛冶屋のクリスに作ってもらった二十キルクの特注ツルハシだ。
フラル山の希少鉱石は、これくらい重いツルハシじゃないと採掘するのが難しい。
加えてこの標高だ。
通常なら呼吸すらままならない。
そのため、フラル山で希少鉱石を採掘できる人間は俺以外にいないのだった。
支度をして出発。
まず標高六千メデルトの採掘ポイントへ来た。
さっそく採掘開始だ。
「この標高で二十キルクのツルハシを振り続けられるなんて。相変わらず凄いわね。ふふふ」
レイが呟いていた。
レイは腰くらいの高さの岩に座り、エルウッドと俺の採掘を見ている。
以前もこんなシーンがあったと思う。
するとエルウッドが唸り始めた。
「ウゥゥゥ! ウォンウォン!」
「どうしたのエルウッド?」
レイがエルウッドに問いかける。
同じタイミングで、何かが羽ばたくような大きな音が聞こえた。
「ん? 何の音だ?」
頭上を見ると、巨大な影が恐ろしい勢いで迫っている。
見えるのは大きな二枚の翼と、鉤爪がついた二本の足。
「まさか鉤爪鷲竜! アル! 伏せて!」
レイの叫び声が聞こえるのと同時に、俺はとっさに地面へダイブ。
俺を捕獲し損ねたアトルスが上空へ舞い戻る。
だが、上空から俺の動きをしっかりと見ているのが分かる。
アトルスは空の王と呼ばれている危険極まりないモンスターだ。
以前、帝国の街道でアトルスに遭遇したことがある。
同じ個体か分らないが、この大陸での目撃例は少なく、ましてやフラル山で見たことなんて一度もない。
「フラル山にアトルスが出現するなんて初めてだ!」
◇◇◇
鉤爪鷲竜
階級 Aランク
分類 竜骨型翼類
体長約五メデルト。
二枚の巨大な翼を持ち、翼を広げると十メデルト以上にもなる大型の翼類モンスター。
四肢型鳥類に見えるが、れっきとした竜骨型翼類。
二本の太い足の先には三本の大きく鋭い鉤爪、踵には一本の大きな鉤爪を備えている。
大きく湾曲したクチバシは先端が鋭く、強固なモンスターの甲殻も貫く。
上空から獲物を狙い、鉤爪で獲物を捕獲する。
人間や動物はもちろん、大型のモンスターですら簡単に捕獲し空中へ連れ去る。
竜骨型翼類では頂点の存在。
空の王と呼ばれる。
生息地は南の海を超えたモンスターが生息する島と言われており、この大陸で目撃例は少ない。
首から上は純白の羽毛に覆われ、胴体や羽は美しい群青色、腹部から尾羽は頭部と同じ白色。
巨大なクチバシと二本の足は鮮やかな黄色、鉤爪は艶がある黒色をしている。
美しい羽は王族や貴族、上級商人の高級服飾などに使われる。
また、扇やペンとしても用いられ、非常に高値で取引される。
◇◇◇
これまで標高六千メデルトのこの地で、モンスターなんて見たことがない。
だが、大空を駆けるアトルスにとっては庭のようなものだろう。
「クソッ! どうする!」
「翼類は弓がないと厳しいわ! アル、ひとまず投石で対抗して! 接近されたら私が剣で対応する!」
レイが星爪の剣を抜き、俺の元へ走ってきた。
背中合わせとなりお互いの背後を守る。
「牽制して逃げてくれればいいのだけど……」
レイが背中越しに呟く。
俺は地面から拳よりも大きな石を二つ拾い、いつでも投げられるように準備。
「来るわよ! 引きつけて投げて!」
「分かった!」
アトルスが上空から再び攻撃を仕掛けてきた。
しかし、いつもの登山ペースで問題なかった。
途中の樹海では、この付近の主でCランクモンスターの赤頭熊と久しぶりの再会。
モンスターとはいえ、このグリーズは俺に懐いていた。
用意した肉の塊を渡す。
喜んで食べるグリーズの様子を見ながら、レイが俺の肩に手を乗せてきた。
「アルって使役師の才能もあるのね」
「使役師?」
「ええ、モンスターに命令して使役する職業よ。高いレベルになるとネームドすら使役できるわよ」
「モンスター? そ、そんなの無理だよ!」
「何言ってるのよ。今も目の前でグリーズが懐いてるし、そもそもエルウッドとも共闘してるじゃない」
「エルウッドは家族だよ」
「ふふふ、そうね。アルの恐ろしいところって、自覚がないところよね」
「ちょっと!」
「ふふふ、本当にアルらしいわ」
「ウォウォウォ」
エルウッドまで笑っていた。
樹海を出ると本格的な登山となる。
坂を超え、いくつもの崖を登る俺たち三人。
レイは途中呼吸が乱れることもあったが、最後まで俺のペースについてきた。
そして俺たちは、太陽が頭上に来る頃に自宅へ到着。
「レイ、まだ正午だよ。このペースで登山できるって本当に凄い。シドの言う通りだね」
「ふふふ、アルに負けないように頑張ってるのよ」
自宅の中へ入る。
さすがにこの場所には誰も来ないので、一年前と変わりはない。
とはいえ埃は溜まっている。
俺はまずは掃除を始めた。
ベッドの布団も天日干しする。
「レイ、休んでいて」
「大丈夫よ。私も手伝うわ」
部屋が綺麗になったところで、見晴らしのいい場所に建っている両親の墓へ向かった。
「父さん、母さん、帰ってきたよ。またすぐ出るけど、俺たちは元気にやってる。安心して。そうだ父さん。シドがよろしくって言ってたよ」
しばらくの間、両親にここ一年の出来事を報告。
レイも一緒に祈ってくれた。
家に戻り水を確認すると新鮮な状態だった。
どうやら常に雨水や雪水が入ってきており、循環していたようだ。
風呂を沸かし、レイに入ってもらう。
そして俺も風呂に入る。
温暖な地域とはいえ、標高五千メデルトでは雪が積もる。
暖炉に火を焚べ、食事を取る。
「明日は丸一日採掘だ。クリスの依頼通り竜石と緑鉱石を狙う」
「久しぶりの採掘でしょ? 勘は鈍ってない?」
「アハハ、大丈夫だよ。十二年間もここで採掘してたんだから」
「ふふふ、そうね。明日は私も一緒に行くわ。久しぶりにアルの採掘を見たいもの」
「分かった。明日中に採掘を終えたいから、ちょっと無理するかも。標高六千メデルトから採掘を始めて、採れなければ標高を上げていく」
明日の予定を話し、レイとベッドへ入る。
この家にはベッドが一つしかない。
「明日は日の出と同時に出発したい。ちょっと早く起きるね」
「分かったわ」
「じゃあ、おやすみ」
「ええ、おやすみなさい」
――
翌朝、日の出前に起床。
朝食を取り採掘の準備。
そして、久しぶりに自分のツルハシを持つ。
鍛冶屋のクリスに作ってもらった二十キルクの特注ツルハシだ。
フラル山の希少鉱石は、これくらい重いツルハシじゃないと採掘するのが難しい。
加えてこの標高だ。
通常なら呼吸すらままならない。
そのため、フラル山で希少鉱石を採掘できる人間は俺以外にいないのだった。
支度をして出発。
まず標高六千メデルトの採掘ポイントへ来た。
さっそく採掘開始だ。
「この標高で二十キルクのツルハシを振り続けられるなんて。相変わらず凄いわね。ふふふ」
レイが呟いていた。
レイは腰くらいの高さの岩に座り、エルウッドと俺の採掘を見ている。
以前もこんなシーンがあったと思う。
するとエルウッドが唸り始めた。
「ウゥゥゥ! ウォンウォン!」
「どうしたのエルウッド?」
レイがエルウッドに問いかける。
同じタイミングで、何かが羽ばたくような大きな音が聞こえた。
「ん? 何の音だ?」
頭上を見ると、巨大な影が恐ろしい勢いで迫っている。
見えるのは大きな二枚の翼と、鉤爪がついた二本の足。
「まさか鉤爪鷲竜! アル! 伏せて!」
レイの叫び声が聞こえるのと同時に、俺はとっさに地面へダイブ。
俺を捕獲し損ねたアトルスが上空へ舞い戻る。
だが、上空から俺の動きをしっかりと見ているのが分かる。
アトルスは空の王と呼ばれている危険極まりないモンスターだ。
以前、帝国の街道でアトルスに遭遇したことがある。
同じ個体か分らないが、この大陸での目撃例は少なく、ましてやフラル山で見たことなんて一度もない。
「フラル山にアトルスが出現するなんて初めてだ!」
◇◇◇
鉤爪鷲竜
階級 Aランク
分類 竜骨型翼類
体長約五メデルト。
二枚の巨大な翼を持ち、翼を広げると十メデルト以上にもなる大型の翼類モンスター。
四肢型鳥類に見えるが、れっきとした竜骨型翼類。
二本の太い足の先には三本の大きく鋭い鉤爪、踵には一本の大きな鉤爪を備えている。
大きく湾曲したクチバシは先端が鋭く、強固なモンスターの甲殻も貫く。
上空から獲物を狙い、鉤爪で獲物を捕獲する。
人間や動物はもちろん、大型のモンスターですら簡単に捕獲し空中へ連れ去る。
竜骨型翼類では頂点の存在。
空の王と呼ばれる。
生息地は南の海を超えたモンスターが生息する島と言われており、この大陸で目撃例は少ない。
首から上は純白の羽毛に覆われ、胴体や羽は美しい群青色、腹部から尾羽は頭部と同じ白色。
巨大なクチバシと二本の足は鮮やかな黄色、鉤爪は艶がある黒色をしている。
美しい羽は王族や貴族、上級商人の高級服飾などに使われる。
また、扇やペンとしても用いられ、非常に高値で取引される。
◇◇◇
これまで標高六千メデルトのこの地で、モンスターなんて見たことがない。
だが、大空を駆けるアトルスにとっては庭のようなものだろう。
「クソッ! どうする!」
「翼類は弓がないと厳しいわ! アル、ひとまず投石で対抗して! 接近されたら私が剣で対応する!」
レイが星爪の剣を抜き、俺の元へ走ってきた。
背中合わせとなりお互いの背後を守る。
「牽制して逃げてくれればいいのだけど……」
レイが背中越しに呟く。
俺は地面から拳よりも大きな石を二つ拾い、いつでも投げられるように準備。
「来るわよ! 引きつけて投げて!」
「分かった!」
アトルスが上空から再び攻撃を仕掛けてきた。
23
お気に入りに追加
186
あなたにおすすめの小説

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました
遥 かずら
ファンタジー
冒険者ギルドに所属しているエンジは剣と魔法の才能が無く、文字を書くことだけが取り柄であった。落ちこぼれスキル【転写】を使いギルド帳の筆記作業で生計を立てていた。そんなある日、立ち寄った勇者パーティーの貴重な古代書を間違って書き写してしまい、盗人扱いされ、勇者によってギルドから追放されてしまう。
追放されたエンジは、【転写】スキルが、物やスキル、ステータスや魔法に至るまで何でも【コピー】できるほどに極められていることに気が付く。
やがて彼は【コピー】マスターと呼ばれ、世界最強の冒険者となっていくのであった。

外れスキル【転送】が最強だった件
名無し
ファンタジー
三十路になってようやくダンジョン入場試験に合格したケイス。
意気揚々と冒険者登録所に向かうが、そこで貰ったのは【転送】という外れスキル。
失意の中で故郷へ帰ろうとしていた彼のもとに、超有名ギルドのマスターが訪れる。
そこからケイスの人生は目覚ましく変わっていくのだった……。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる