鉱夫剣を持つ 〜ツルハシ振ってたら人類最強の肉体を手に入れていた〜

幕間

設定資料集・五章

　【人物紹介】

　アル・パート

　年齢　十九歳
　性別　男
　職業　Ａランク冒険者
　武器　片刃の大剣ファラゴン
　素材　黒紅石（レア八　硬度八）

　標高九千メデルトのフラル山で鉱夫をしていた素朴な青年。
　人が生きていけない高度でツルハシを振って鉱石を採掘していた結果、無意識に身体が鍛えられ人智を超えた肉体を得る。

　百年間誰もなし得なかった槍豹獣サーべラルの固有名保有特異種ネームドモンスターダーク・ゼム・イクリプスをたった一人で討伐。
　その二週間後に、討伐不可能と言われていた岩食竜ディプロクスのネームド、ウォール・エレ・シャットを一人で討伐。

　激闘の代償として、愛用していた片刃の大剣ファラゴンが使えなくなってしまった。
　そのため開発機関シグ・ナインが、新しい剣と鎧を開発中。

　レイ曰く「お使いのついでにネームドを討伐するのは世界でもアルだけ」とのこと。
　あまりにも非常識過ぎて、モンスターを討伐したのに怒られるのもアルだけ。
　そして、ギルドからは三ヶ月間のクエスト禁止令を言い渡された。

　＜討伐スコア＞

　ネームド
　ダーク・ゼム・イクリプス（槍豹獣サーべラル）
　ウォール・エレ・シャット（岩食竜ディプロクス）

　Ｂランク
　霧大蝮ネーベルバイパー
　大牙猛象エレモス

　Ｃランク
　腐食獣竜スカベラス　十頭

　生涯獲得報酬：金貨四千三十一枚

　◇◇◇

　レイ・ステラー

　年齢　二十二歳
　性別　女
　職業　Ａランク冒険者
　　　　元イーセ王国クロトエ騎士団団長
　武器　細剣レイピア
　素材　虹鉱石（レア八　硬度八）

　武力も知力も卓説した能力を持つ世界的に有名な冒険者。
　絶世の美女と呼ばれているが、本人は気にしていない。

　パートナーのアルの活躍が目立つものの、総合力ではレイが勝ると評価されている。

　怒ると非常に恐ろしい。
　暗闇が苦手。

　◇◇◇

　エルウッド・デル・ザナドゥ

　年齢　不明
　性別　不明
　職業　アルの家族

　アルの唯一の家族でＥランクモンスターの狼牙。
　人語を完全に理解する。

　実は狼牙の中でも超希少種な銀狼牙という種族でネームド。
　名前の意味は幻想の雷。

　最近覚えた踊りは一向に上手くならない。
　アル曰く「変な踊り」とのこと。

　◇◇◇

　シーラ・ワイヤ

　年齢　二十五歳
　性別　女
　職業　元冒険者ギルド　開発機関シグ・ナイン帝国ウグマ鉱山主任

　二十五歳だが少女のような外見をしている女性。
　開発機関シグ・ナインウグマ支部長ウォルター・ワイヤの娘。
　父親の仕事を手伝っていたら、鉱山主任まで上り詰た才女。

　本人は鍛冶師を目指しているものの、父親のウォルターから鍛冶師の才能がないと言われていた。
　しかし、得意の根回しと、諦めない気持ちでついに鍛冶師になることを許してもらえた。
　叔父のクリス・ワイヤに弟子入するため、イーセ王国のラバウトへ旅立つ。

　剣マニア。
　料理が上手い。
　ノリが軽い。
　
　◇◇◇

　ギル・リージェン

　年齢　四十三歳
　性別　男
　職業　冒険者ギルド　研究機関シグ・セブンウグマ支部長

　研究機関シグ・セブン局長ジョージ・ウォーターの教え子でモンスター学者。
　真面目な性格をしており、部下や解体師の能力を正当に評価をする。
　解体師の知識と技術をモンスター研究に取り入れようと奔走している。

　師匠のジョージ・ウォーターとモンスター事典の新刊を作っている。

　◇◇◇
　
　【団体紹介】

　開発機関シグ・ナインウグマ鉱山

　シグ・ナインが保有する鉱山。
　標高三千メデルトを超える巨大な独立峰。
　帝国で最も大きい鉱山で、帝国の鉱石生産高の三十パーセントを占めている。

　山の麓には街と変わらない規模の集落があり、五千人の従業員が暮らしている。
　主に引退した冒険者が従事。

　標高三千メデルトまでリフトで登れるようになっていたり、ウグマの街まで最新の技術を導入した街道を作っている。
　豊富な資金でやりたい放題なのは、責任者であるシーラ・ワイヤの軽いノリが影響しているのは言うまでもない。

　◇◇◇

　【モンスター紹介】

　岩食竜ディプロクス

　階級　Ｂランク
　分類　竜骨型鎧類

　体長約八メデルト。
　中型の鎧類モンスター。

　岩石を主食としている二足歩行のモンスター。
　太く短い足、使用せず退化した小さな手、背中には中型の翼を二枚持つ。
　尻尾は太く、長さは三メデルトほどと体長に比べて短い。

　名前の通り、岩石を食べることで有名。
　岩石に含まれる不純物、特に微生物を栄養源とし、体内に吸収している。
　吸収されない岩石の成分は皮膚に排出され、結果的に純度の高い鉱石が生成される。
　これを体内生成鉱石と呼ぶ。

　岩石を噛み砕く頭部は、上顎よりも下顎が突き出ている。
　下顎に巨大な牙が四本、上顎に二本、合計六本生えており、大牙の隙間に小さくて平たい無数の歯が生えている。
　岩を噛み砕くことに特化。
　鉱石を体内生成することで、皮膚の色は薄灰色。

　性格は温厚で、鉱石を食べること以外に興味がない。
　しかし食事の邪魔をされると激昂する。

　鉱山に出現する傾向にあり、過去多くの鉱夫が犠牲になっている。

　◇◇◇

　ウォール・エレ・シャット

　岩食竜ディプロクスの固有名保有特異種ネームドモンスター
　名前の意味は崩せぬ黒壁。

　体長約八メデルト。
　硬度六の黒深石を主食としている。
　体内生成で硬度六以上となった黒深石の皮膚が特徴。
　全身黒色で、眼球は濃青色。

　攻撃手段は主に尻尾による薙ぎ払い。
　非常に強烈で、人間を簡単に粉砕する。
　黒深石をも容易に噛み砕く顎は、人間を一瞬で噛みちぎる。
　非常に硬い皮膚に守られていることから、討伐は不可能と言われていた。
　
　通常種のディプロクスと同じように、鉱石を食べる以外に興味がない。
　食事に貪欲で、希少鉱石である黒深石を食べ尽くしてしまう。
　そのため、ウォール・エレ・シャットが出現した鉱山は全て閉山された。
　鉱夫の天敵。

　中距離の飛行が可能で、岩山の高地に出現する。
　偶然鉱山に居合わせた冒険者アル・パートによって討伐された。

　討伐報酬　金貨千七百枚

　◇◇◇