鉱夫剣を持つ 〜ツルハシ振ってたら人類最強の肉体を手に入れていた〜

犬斗

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第108話 運び屋トーマス兄弟

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 フォルド帝国ウグマ州。

 帝国の西部に位置するウグマ州は大国イーセ王国と隣接しており、貿易が盛んに行われている。
 その中心都市となる州都ウグマで、冒険者ギルドに所属し、運び屋を生業としている兄弟がいた。

 兄のマルコ・トーマス、三十三歳。
 弟のアガス・トーマス、三十歳。

 トーマス兄弟の荷車はひときわ大きいことで有名だった。
 また、この兄弟は発明好きとして、運び屋界隈に名が知られていた。

 自宅で荷車のメンテナンスをしている弟に、兄のマルコが話しかける。

「なあ、アガス。冒険者のアル・パート様って知ってるか?」
「もちろん知ってるよ。一人でネームド二頭を討伐した冒険者様だもん。物凄い話題になってるよ」
「それがな、この間知り合った解体師のオルフェリアさんから、アル・パート様のクエストを依頼されたんだ」
「え! 本当かいマルコ兄さん?」
「ああ、オルフェリアさんも凄腕の解体師だし、なんか凄いことになってきたぞ」
「それは緊張するね」
「しかも、アル・パート様は我々の荷車に乗りたいらしい」
「嘘でしょ? 僕たちと一緒に行動する冒険者様なんていないよ」
「そうなんだよ。一体どんな人なんだろうな」

 結局そのクエストで、Aランクモンスターの槍豹獣サーべラルをいとも簡単に狩猟したアル。
 噂に違わぬ凄腕の冒険者として、畏怖の念を抱くトーマス兄弟だった。

 しかし、クエストの道中で運び屋や解体師から教えを請う姿や、とても真面目で物腰の柔らかいアルに、トーマス兄弟は感銘を受けていた。

「ねえマルコ兄さん。アルさんってよく分からない人だね」
「そうだな。あれ程の腕を持っているのに、俺たちと行動を共にするし、この荷車を快適と喜んでくれるしな」
「また一緒にクエストへ行けるといいね」
「そうだな」

 アルはトーマス兄弟の荷車をとても気に入っていた。
 そのため、オルフェリアを通じて次のクエストも依頼したのだった。

「アガス! またアルさんから依頼が来たぞ!」
「本当! 嬉しいね!」
「砂丘で砂潜竜サンキロスの捕獲だ」
「砂丘! じゃあ車輪を変えなきゃね」
「ああ、砂丘でも進むことができる幅広い車輪に変えよう。念のためにスパイク車輪も持っていこう」
「分かった。準備するよ」

 アルは無事にクエストを終了。
 二回目のクエストで、トーマス兄弟はアルの人柄に強く惹かれていた。

「なあアガス。まさか冒険者様とキャンプ地で一緒に飯を食べるとは思わなかったな」
「そうだね。楽しかったよ。しかしさ、マルコ兄さん。アルさんは今まで見た冒険者様の中でも別格だよね」
「ああ、アルさんは本当に凄い。もしできることなら今後もアルさんとクエストに行きたいよな」

 実は何人かの冒険者からクエストの依頼を受けていたトーマス兄弟だが、アルのクエストを最優先するために全て断っていた。
 そしてマルコの願い通り、アルから再度クエスト依頼を受けた。

「アガス! オルフェリアさんから連絡が来たぞ! アルさんのクエストで王鰐ルコクスの討伐だ。しかも至急クエストだ」
「わ、分かった。急いで準備するよ」

 結局アルは討伐ではなく、ルコクスを捕獲してしまった。
 トーマス兄弟にとって生体のルコクスを運ぶのは初めてのこと。
 それでもなんとか無事にギルドへ届けることができた。

 アルは捕獲報酬を全員で山分けにした。
 そのことで、トーマス兄弟は予想外の報酬を受け取る。
 一人金貨二十枚、二人で合計金貨四十枚だ。

 運び屋の二人にとって、金貨四十枚は今まで見たこともない夢のような大金だった。

「マルコ兄さん。こ、こんな大金もらっちゃっていいの?」
「断ったんだが、アルさんがどうしてもって」
「す、凄い金額だよ」
「そうだな。見たこともない金貨だ。……なあアガス、この金貨はアルさんのために使わないか?」
「どういうこと?」
「アルさんが気に入ってくれているこの荷車を改造しよう」
「そうだね! いいね! もっと快適に過ごせるようにしよう!」

 彼らはそれを無駄に使うのではなく、商売道具である荷車のメンテナンスと改造に使った。
 さらに試行錯誤の末に、折りたたみ式の椅子やテーブルを作り、壁も組み立てられるような構造を荷車に設置。
 これにより、モンスターの素材を積んでいない状況では、寝台の隣にもう一つの部屋を作ることができた。

 この組み立て展開式の部屋を見たアルは喜び、特許が取れるかもしれないとトーマス兄弟に説明したのだった。

 ◇◇◇

 大挟甲蟹アキュラータ狩猟のクエストから帰ってきた。

 俺はトーマス兄弟の荷台をウォルターに見てもらうため、開発機関シグ・ナインへ向かう。
 顔馴染みとなった受付嬢が対応してくれた。

「アルさん、今日はどうしました?」
「ウォルターはいますか?」
「はい。支部長室へご案内しますね」

 支部長のウォルターに挨拶。
 そして、すぐに用件を伝える。

「ウォルター、相談があるんだ。今時間ある?」
「どうした。お前が相談なんて珍しいな? レイに振られたか?」
「ちょっと! っていうか、レイはまだ帰ってきてないよ。それより見て欲しい物があるんだ」
「見て欲しい物?」

 ウォルターを連れて、クエスト基地へ向かう。

「マルコさん。ウォルターを連れてきました」
「え? ウォルター様って、シグ・ナイン支部長のウォルター様ですか?」
「そうです! 特許に詳しいから相談しようと思って」

 その会話を聞いて、ウォルターが俺に向かって両手を広げた。

「なんだアル。特許のことか?」
「そうなんだよ。まずはこれを見て欲しいんだ」

 俺はトーマス兄弟の荷車を説明。

「こりゃ、お前……」
「どうかな?」

 ウォルターは考え込んだ後、トーマス兄弟の顔を睨みつける。
 実際は睨んでないだが、そう見えてもおかしくないほどの表情だった。

「トーマス兄弟と言ったな?」
「は、はい。そうです」
「お前たち、これは誰に教わった?」
「自分たちで考えて作りました」
「この構造を誰かに喋ったか?」
「いえ、アルさんに言われた通り、誰にも話してません」
「そうか……」

 ウォルターは急に笑顔を浮かべ、俺の顔を見る。

「アル! お前良い判断だったな!」
「どういうこと?」
「今からすぐにシグ・ナインへ戻るぞ。トーマス兄弟もついて来い」

 俺たちはそのままシグ・ナインへ向かった。
 そして、支部長室へ入る。
 受付嬢が珈琲を四つ持ってきてくれた。

「トーマス兄弟、お前たち貯金はあるか?」
「ちょ、貯金ですか? 先日アルさんから頂いた金貨はまだありますが、まとまった資金はありません」

 兄のマルコが答えた。

「まあそうだろうな。運び屋だしな……」

 運び屋や解体師は、クエスト報酬のシステムが冒険者と違う。
 冒険者のクエスト成否に関わらず、クエストに同行すると報酬は必ず支払われるシステムだった。
 しかし、その分金額は低いそうだ。

 俺はウォルターに疑問をぶつける。

「ねえ、ウォルター。何で貯金なんて聞いてるの?」
「うむ。結論から言おう。トーマス兄弟、お前たちは会社を作るんだ」

 弟のアガスが反応した。

「か、会社ですか?」
「そうだ。この折りたたみの構造は間違いなく国際特許が取れる。折りたたみの椅子やテーブル。そして、荷車に組み込んだ展開式の部屋構造もだ。これは家、施設、何にでも応用ができる。クエストのキャンプ設営にもな。もしかしたら戦にも使われるかもしれないがな」
「しかし、ウォルター様。お伝えした通り私たちは資金がありません。それに会社と言われてもどうやっていいのか分かりません」
「まあそうだな。資金に関してはアルが出せ。シグ・ナインが金を出してもいいが、我々が儲かってしまう。それではお前たちでやる意味がない。お前たちだけでやれ。サポートは全力でしてやるぞ」

 ウォルターはシグ・ナインの利益よりも、トーマス兄弟のことを考えてくれた。
 こういうところが信頼できる。

「アル、お前いくら出せる?」
「正直言うと、いくらでも出せるよ」
「金貨数百枚でもか?」
「そうだね。必要あればもっと出せるけど」
「お、お前……個人で街レベルの予算を持つのか……。まあ金貨五百枚あれば十分だろう」
「分かった」

 金貨五百枚なんて、普通に暮らしていたら一生かけても貯めることができないほどの莫大な金額だ。
 だが、俺はトーマス兄弟に出すのであれば構わないと思った。

 続いてウォルターはトーマス兄弟の顔を交互に見つめた。

「トーマス兄弟。お前たち金勘定はできるのか?」
「で、できません。字の読み書きも少ししかできません」
「ふむ、分かった。悪いがそこは死ぬ気で勉強してくれ。そうすればお前たちの人生は変わる。絶対だ」

 さらにウォルターは説明を続ける。

「トーマス兄弟が会社を設立して特許を取得。商品を作り販売する。会社のオーナーはアルだ。起業に関して細かいことはシグ・ナインが代わりにやってやる。もちろん手数料は取るぞ。これはビジネスだからな。そして、トーマス兄弟、繰り返すがお前たちは死ぬ気で勉強しろ。近い将来、俺やシグ・ナインがいなくとも全部できるようにするんだ。いいな」
「わ、分かりました」
「新会社には一年間、シグ・ナインから経理を含め優秀な人材を三名貸し出そう。給与は月で金貨三枚だ。合計で月九枚出ていくぞ」
「人も貸してくれるんですか?」
「ああ、最初はお前たちだけじゃ無理だからな」 

 話がとんでもないことになった。
 俺はただ、トーマス兄弟考案の装置が素晴らしかったので、特許が取れればと思いウォルターに相談しただけなのに。
 まさか会社を作ることになるとは。

「ウォルター、何から何まで本当にありがとう」
「いいってことよ。シグ・ナインはアルに稼がせてもらってるしな。それにこの発明を見るとだな、将来的にトーマス兄弟とは何か仕事をするような気がするんだ。その時のために恩を売ってるんだよ。わっはっは」

 ウォルターには本当に感謝しかない。
 さらに後日、ウォルターはしっかりと契約書も作ってくれた。

 俺はクエストで不在になりがちなので、代理を執事のステムに依頼。
 彼は計算や税務に強く、現在も俺とレイの資産管理をしてもらっているほどだ。
 ステムは快く引き受けてくれた。

 俺とステム、そしてトーマス兄弟で最終打ち合わせの日。
 シグ・ナインに払う特許取得の手数料や人件費、事務所や作業場の家賃、販売宣伝費などで、俺は金貨五百枚を渡す。

 このことで、俺は会社のオーナーになった。
 とはいえ当面の間、俺に売り上げは入らないだろう。
 しかし、会社の利益が安定したら、契約書の内容通り俺に収益が入るようになっている。

「アルさん、俺たちは死ぬ気でやります!」
「頑張ってください! 俺はクエストで手伝えないと思いますけど、もし金貨が足りなかったり必要なことがあったら遠慮なく言ってくださいね」
「そ、そんな。これほどの大金を出してもらってるのに、これ以上は罰が当たるってもんです」
「二人なら絶対にできますよ!」
「ありがとうございます! あ、そうだ。しばらくアルさんの運び屋ができないと思うのですが……」
「もちろんです! 会社に専念してください!」
「はい!」
「それに、二人が成功しないと俺も損しちゃうんで。アハハ」
「アルさん、本当にありがとうございます! 見ていてください!」

 つい数ヶ月前までフラル山で鉱夫をやっていたのに、レイと冒険者を始めて、Aランクを取得し、会社のオーナーにまでなっていた。
 短期間にたくさんのことが起こっていたが、全ては人との繋がりだ。
 俺はこれからも、この出会いを大切にしていこうと思った。

 そして、俺はトーマス兄弟の成功を心から祈っていた。

 ◇◇◇

 ウォルターやシグ・ナインの協力もあり、トーマス兄弟は無事に会社を作った。
 会社のオーナーは、起業に関わる資金を全て出したアルだ。
 とはいえ、経営はトーマス兄弟が行う。

 運び屋が会社を設立。
 これはトーマス兄弟が所属していた冒険者ギルドのウグマ支部に衝撃を与えた。

 解体師や運び屋の地位向上を狙っていたウグマ支部。
 その運び屋が、まさか起業するとは考えてもいなかった。

 もしこの会社が成功すれば、運び屋の社会的地位は格段と上がるだろう。

 アルの影響で、ギルドの風習が変わって行くのだった。

 ◇◇◇
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