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ビビりとモフモフ、冒険開始

お料理教室開始

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いやー、皆ステータス上がりに上がってまぁ…
こんなに急ぐこと無いのにね。
それもこれも、RPGの如く、次から次へと問題起こるのが悪い。

「あの、思ったんですけど未來くん。」
「ん?」
「正に、私達が色々巻き込まれる原因、ソレなんじゃないですかね…?」
「…その心は?」
「未來くんの、この世界に対するイメージですよ。モンスターが出て、魔法が使えて…しかも、未來くん最初の方はVRのRPG感覚でしたよね?」
「……つまり、俺が『ゲームみてぇ』と思ってたのが原因で…」
「未來くんの運によって、より『ゲームの主人公を取り巻く環境』に近く成っていたのではないかと。」

ナンテコッタパンナコッタ・フ●ゴ。

「うわ、ごめん。気を付けるわ。」
「い、いえ!そのお陰で、こんなに賑やかなパーティーに成ったんだと、思いますし!」
「ミライ…」
「ん、どしたラルフ?」
「……ディーヴェルトでは、他人のタンスを漁ったり、道端の樽や壺を破壊してはいけないからな?」
「と言うか、勝手に人のお家入ったら、余程の理由が無い限り、犯罪だからね?」
「ソコはわかるよ?!」

よっぽど衝撃的だったんだな、アレ。

「そーだ、ステータス見て思ったけど、詩音。空間転移はよ。迷子対策はよ。」
「ぅ…5日前にも、同じ事言われた気がします……」
「空間転移、覚えたいのかい?」
「いやー、コイツ今日までなんで迷子に成ってないのか、不思議なくらいの方向音痴で。」
「…確かに、宿へ送った日…果実水を買った直後、真逆へ行こうとしたな。」

あ、やっぱり未然に防いでくれたんだね。
ありがとう2人とも。

「そうかそうか!ならボクが教えてあげるよ、白百合シオンちゃん♪」
「「出たぁああああっ?!」」
「なんだい?ボクをまるで、ゴースト種みたいに。…おや、フカフカくん。随分と可愛らしく成って…ぬいぐるみ達が良く似合ってるじゃないか♪そうだ、君達折角だから、そこのクローゼットにある可愛いお洋服でも…」
「逃げるぞっ!!」
「はははははいぃっ!!」
「お、俺も一応っ!」

着せ替え人形(しかもロリ服)は御免だ!
小梅を背中に、陽向を頭に乗せ、詩音の右手を引いて走り出す。
ぬいぐるみ吹っ飛ばしちゃったけど、詩音が《フロート》で優しく戻してくれた。
ラルフも、念のため逃げ出したらしい。賢明だね!

「そんなに、逃げること無いじゃないか。」
「レナちゃん、抵抗無くても逃げとけ!捕まったら、取っ替え引っ替え、10パターンは着せられるんで!」
「えっ…」
「邪魔する気かい?愛弟カワイイオトウトよ。」
「俺も子供時分、さんっざん、着せ替え人形にされたんでねぇ…!これ以上アンタの被害者増やしたくないんですよっ!!」

ビルムさんにまで着せてたのかよっ!
つか、少なくとも10パターンって…!
レナさん、今すぐ逃げろ!

「うーん、金盞花きんせんかちゃんにも、勿論着てもらいたいけど……本命はやっぱり…」

お?セレスティアさんの気配消えt

「一番似合いそうな、白百合ちゃんかな♪」
「ひゃぁあああっ?!」
「おわっ?!」
「ま、待てミライ引くなっ!!」

セレスティアさんが詩音に抱き付いたせいで、手を繋いでた俺は後ろに引かれる。
咄嗟にラルフの手を掴んでしまった。
どっかで見た構図だなおいっ!

「み、未來くん離さないでくださいっ!!1人は嫌ですっ!!」
「いや、『私に構わず行って下さい』って言ってくれよ!!お前は兎も角、俺は無理あるだろっ!!」
「2人とも、俺に構わず逝ってくれ…っ!!」
「ふざけんな、お前も道連れだぁああっ!!ってか、ラルフに銀●見せたっけ…?!」

ぐぬぬ、流石神様…!
魔法職系なのに、力すげぇ…!

「姉さん!!こんな事で、空間神の本領発揮せんでくださいっ!一旦落ち着いて!男の子にあの可愛い服は拷問ですって!」

おお!ビルムさんが捕まえてくれた!
よっしゃ、逃げろぉ~っ!!

「拷問って程かい?そりゃ、今の君に着せたら、誰も幸せに成らないだろうけど。白百合ちゃんなら、着こなしてくれるさ。」
「今の俺に着せようって、発想が出るのも怖いですけどっ!着こなすかどうかより、本人の意思尊重しましょうや!!」

その通りっ!もっと言ってやって!

「セレスティアさぁーんっ!後でパンケーキ作ってあげるから諦めてぇーっ!!」
「パンケーキ?何だいソレ?」
「そうだ!姉さん甘いもん好きですよね?!ミライくん、とびきり甘くしてやってくれ!」
了解ラジャーっ!!」

よし、このまま厨房へ逃げ込めぇ!!

───────
──────

初日ぶりに地図を出して、厨房まで案内してもらった。
カーナビ式だから助かるよ!
ドアを開けて飛び込めば、お城の料理人さん達と、ヴァールフラン家長女のルゥナ姉ちゃんに、3女ティナ姉ちゃんの姿が。
これから、都民に無料で提供する、温かい食事を用意するんだって。
ディアナ姉ちゃんは、料理が壊滅的らしい。

「ここ、使っていいですからね。」
「はーい!」
「ごめんなさいね、ミライ。家の人、ミライのお料理楽しみにしてたので…。」
「いや、姉ちゃんが謝ることじゃ……家の人?」
「ルゥナお姉ちゃん、デイヴィーお兄ちゃんの奥さんなんだよ~♪」
「「「二親等の近親相姦!?」」」
『ダメなの?』
『ダメなんじゃない?』
『人間的には、ダメらしいのです。』
「あ、番になったの、ずうっと前なんです!人間達の、えーと、法律?とか無い頃でしたから!」
「と言うか、家の家族に、人間の法律適用されんの?って感じだしw」

そ、そうなんだ…?
……まあ、前世の神話とか考えると、アリ……か…?

…………うん、深く考えるのやめよ。

『使わせてもらえるですし、お礼何か作るです?』
「だね。動物入っても、いいよ~って言ってくれたくらいだし…都民に配れるようなの、作るか。」
「配るとなると、クッキーか?」
「ソレが良さそうですね!」
『お手伝いするよー!』
『おてつだいー!』
『小梅、にゃんこクッキーなら、作り方覚えてるです!』

なら、パンケーキは俺が焼くとして…小梅指導の下、皆にクッキー頼もうかな。
にゃんこクッキーは、『にゃんこでも食べれる』ってだけで、人間は食べちゃダメって事じゃないからね。

「…パンケーキ、ここの皆さんへの差し入れ分も、ちょっと焼くかな。」
『材料足りるです?』
「いざとなったら、デイヴィー兄ちゃん呼ぶよ。」

えーと、何人?姉ちゃん達含めて、22人か。
プラス、デイヴィー兄ちゃんとセレスティアさんだから、24人前……イケるイケる、店で37名様連続パンケーキ注文入ったことあったし。
新人(ドリンクしか担当したことない)と、俺以外のキッチンスタッフが、インフルでぶっ倒れた日で…全部俺が焼いたんだよな……。

「あ、未來くんコックさん服着ます?」
「いや、また今度でw着替えてる暇無いよw」

よーし、本気出しますかぁっ!!
トッピングは、リンゴのジャムで良いかな?

「あっ、ラルフ!詩音は『混ぜる』行程だけ担当させて!他の行程は、メインで頼む!」
「お、俺がか?!」

ごめん!キッチンなんて入ったこと無かったろうけど、詩音に任せるよりは安心だと思うから!
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