55 / 352
第三章
第55話 初クエスト
しおりを挟む
「ところで、モンスターは何ですか?」
「ああ、大牙猛象だ」
「エレモス!」
「そうだ。狩猟の目的はエレモスの大牙二本だ」
◇◇◇
大牙猛象
階級 B ランク
分類 四肢型獣類
体長約十メデルト。
大型の獣類モンスター。
長い鼻を持ち、口の両脇には三メデルトほどの湾曲した大きな牙が一本ずつ生えている四足歩行の大型モンスター。
厚くて硬い皮膚を持つため防御力が高い。
性格は凶暴で、一度暴れだすと手がつけられない。
圧倒的なパワーを誇り、全てを破壊し尽くす。
怒り狂ったエレモスが、たった一頭で小さな集落を壊滅させたこともある。
エレモスの大牙は高級品で武具や装飾品、彫刻素材として重宝されている。
◇◇◇
俺はモンスター事典を思い出しながら、ピットへ尋ねる。
「巨体のエレモスを二人で?」
「霧大蝮を一矢で仕留めた君なら、達成できるだろう」
俺は少し考え込んで答えを出した。
「分かりました。やってみます」
「やってくれるか! ありがとう」
ピットは一枚の書類を俺に出してきた。
「アル君。これは試験ではないので、報酬も通常通り支払う。これがクエスト依頼書だ。確認してくれ」
◇◇◇
クエスト依頼書
難度 Bランク
対象 大牙猛象
内容 一頭の狩猟 大牙二本の剥ぎ取り必須
報酬 金貨二十枚
期限 二十日以内
編成 Bランク四人以上
解体 ギルド手配
運搬 ギルド手配
特記 出現場所は指示書参照 詳細は契約書記載 冒険者税徴収済み
◇◇◇
「報酬が金貨二十枚も!?」
「ああ、Bランク四人のクエストだし、そもそもエレモスは危険だからな。冒険者税は徴収済みだから、達成したら金貨二十枚がそのまま報酬になるよ」
クエスト一つで金貨二十枚という大金に驚いたが、四人でやれば一人あたり金貨五枚になる。
命がけだし妥当な金額か。
「今回、解体師と運び屋はギルドで手配するから費用はかからん。契約書を読んで問題なければサインしてくれ」
「分かりました」
モンスターの出現場所や、剥ぎ取り素材等の注意事項がある指示書と、クエストの契約書を読みサインした。
レイも同じようにサイン。
「アル。これがクエストの流れよ。これからたくさん行うことになるから覚えておいてね」
「ああ、分かった」
俺の初めてのクエスト受注だ。
緊張する。
「それでは、レイ様、アル君。よろしくお願いします」
ピットに挨拶をして、ギルドを出た。
指示書によると、今回の狩猟地はアセンから西へ五十キデルトの湿地帯だった。
そこで、エレモスの群れを確認したそうだ。
俺たちはまず、街の道具屋で狩猟に使用する道具を購入。
そして、カミラさんの宿へ戻り一泊。
まだ夜が明けないうちに出発した。
「アル、昨日体力テストをやったばかりだけど大丈夫? 期限はまだあるから休んでもいいのよ?」
「ああ、問題ないよ」
「本当にどういう身体してるのかしらね」
レイは呆れていた。
俺とレイはそれぞれ馬に乗り、エルウッドは徒歩で狩猟地へ向かう。
「アル。クエストに使用する道具類や、宿などの必要経費は自分で負担するのよ。報酬金額を考えながら、なるべく費用をかけないようにする必要があるわ」
「なるほど、報酬金額だけで考えてはダメなのか。場合によっては赤字になることもあるんだね」
「ええ、そうよ。経費や日数、危険度を考えて受注する必要があるの。注意してね」
「分かった」
「でも今回は、四人分を二人で受け取ることになるから、まず赤字になることはないわね」
「その分危険なんでしょ?」
「もちろんそうね。気を引き締めないと危険だわ」
「頑張るよ」
「ええ、二人で頑張りましょう」
今回はエレモス一頭の狩猟で、大牙を二本を確保する必要がある。
大牙は一頭で二本しか取れない。
なので、もし狩猟中に大牙を破損してしまったら、その時点でクエストは失敗となる。
二頭目の狩猟は許されていない。
指示数以上の狩猟は、やむを得ない場合以外、罰金等の懲罰対象になることがある。
度が過ぎるとギルドハンターからの制裁もあるようだ。
また、クエスト失敗も罰金対象だ。
ちなみに、クエストを三回連続で失敗すると、理由に関わらずランクは必ず降格する。
Bランクのモンスターを相手にして、目的の素材に注意しながら狩猟することは難しい。
「エレモスの巨体自体がすでに凶器よ。さらに大牙や長い鼻がとても厄介なの」
「実物は見たことないけど、モンスター事典で読んだよ。長い鼻での薙ぎ払いが特に危険だって」
「ええ、そうよ。人間一人なんて簡単に吹き飛ばされるし、それだけであっけなく死ぬわ。鼻の攻撃には要注意よ」
「分かった。Bランクモンスターは伊達じゃない……か」
「エレモスの討伐セオリーはいくつかあるけど、もっとも王道なのが、片足にロープを掛けて大人数で引っ張って転ばすという古典的かつ力技よ。普通の人が引っ張るには二十人は必要だけど、Bランクにもなると四人でも大丈夫。まあ、それでも力負けすることはあるけどね」
「今回は二人だし、セオリー通りはできないよね?」
「あなただからできる作戦よ。ふふふ」
レイがエレモス狩猟の注意点や作戦を説明してくれた。
通常の討伐セオリーと同じく、エレモスの足にロープを引っ掛ける。
違うのは俺が一人で足止めをするという点だ。
その間にレイが、迅速にエレモスの脳天を一突きで仕留める。
俺の力と、レイのスピードと正確な技術が揃うことで可能となる作戦だった。
――
夕焼けが始まった頃、出現場所に最も近い宿場町に到着。
俺たちはまず肉屋で牛鶏を一匹購入。
牛鶏は一メデルトほどの大きさで、頭部に短い角が二本生えていてる鳥だ。
しかし、ほとんど飛べない。
その肉は非常に美味な上に、卵も生産できる家畜の代表格だった。
今回購入した牛鶏の重さは約四十キルク。
かなり立派な牛鶏だ。
価格は銀貨一枚と半銀貨五枚。
一匹買いなので妥当な値段だろう。
その場で締めてもらい、血も別の容器に入れてもらった。
そして、そのまま宿で一泊し、翌日は日の出前から行動開始。
宿場町から五キデルトほど進み、エレモスの出現場所へ向かった。
さっそく付近を調査すると、エレモスの足跡や形跡を発見。
エレモスは大型モンスターなので、痕跡を発見しやすい。
この付近に住み着いていることは間違いないだろう。
「足跡の形跡を見ると、何度もここを往復してるようね。恐らく今日もここを通るはず……。アル、この付近で罠を仕掛けましょう」
「分かった」
獣道と思われる場所に罠を仕掛けることにした。
まずはロープを輪っか状にして、エレモスの足跡の上に置き、落ち葉で隠す。
そこへ餌となる大きな牛鶏を置く。
匂いを出すために、牛鶏の血を撒き準備完了だ。
俺たちは二十メデルトほど離れた風下の茂みに身を隠す。
ここからが大変だ。
ひたすら待つ。
とにかく待つ。
忍耐力が必要だった。
息を潜め、物音を立てないようにじっと待つ。
午前を過ぎ、太陽が頭上を通り越えた頃、変化を感じた。
地面が揺れ始める。
「エレモスが来たわ」
レイが小さな声で呟く。
そして、ついにエレモスが姿を表した。
五頭ほどの群れだ。
エレモスの実物を見るのは初めてだが、本当に驚くほど大きい。
この巨体のエレモスを、ロープで引き止めることができるのか不安だ。
しかし、ここまで来たらやるしかない。
俺はロープを持つ手に力を入れた。
「ああ、大牙猛象だ」
「エレモス!」
「そうだ。狩猟の目的はエレモスの大牙二本だ」
◇◇◇
大牙猛象
階級 B ランク
分類 四肢型獣類
体長約十メデルト。
大型の獣類モンスター。
長い鼻を持ち、口の両脇には三メデルトほどの湾曲した大きな牙が一本ずつ生えている四足歩行の大型モンスター。
厚くて硬い皮膚を持つため防御力が高い。
性格は凶暴で、一度暴れだすと手がつけられない。
圧倒的なパワーを誇り、全てを破壊し尽くす。
怒り狂ったエレモスが、たった一頭で小さな集落を壊滅させたこともある。
エレモスの大牙は高級品で武具や装飾品、彫刻素材として重宝されている。
◇◇◇
俺はモンスター事典を思い出しながら、ピットへ尋ねる。
「巨体のエレモスを二人で?」
「霧大蝮を一矢で仕留めた君なら、達成できるだろう」
俺は少し考え込んで答えを出した。
「分かりました。やってみます」
「やってくれるか! ありがとう」
ピットは一枚の書類を俺に出してきた。
「アル君。これは試験ではないので、報酬も通常通り支払う。これがクエスト依頼書だ。確認してくれ」
◇◇◇
クエスト依頼書
難度 Bランク
対象 大牙猛象
内容 一頭の狩猟 大牙二本の剥ぎ取り必須
報酬 金貨二十枚
期限 二十日以内
編成 Bランク四人以上
解体 ギルド手配
運搬 ギルド手配
特記 出現場所は指示書参照 詳細は契約書記載 冒険者税徴収済み
◇◇◇
「報酬が金貨二十枚も!?」
「ああ、Bランク四人のクエストだし、そもそもエレモスは危険だからな。冒険者税は徴収済みだから、達成したら金貨二十枚がそのまま報酬になるよ」
クエスト一つで金貨二十枚という大金に驚いたが、四人でやれば一人あたり金貨五枚になる。
命がけだし妥当な金額か。
「今回、解体師と運び屋はギルドで手配するから費用はかからん。契約書を読んで問題なければサインしてくれ」
「分かりました」
モンスターの出現場所や、剥ぎ取り素材等の注意事項がある指示書と、クエストの契約書を読みサインした。
レイも同じようにサイン。
「アル。これがクエストの流れよ。これからたくさん行うことになるから覚えておいてね」
「ああ、分かった」
俺の初めてのクエスト受注だ。
緊張する。
「それでは、レイ様、アル君。よろしくお願いします」
ピットに挨拶をして、ギルドを出た。
指示書によると、今回の狩猟地はアセンから西へ五十キデルトの湿地帯だった。
そこで、エレモスの群れを確認したそうだ。
俺たちはまず、街の道具屋で狩猟に使用する道具を購入。
そして、カミラさんの宿へ戻り一泊。
まだ夜が明けないうちに出発した。
「アル、昨日体力テストをやったばかりだけど大丈夫? 期限はまだあるから休んでもいいのよ?」
「ああ、問題ないよ」
「本当にどういう身体してるのかしらね」
レイは呆れていた。
俺とレイはそれぞれ馬に乗り、エルウッドは徒歩で狩猟地へ向かう。
「アル。クエストに使用する道具類や、宿などの必要経費は自分で負担するのよ。報酬金額を考えながら、なるべく費用をかけないようにする必要があるわ」
「なるほど、報酬金額だけで考えてはダメなのか。場合によっては赤字になることもあるんだね」
「ええ、そうよ。経費や日数、危険度を考えて受注する必要があるの。注意してね」
「分かった」
「でも今回は、四人分を二人で受け取ることになるから、まず赤字になることはないわね」
「その分危険なんでしょ?」
「もちろんそうね。気を引き締めないと危険だわ」
「頑張るよ」
「ええ、二人で頑張りましょう」
今回はエレモス一頭の狩猟で、大牙を二本を確保する必要がある。
大牙は一頭で二本しか取れない。
なので、もし狩猟中に大牙を破損してしまったら、その時点でクエストは失敗となる。
二頭目の狩猟は許されていない。
指示数以上の狩猟は、やむを得ない場合以外、罰金等の懲罰対象になることがある。
度が過ぎるとギルドハンターからの制裁もあるようだ。
また、クエスト失敗も罰金対象だ。
ちなみに、クエストを三回連続で失敗すると、理由に関わらずランクは必ず降格する。
Bランクのモンスターを相手にして、目的の素材に注意しながら狩猟することは難しい。
「エレモスの巨体自体がすでに凶器よ。さらに大牙や長い鼻がとても厄介なの」
「実物は見たことないけど、モンスター事典で読んだよ。長い鼻での薙ぎ払いが特に危険だって」
「ええ、そうよ。人間一人なんて簡単に吹き飛ばされるし、それだけであっけなく死ぬわ。鼻の攻撃には要注意よ」
「分かった。Bランクモンスターは伊達じゃない……か」
「エレモスの討伐セオリーはいくつかあるけど、もっとも王道なのが、片足にロープを掛けて大人数で引っ張って転ばすという古典的かつ力技よ。普通の人が引っ張るには二十人は必要だけど、Bランクにもなると四人でも大丈夫。まあ、それでも力負けすることはあるけどね」
「今回は二人だし、セオリー通りはできないよね?」
「あなただからできる作戦よ。ふふふ」
レイがエレモス狩猟の注意点や作戦を説明してくれた。
通常の討伐セオリーと同じく、エレモスの足にロープを引っ掛ける。
違うのは俺が一人で足止めをするという点だ。
その間にレイが、迅速にエレモスの脳天を一突きで仕留める。
俺の力と、レイのスピードと正確な技術が揃うことで可能となる作戦だった。
――
夕焼けが始まった頃、出現場所に最も近い宿場町に到着。
俺たちはまず肉屋で牛鶏を一匹購入。
牛鶏は一メデルトほどの大きさで、頭部に短い角が二本生えていてる鳥だ。
しかし、ほとんど飛べない。
その肉は非常に美味な上に、卵も生産できる家畜の代表格だった。
今回購入した牛鶏の重さは約四十キルク。
かなり立派な牛鶏だ。
価格は銀貨一枚と半銀貨五枚。
一匹買いなので妥当な値段だろう。
その場で締めてもらい、血も別の容器に入れてもらった。
そして、そのまま宿で一泊し、翌日は日の出前から行動開始。
宿場町から五キデルトほど進み、エレモスの出現場所へ向かった。
さっそく付近を調査すると、エレモスの足跡や形跡を発見。
エレモスは大型モンスターなので、痕跡を発見しやすい。
この付近に住み着いていることは間違いないだろう。
「足跡の形跡を見ると、何度もここを往復してるようね。恐らく今日もここを通るはず……。アル、この付近で罠を仕掛けましょう」
「分かった」
獣道と思われる場所に罠を仕掛けることにした。
まずはロープを輪っか状にして、エレモスの足跡の上に置き、落ち葉で隠す。
そこへ餌となる大きな牛鶏を置く。
匂いを出すために、牛鶏の血を撒き準備完了だ。
俺たちは二十メデルトほど離れた風下の茂みに身を隠す。
ここからが大変だ。
ひたすら待つ。
とにかく待つ。
忍耐力が必要だった。
息を潜め、物音を立てないようにじっと待つ。
午前を過ぎ、太陽が頭上を通り越えた頃、変化を感じた。
地面が揺れ始める。
「エレモスが来たわ」
レイが小さな声で呟く。
そして、ついにエレモスが姿を表した。
五頭ほどの群れだ。
エレモスの実物を見るのは初めてだが、本当に驚くほど大きい。
この巨体のエレモスを、ロープで引き止めることができるのか不安だ。
しかし、ここまで来たらやるしかない。
俺はロープを持つ手に力を入れた。
27
お気に入りに追加
171
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる