ビビりとモフモフの異世界道中

とある村人

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ビビりとモフモフ、冒険開始

数日ぶりの冒険者ギルド

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入街手続きをパパっと済ませて、ギルドへ向かう。
やること、色々あるなぁ。

「姉ちゃん、ナタリアさんの名前、知ってたんだね。」
「そりゃ、ギルマスの家族くらいは、把握してるよ。ちゃんと会ったのは、今日が初めてだけどね。」

そっかぁ…商売やるなら、街の有力者の家族については、覚えた方がいい、と。
将来的に、カフェ開きたいからなぁ。頑張ろー。

「レナ、そのリボン素敵じゃないの!やっとお洒落に目覚めたのね!折角なら、ソレに似合うお洋服買いに行かない?」
「べ、別に、そんなんじゃないんだけど…コレ貰い物なの。……可愛いから、頑張って結んではみたけどね。」
「へぇ…ラルフ様から?♪」
「んなわけ無いでしょっ!シオンちゃんの、身元保証人に成った人!帝国の宮廷魔術師さん!」
「あら、そうなの~?」

…ラルフが女の子に、リボン買う所とか想像できねぇ。
プレゼント買っても、お菓子だろうなぁ。

「…レナさん、そのリボンに似合いそうなお洋服、私がお作りしてもよろしいですか?」
「えっ…」
「あら、シオンちゃんお洋服作れるの?」
「はい!動きやすく、かつ可愛らしく…シンプルな丸襟シャツとパーカー…下はキュロットですね。…今御召しのニーハイと合わせれる丈にして…パーカーは少し長めに……」
「シオンちゃん…?シオンちゃん?!ミライくん、シオンちゃんが何かおかしいんだけど!」
「あ、衣装作りのスイッチ入っただけだから、気にしないで大丈夫だよ。」
「なんか、ディアナお姉ちゃんみたいw」

前世でも、結構そうなってたから。

「シャツをクリーム色…パーカーは白に近いグレーで、ワンポイントに紐の留め具をオレンジにして…キュロットもオレンジですよね~…裾からちょっとだけ、フリルが見えるようにすれば……フフフフフフ…♪」
「…ある意味、シオンは養母に似てるのかもな。」
「ロリ服オンリーじゃないのが、救いだね。」

もし、コイツの趣味が、セレスティアさんと完全合致してたら…
前世の時点で、俺の自尊心がヤバかっただろうな。絶対。

『しおちゃんは、リボンに合うお洋服、着ないですか?』
「えっ…私は良いんですよ!そもそも性別が…」
『着ないの~?ボク見た~い♪w』
「わ、若葉くん、困らせようとしてますね?」
『お姉ちゃんは、可愛いワンピース♪』
『似合うと思う♪』
『白かな~?水色~?』
「時雨ちゃん、ですから私は『お兄ちゃん』ですぅっ!」
『しおにーちゃん、かわいいの、きる?』
「着ませんっ!」
「水色の膝丈ワンピースで、首回りは白の丸襟に紺色のリボン着けて、御御脚は白タイツかな……。」
「貴方に着せますよ、未來くん…?」
 
しまった、つい願望が口から出た…!←

──────

詩音に杖で小突かれつつ、冒険者ギルドへ到着した。

「お姉ちゃん、この辺で待ってるね~。私、冒険者登録は、してないんだ。」
「あ、そうなんだ?」 
「では、急いで用事を済ませて来ますね。」

冒険者じゃないのか。でも、強いんだろうなぁ。
氷属性だし…氷って、強キャラのイメージあるよね?無い?

「おう、帰ったか。話は聞いたぜ。大変だったなぁ。」
「皆さん、お帰りなさい。先日の報酬は、そのままお取り置きしてありますよ。どうぞ、お納めください。」
「パパ、ただいま!ネージュ、ありがとうね!」
「ただいま。悪いな、ネージュ…仕事増やして。」
「いえいえ、お気になさらず。」
「ただいま~♪急に出掛けてごめんね。」
「ご心配、お掛けしました。」
「おう。…しっかし…お前ら、また増えてんな。」
「クラウドホエール1体ですね。首輪は尻尾にですか…そちらが本体で、お間違えありませんか?」
「はい。名前は時雨ちゃんです。登録、お願いします。」
『シグレだよ~♪』
「はい、承りました。シグレちゃん、ネージュです。よろしくお願いしますね。」
『よろしく~♪』

よし。報酬受け取って、時雨の登録もした。
今日はクエスト受ける予定無いし…次は貸し馬車屋さんかな。

「ねぇねぇ、貴方!レナがリボン着けてるのよ~♪可愛いわよね?ね?」
「ぁあ?お、俺に聞くんじゃねぇよ、レナは元から可愛いだろ。お前似だからよぉ。」
「やだもうっ!♪」

バッシィーンッ!!

「イデッ?!」
「貴方ったらぁ~♪そんな事言っても、今夜もお酒は一杯だけよ~♪」

…背中バッシィーンッて…スゲー良い音したな。
ナタリアさん、専業主婦なんだよね?

「レナは、このまま両親と居るか?」
「そうしよっかな。…心配させちゃったし、ママと商業ギルド、行ってくるわ。」
「可愛い服、あるといいね。」
「……シオンちゃんのも、できたら着てみていい?」
「勿論です!」

お、それは楽しみ。
可愛い女の子が可愛い服着たら、そりゃもう最高に可愛いだろうねぇ。

「そんじゃ、行こっか~。」
「待てミライ!後で、コレ持って商業ギルド行け。例のクエストの概要と、お前の料理人としての腕を保証するモンが入ってる。」
「おお、ありがと!やっぱり登録要るんだ?」

封筒、ぶ厚いなぁ。

「ああ。向こうのギルマスにも相談してな。…そういや、お前の名前挙げた途端、アイツ目の色変わったんだが……何やらかした?」
「……ライスかも。」
「……あー…アイツが大騒ぎしてたアレ、お前か。」

デイヴィー兄ちゃん…売るとき、俺の名前出したね……?
うわーーー、レシピについて滅茶苦茶聞かれそうーーー。
まだ領主様に渡してないよ…!

「貴方達も、商業ギルドにご用なの?なら、お互い用事が終わったら、一緒に淡雪行かない?」
「行く!」
「ご一緒して、よろしいんですか?」
「ええ♪色々お話、聞かせてね♪ラルフ様も、如何ですか?」
「そうだな…1度屋敷へ戻ってからで良いなら。」
「よし、決まりだな!」

…あ、そうだ。
ラルフ先に屋敷戻るなら、レシピ今コピーして、持って行ってもらえば良いじゃん。

「詩音、コピー機出して。」
「はい。レシピもですよね?」
「うん。」
「待て、ここで使うつもりか…?」
「ん、不味い?」
「不味い。今は人が少ないが、全く居ない訳じゃないだろ。レオンさん、2階の1部屋を少し借りても?」
「おう、いいぞ。」

そっか、コレお城でしか使ってないんだった!
……テントに置きっぱ、とかの方が良いかなぁ?
兎に角、今はお部屋借りるね~!
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