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ビビりとモフモフ、冒険開始
天使なウサちゃん
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さてさて、坊や達どうしたの?
事情を聞くためか、トルテアさんがゆっくり歩み寄る。
少し後ろを、御者さんも付いて行った。
そして、会話はできるけど、物理的接触はできない程度に離れて足を止め、軽くお辞儀。
ここからじゃ見えないけど、きっと相手を警戒させない、穏やかな微笑みを浮かべてるんだろう。
ちょっとだけ、子供達の緊張が和らいだ気がする。
流石、ベテラン執事さんだ。
「初めまして。皆様は、この村の方々ですね。何か事情がおありの御様子…可能であれば、お話いただけますか?」
「な、なんだよ、関係ねぇだろじーさん!」
「なんでもいいから、モンスター連れて、他の村か町行けよ!」
「此方としても、そういう訳にはいかないんだよ。コレからまた出発となると、日が暮れてしまうだろう?」
「嘘吐いたってダメだぞ、お兄さん!馬車なら、コルスモまで、1時間もかかんないじゃん!」
うーむ、頑なだ。
かといって、子供を押し退けて通るのは、気が引けるってかやりたくない。
やっぱりここは…
ぽふっ しゅるるる…
『仲良くなって事情を聞こう!モフモフ部隊、総員突撃ぃーっ!!』
『ちょっと待って未來くん私を咥えて跳ぶのhいやぁあああああっ?!』
「な、何か来るぞ?!」
「おや…ご安心ください、嫌がる事をしなければ、彼は噛みませんので。」
詩音を咥えるため、大型犬サイズに獣化して、屋根からジャーンプ!!
このサイズだと、捕食感が増すな。
『…レナ、掴まるか?飛び降りるよりは、安全に降ろせるぞ。』
『そうするわ。お願いね。』
『仲良くなるのは、得意なのです♪』
『わぁーい、あそぼ~♪』
『ポプラちゃんも、行こ♪』
『いや、ウチ自分でコレ外せないし。』
『ボク外せそうだけど…勝手に触ったら、怒られるかなぁ。』
『え、コレもしかして、私も混ざるべき?』
皆も続々降りて、子供達の方へ。
さあ、このモフモフ天国で、陥落するが良い!
「わっ、襲って来たぞ?!」
「くそっ、あっち行けー!」
「な、なあ、スゲー沢山居るけど、棒で勝てんのかコレ?!」
おっと、向こうからしてみたら、襲って来たようにしか見えなかったか!
振り回してくる棒が、危ないな。
俺なら当たっても平気だろう。
小梅は、砂で簡単に防げる。
若葉と時雨は、まあ避けれるよね。
陽向もモコモコガードがあるから、大丈夫。
ラルフとレナさんも、そんな心配要らなさそうだ。
ウサちゃんは…うん、ケイトさんにそのまま捕獲されてて。
だけど……
『ひっ…ふぁっ……?!』
棒が振られる度に、短い悲鳴を上げてる詩音には酷だな。
プルプル震えて、チワワかお前は。
今はウサギだけども。
よし、咥えたまま持って行こう←
そして、安心してもらうために、話しかけようか。
[ヘイ少年達、お兄さんと遊ばない?]
「喋った?!おい、このウルフ喋ったぞ!」
「しゃ、喋るモンスターって、めっちゃ頭良くて強いん…だよね?…あのラビは、非常食……?」
「スゲー震えてるし…食べるんじゃないか…?」
[食わねぇよ、コイツは親友だよ。]
[だ、大丈夫です…食べられたりは、しません…。]
「ラビまで喋った?!」
そーだよ、俺達喋るモフモフなんだよ。
[さて、俺達と人の子が、安全に遊べる遊びと言えば!]
「…いえば?」
「ちょ、ちょっと待て!俺達遊ぶなんて…」
[やっぱ、全身擽りモフモフタイムだよなっ!!]
『『『おーっ!!』』』
『飛び掛かるなら私を離してからにぃいいいいっ?!』
「「「うわぁーっ?!」」」
つーわけで、かかれー!
ドーンと押し倒して、モッフモフにしてやんよ!
「ひゃぁあっwくすぐったい、くすぐったいよ~っwww」
「わ、お、重いぞお前、降りろー!」
「あははっwちょっとやめ、やめてwwwあっ、棒が…!」
『武器は没収なのです。』
『よし、俺達も行くか。』
『そうね。』
おいでおいで~♪
「うわっ、また増えた?!お前ら、大勢で卑怯だぞっ!!」
[まあまあ。コレ勝ち負けとか、ねーからさぁw]
[攻撃しないで、優しく触ってあげてくださいね。]
[あ、怪我させたら負けな。]
「今、勝ち負け無いって言ったよな?!」
はっはっはっ、何の事かなw
「あはははwお返しだぁ~っ!w」
『わぁ~♪』
「肉球で、おでこ押すなよ!この、やったなぁ~っ!」
[おわっふっ?!お腹揉むのはヤメテ!]
[ひゃっ、耳は触らないでくださいっ!!]
「ねこちゃん、捕まえた!」
『きゃっ!も、もうちょっと、優しく持てない?』
『捕まるの早くないか、レナ。』
『この身体、思った以上に、ちっちゃいのよ!』
うんうん、皆遊ぶ気に成ってきたかな?
耳と尻尾は、つかんじゃダメだよ。
あとできれば、お腹も勘弁。
───────
──────
─────
擽り合いは、子供の一人が咳き込んじゃったことで、強制終了。
子供達は、だいぶ警戒心が薄れたようで、モフモフと俺達の毛並みを楽しんでいる。
「和みますね~♪」
「どんな生き物も、子供は可愛いわねぇ~♪」
『うむ、子が元気なのは良い事だ。』
「ご歓談中、失礼致します。」
[戻ったか、トルテアよ。村の様子は?]
「外に出ているのは、そちらの子供達のみでした。店も全て閉まっております。他の子供は、数人で集まって民家の中にて待機。大人達は、最も大きな建物に集まり、怪我人5名の治療に追われておりました。」
トルテアさん、いつの間に偵察行ってたの。
怪我人かぁ…ここに、回復魔法使えるウサギが居るけど。
「怪我人がそんなに…モンスターの襲撃でも、あったのかなぁ……」
「いいえ、アレは恐らく、人の武器による傷でしょう。この辺りに出るのは、プランターラビとフォレストドッグ。そちらの子供達でも追い返せるような、大人しいモンスターでございます。」
「てことは、クソ虫ちゃんがペッした、食べ残しの中に犯人居るかもってこと?」
「そうですね……傷の形状、大きさ、深さから見て……あちらに転がっている方の、ショートソードが怪しいかと。」
「執事って、そんな事まで解るんだねぇ。」
いや、普通の執事さん、たぶん解らねぇよ。
トルテアさん、マジで何者だよ。
「じゃ、叩き起こして、ちょ~っと締め上げてみるよ!ヴァルー、子供達お願いね。ラゴンド、リバスト、向こうでお仕事だよ~♪」
『承知。』
『締め上げる前に、死なぬことを願うばかりですなぁ。』
『如何にも。我等を見ただけでも、ショック死とやらをするかもしれんぞ。』
起き抜けにドラゴンのドアップが来たら、俺も悲鳴あげるかもしれない。
[ね、村に怪我してる人居るの?]
「ん…そうなんだ。」
[あの、何があったのでしょう?]
「かーちゃんが言うには、昨日、野菜売って貰えなかった冒険者が、強盗しようとして、大暴れしたって…」
「子供は、昨日御触れが出てから、ずっと家の中居させられててさ。見た訳じゃないんだ。……俺たちが出てるの、ナイショな!」
[おう!]
俺は黙っとくぜ!他の皆が言うかもだけど!
さてさて、怪我人が居るなら、放っておけないな。
『ラルフ、俺と詩音で怪我人治しに行って良い?』
『そうだな…シオンは特に気になるだろうし………この状況で、襲われる心配は無い、か。行って来い。コウメも良いぞ。』
『ありがとうございます。』
『ありがとうです。一緒に行くのです♪』
よし、詩音を咥えて、小梅と共に大きな建物へレッツゴー!
「どこ行くの?」
「おねーさん、ウルフとラビとキャットが、村入っちゃったぜー?」
「きっと、怪我人がいらっしゃると聞いて、助けに行ったのでしょう。ウサギちゃんが、回復魔法を使えますから。」
「ラビが?!」
「ねぇ、お姉さん!あのラビ、なんてモンスター?」
「種族ですか…あの子は少し特殊でして。図鑑には載っておりません。」
「へぇ~!」
………確かに…なんてモンスターだろ、コイツ…
『……そういえば、種族とか全く考えてませんでした……。』
『……エンジェルラビとか、どーよ?』
『総長さんが考えたにしては、珍しく最初から可愛いのです♪』
真っ白だし、可愛さ天使級だし、色々な意味で癒してくれる。
うん、良いじゃんエンジェルラビ。
『私は、変身しても天使ですかぁ……』
『そうだ、光の翼装備しようぜ!スクヴェイダーみたいな感じで!』
『えぇぇ…』
『ほらほらw』
『わ、解りましたよ…まだ、天使感は人間の姿で着けるより、マシそうですし。……《光の翼》!!』
バサァッと音を立てて、詩音の背に翼ができた。
ちょっと、胸からお腹にかけて当たるけど…。
『可愛いは正義!!許す!』
『あ、ありがとう、ございます?』
そんな感じで進んで行き、たどり着いた建物には、忙しそうな大人達が集まっていた。
「あら…ウルフ?!」
「きゃあっ?!あ、あっちに行きなさい!」
「おい、落ち着け。首輪してるぞ…誰かの飼い狼だ。」
「あのラビは、なんて種族だ?見たことないな…」
『怪我人、5名確認できたです。』
『えーと…《診察》!…状態異常は…発熱ですか。大きく負傷していますから、仕方のないことです。傷が膿んでいる様子は無し…感染症の心配は、無さそうですね。』
『よし、やっちまえ、詩音!折角だから、全員の疲れも取ってあげてくれ!』
『了解です!《グランド・ヒール》!!』
ぶわぁっ……!! キラキラ
『…………なんでしょう、今の。』
『魔法の光と一緒に、白い羽根が現れて舞ったな。』
『キレイなのです!』
村の人たちが、凄い此方見てる。
まあ、ウサギで有名になっても、影響はそんなに無いでしょ!
「神は…我々を見捨ててはいなかった…!」
「伝わらないだろうが、ありがとう…!」
いやいや、伝わるよ~。
コレで、村の人たちと、詳しくお話できるかな。
できれば、村長さんに、小屋を作り直す許可出してほしい。
さっきチラッと見たけど、アレ掘っ立て小屋どころか、屋根半分崩れてたぞ。
───────
───────
作者コメント
返信滞っててすみません!
少しずつ返していきますので!
事情を聞くためか、トルテアさんがゆっくり歩み寄る。
少し後ろを、御者さんも付いて行った。
そして、会話はできるけど、物理的接触はできない程度に離れて足を止め、軽くお辞儀。
ここからじゃ見えないけど、きっと相手を警戒させない、穏やかな微笑みを浮かべてるんだろう。
ちょっとだけ、子供達の緊張が和らいだ気がする。
流石、ベテラン執事さんだ。
「初めまして。皆様は、この村の方々ですね。何か事情がおありの御様子…可能であれば、お話いただけますか?」
「な、なんだよ、関係ねぇだろじーさん!」
「なんでもいいから、モンスター連れて、他の村か町行けよ!」
「此方としても、そういう訳にはいかないんだよ。コレからまた出発となると、日が暮れてしまうだろう?」
「嘘吐いたってダメだぞ、お兄さん!馬車なら、コルスモまで、1時間もかかんないじゃん!」
うーむ、頑なだ。
かといって、子供を押し退けて通るのは、気が引けるってかやりたくない。
やっぱりここは…
ぽふっ しゅるるる…
『仲良くなって事情を聞こう!モフモフ部隊、総員突撃ぃーっ!!』
『ちょっと待って未來くん私を咥えて跳ぶのhいやぁあああああっ?!』
「な、何か来るぞ?!」
「おや…ご安心ください、嫌がる事をしなければ、彼は噛みませんので。」
詩音を咥えるため、大型犬サイズに獣化して、屋根からジャーンプ!!
このサイズだと、捕食感が増すな。
『…レナ、掴まるか?飛び降りるよりは、安全に降ろせるぞ。』
『そうするわ。お願いね。』
『仲良くなるのは、得意なのです♪』
『わぁーい、あそぼ~♪』
『ポプラちゃんも、行こ♪』
『いや、ウチ自分でコレ外せないし。』
『ボク外せそうだけど…勝手に触ったら、怒られるかなぁ。』
『え、コレもしかして、私も混ざるべき?』
皆も続々降りて、子供達の方へ。
さあ、このモフモフ天国で、陥落するが良い!
「わっ、襲って来たぞ?!」
「くそっ、あっち行けー!」
「な、なあ、スゲー沢山居るけど、棒で勝てんのかコレ?!」
おっと、向こうからしてみたら、襲って来たようにしか見えなかったか!
振り回してくる棒が、危ないな。
俺なら当たっても平気だろう。
小梅は、砂で簡単に防げる。
若葉と時雨は、まあ避けれるよね。
陽向もモコモコガードがあるから、大丈夫。
ラルフとレナさんも、そんな心配要らなさそうだ。
ウサちゃんは…うん、ケイトさんにそのまま捕獲されてて。
だけど……
『ひっ…ふぁっ……?!』
棒が振られる度に、短い悲鳴を上げてる詩音には酷だな。
プルプル震えて、チワワかお前は。
今はウサギだけども。
よし、咥えたまま持って行こう←
そして、安心してもらうために、話しかけようか。
[ヘイ少年達、お兄さんと遊ばない?]
「喋った?!おい、このウルフ喋ったぞ!」
「しゃ、喋るモンスターって、めっちゃ頭良くて強いん…だよね?…あのラビは、非常食……?」
「スゲー震えてるし…食べるんじゃないか…?」
[食わねぇよ、コイツは親友だよ。]
[だ、大丈夫です…食べられたりは、しません…。]
「ラビまで喋った?!」
そーだよ、俺達喋るモフモフなんだよ。
[さて、俺達と人の子が、安全に遊べる遊びと言えば!]
「…いえば?」
「ちょ、ちょっと待て!俺達遊ぶなんて…」
[やっぱ、全身擽りモフモフタイムだよなっ!!]
『『『おーっ!!』』』
『飛び掛かるなら私を離してからにぃいいいいっ?!』
「「「うわぁーっ?!」」」
つーわけで、かかれー!
ドーンと押し倒して、モッフモフにしてやんよ!
「ひゃぁあっwくすぐったい、くすぐったいよ~っwww」
「わ、お、重いぞお前、降りろー!」
「あははっwちょっとやめ、やめてwwwあっ、棒が…!」
『武器は没収なのです。』
『よし、俺達も行くか。』
『そうね。』
おいでおいで~♪
「うわっ、また増えた?!お前ら、大勢で卑怯だぞっ!!」
[まあまあ。コレ勝ち負けとか、ねーからさぁw]
[攻撃しないで、優しく触ってあげてくださいね。]
[あ、怪我させたら負けな。]
「今、勝ち負け無いって言ったよな?!」
はっはっはっ、何の事かなw
「あはははwお返しだぁ~っ!w」
『わぁ~♪』
「肉球で、おでこ押すなよ!この、やったなぁ~っ!」
[おわっふっ?!お腹揉むのはヤメテ!]
[ひゃっ、耳は触らないでくださいっ!!]
「ねこちゃん、捕まえた!」
『きゃっ!も、もうちょっと、優しく持てない?』
『捕まるの早くないか、レナ。』
『この身体、思った以上に、ちっちゃいのよ!』
うんうん、皆遊ぶ気に成ってきたかな?
耳と尻尾は、つかんじゃダメだよ。
あとできれば、お腹も勘弁。
───────
──────
─────
擽り合いは、子供の一人が咳き込んじゃったことで、強制終了。
子供達は、だいぶ警戒心が薄れたようで、モフモフと俺達の毛並みを楽しんでいる。
「和みますね~♪」
「どんな生き物も、子供は可愛いわねぇ~♪」
『うむ、子が元気なのは良い事だ。』
「ご歓談中、失礼致します。」
[戻ったか、トルテアよ。村の様子は?]
「外に出ているのは、そちらの子供達のみでした。店も全て閉まっております。他の子供は、数人で集まって民家の中にて待機。大人達は、最も大きな建物に集まり、怪我人5名の治療に追われておりました。」
トルテアさん、いつの間に偵察行ってたの。
怪我人かぁ…ここに、回復魔法使えるウサギが居るけど。
「怪我人がそんなに…モンスターの襲撃でも、あったのかなぁ……」
「いいえ、アレは恐らく、人の武器による傷でしょう。この辺りに出るのは、プランターラビとフォレストドッグ。そちらの子供達でも追い返せるような、大人しいモンスターでございます。」
「てことは、クソ虫ちゃんがペッした、食べ残しの中に犯人居るかもってこと?」
「そうですね……傷の形状、大きさ、深さから見て……あちらに転がっている方の、ショートソードが怪しいかと。」
「執事って、そんな事まで解るんだねぇ。」
いや、普通の執事さん、たぶん解らねぇよ。
トルテアさん、マジで何者だよ。
「じゃ、叩き起こして、ちょ~っと締め上げてみるよ!ヴァルー、子供達お願いね。ラゴンド、リバスト、向こうでお仕事だよ~♪」
『承知。』
『締め上げる前に、死なぬことを願うばかりですなぁ。』
『如何にも。我等を見ただけでも、ショック死とやらをするかもしれんぞ。』
起き抜けにドラゴンのドアップが来たら、俺も悲鳴あげるかもしれない。
[ね、村に怪我してる人居るの?]
「ん…そうなんだ。」
[あの、何があったのでしょう?]
「かーちゃんが言うには、昨日、野菜売って貰えなかった冒険者が、強盗しようとして、大暴れしたって…」
「子供は、昨日御触れが出てから、ずっと家の中居させられててさ。見た訳じゃないんだ。……俺たちが出てるの、ナイショな!」
[おう!]
俺は黙っとくぜ!他の皆が言うかもだけど!
さてさて、怪我人が居るなら、放っておけないな。
『ラルフ、俺と詩音で怪我人治しに行って良い?』
『そうだな…シオンは特に気になるだろうし………この状況で、襲われる心配は無い、か。行って来い。コウメも良いぞ。』
『ありがとうございます。』
『ありがとうです。一緒に行くのです♪』
よし、詩音を咥えて、小梅と共に大きな建物へレッツゴー!
「どこ行くの?」
「おねーさん、ウルフとラビとキャットが、村入っちゃったぜー?」
「きっと、怪我人がいらっしゃると聞いて、助けに行ったのでしょう。ウサギちゃんが、回復魔法を使えますから。」
「ラビが?!」
「ねぇ、お姉さん!あのラビ、なんてモンスター?」
「種族ですか…あの子は少し特殊でして。図鑑には載っておりません。」
「へぇ~!」
………確かに…なんてモンスターだろ、コイツ…
『……そういえば、種族とか全く考えてませんでした……。』
『……エンジェルラビとか、どーよ?』
『総長さんが考えたにしては、珍しく最初から可愛いのです♪』
真っ白だし、可愛さ天使級だし、色々な意味で癒してくれる。
うん、良いじゃんエンジェルラビ。
『私は、変身しても天使ですかぁ……』
『そうだ、光の翼装備しようぜ!スクヴェイダーみたいな感じで!』
『えぇぇ…』
『ほらほらw』
『わ、解りましたよ…まだ、天使感は人間の姿で着けるより、マシそうですし。……《光の翼》!!』
バサァッと音を立てて、詩音の背に翼ができた。
ちょっと、胸からお腹にかけて当たるけど…。
『可愛いは正義!!許す!』
『あ、ありがとう、ございます?』
そんな感じで進んで行き、たどり着いた建物には、忙しそうな大人達が集まっていた。
「あら…ウルフ?!」
「きゃあっ?!あ、あっちに行きなさい!」
「おい、落ち着け。首輪してるぞ…誰かの飼い狼だ。」
「あのラビは、なんて種族だ?見たことないな…」
『怪我人、5名確認できたです。』
『えーと…《診察》!…状態異常は…発熱ですか。大きく負傷していますから、仕方のないことです。傷が膿んでいる様子は無し…感染症の心配は、無さそうですね。』
『よし、やっちまえ、詩音!折角だから、全員の疲れも取ってあげてくれ!』
『了解です!《グランド・ヒール》!!』
ぶわぁっ……!! キラキラ
『…………なんでしょう、今の。』
『魔法の光と一緒に、白い羽根が現れて舞ったな。』
『キレイなのです!』
村の人たちが、凄い此方見てる。
まあ、ウサギで有名になっても、影響はそんなに無いでしょ!
「神は…我々を見捨ててはいなかった…!」
「伝わらないだろうが、ありがとう…!」
いやいや、伝わるよ~。
コレで、村の人たちと、詳しくお話できるかな。
できれば、村長さんに、小屋を作り直す許可出してほしい。
さっきチラッと見たけど、アレ掘っ立て小屋どころか、屋根半分崩れてたぞ。
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