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第一章
第21話 鍛冶屋への依頼
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市場で出店の準備をしていると、いつも俺の鉱石を買う商人のトニー・ケイソンと会った。
「アルじゃないか! 今日は出店か? 鉱石を見せてくれ!」
物凄い勢いで迫ってきた。
トニーに今日の商品である竜石、緑鉱石、黒深石、白鉱石、赤鉱石を見せる。
「まだクリスは来てないな! よし買い占めじゃ! ヒヒヒヒヒ」
トニーが全部買ってしまった。
しかも俺の予想では金貨五枚ほどの予想だったが、買い占めできたことが嬉しかったようで、なんと金貨八枚で買い取ってくれた。
これには俺も驚いた。
「いいんじゃよ。アルの鉱石は別の地方でさらに高く売れるんじゃから。ヒヒヒヒヒ」
別の地方か。
俺はこのカトル地方から出たことがない。
「ねえトニー、別の地方はここと全然違うの?」
「そうじゃの。カトル地方は最南端で暖かいが、北の峠を超えてキーズ地方へ行くと一気に気候が変わる。冬は特に寒くなるぞ。そして、そのさらに北にあるロンハー地方に王都イエソンがあるのじゃ」
「王都イエソンか」
「ちなみにじゃが、アルの鉱石はキーズ地方の最大都市アセンの宝石屋に卸すことが多いのじゃよ。あそこの美人オーナーは高く買ってくれるからのう」
その時、大きな笑い声が聞こえてきた。
この声は鍛冶師のクリスだ。
「あれ! 何でアルがいるんだ! まさか、トニー! お前全部買ったのか?」
「ヒヒヒヒヒ、遅かったなクリス。今回はいい鉱石ばかりじゃったぞ。全部ワシが買い占めたんじゃ」
「くそっ! 次回は覚えてろ!」
「ヒヒヒヒヒ」
笑いながらトニーは去る。
買い占めた鉱石は使用人が運んでいった。
「そうだ、クリス。今日はクリスにお願いがあるんだ」
「なんだ? アルからお願いなんて珍しいな。ガハハハ」
「実は、剣を打って欲しいんだ」
「剣だと? アルが? お、お前剣士になるのか?」
「いや、まだ分らないんだけど、騎士団の人から話を聞いてちょっと興味が出て……」
「騎士団? ああ、今確かに王都から一番隊が来てるな。俺の店にも来たぞ。ガハハハ」
レイさんの話だと、騎士団がクリスの店へ行ったの内緒のはずだが……。
聞かなかったことにしよう。
「そ、そうなんだよ。一番隊の人に話を聞いてさ」
「誰なんだ! お前を剣士にしようというバカなやつは! お前は一流の鉱夫なんだぞ?」
「えーと……、レイ・ステラー……様っていうんだけど」
「レ、レイ・ステラー様!? お、お前! レイ様と言ったら一番隊の隊長じゃねーか。次期騎士団団長とも言われてる方だぞ! なんでお前なんかと知り合いなんだ!」
クリスが取り乱している。
というか、レイさんは騎士団の次期団長候補だったのか。
全く知らなかった。
「私がバカだと?」
その時、知っている女性の声が聞こえた。
こ、この声は……。
恐る恐る振り返ると、そこには絶世の美女が立っている。
「ぎゃー! レイ様!」
目が飛び出しそうなほど驚くクリスだった。
「アルじゃないか! 今日は出店か? 鉱石を見せてくれ!」
物凄い勢いで迫ってきた。
トニーに今日の商品である竜石、緑鉱石、黒深石、白鉱石、赤鉱石を見せる。
「まだクリスは来てないな! よし買い占めじゃ! ヒヒヒヒヒ」
トニーが全部買ってしまった。
しかも俺の予想では金貨五枚ほどの予想だったが、買い占めできたことが嬉しかったようで、なんと金貨八枚で買い取ってくれた。
これには俺も驚いた。
「いいんじゃよ。アルの鉱石は別の地方でさらに高く売れるんじゃから。ヒヒヒヒヒ」
別の地方か。
俺はこのカトル地方から出たことがない。
「ねえトニー、別の地方はここと全然違うの?」
「そうじゃの。カトル地方は最南端で暖かいが、北の峠を超えてキーズ地方へ行くと一気に気候が変わる。冬は特に寒くなるぞ。そして、そのさらに北にあるロンハー地方に王都イエソンがあるのじゃ」
「王都イエソンか」
「ちなみにじゃが、アルの鉱石はキーズ地方の最大都市アセンの宝石屋に卸すことが多いのじゃよ。あそこの美人オーナーは高く買ってくれるからのう」
その時、大きな笑い声が聞こえてきた。
この声は鍛冶師のクリスだ。
「あれ! 何でアルがいるんだ! まさか、トニー! お前全部買ったのか?」
「ヒヒヒヒヒ、遅かったなクリス。今回はいい鉱石ばかりじゃったぞ。全部ワシが買い占めたんじゃ」
「くそっ! 次回は覚えてろ!」
「ヒヒヒヒヒ」
笑いながらトニーは去る。
買い占めた鉱石は使用人が運んでいった。
「そうだ、クリス。今日はクリスにお願いがあるんだ」
「なんだ? アルからお願いなんて珍しいな。ガハハハ」
「実は、剣を打って欲しいんだ」
「剣だと? アルが? お、お前剣士になるのか?」
「いや、まだ分らないんだけど、騎士団の人から話を聞いてちょっと興味が出て……」
「騎士団? ああ、今確かに王都から一番隊が来てるな。俺の店にも来たぞ。ガハハハ」
レイさんの話だと、騎士団がクリスの店へ行ったの内緒のはずだが……。
聞かなかったことにしよう。
「そ、そうなんだよ。一番隊の人に話を聞いてさ」
「誰なんだ! お前を剣士にしようというバカなやつは! お前は一流の鉱夫なんだぞ?」
「えーと……、レイ・ステラー……様っていうんだけど」
「レ、レイ・ステラー様!? お、お前! レイ様と言ったら一番隊の隊長じゃねーか。次期騎士団団長とも言われてる方だぞ! なんでお前なんかと知り合いなんだ!」
クリスが取り乱している。
というか、レイさんは騎士団の次期団長候補だったのか。
全く知らなかった。
「私がバカだと?」
その時、知っている女性の声が聞こえた。
こ、この声は……。
恐る恐る振り返ると、そこには絶世の美女が立っている。
「ぎゃー! レイ様!」
目が飛び出しそうなほど驚くクリスだった。
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