ビビりとモフモフの異世界道中

とある村人

文字の大きさ
上 下
129 / 249
ビビりとモフモフ、冒険開始

少年皇帝にご挨拶

しおりを挟む
黒の組織(違)を血祭りに上げると、残った兵士さん達は勝手に投降してくれた。
セレスティアさんも此方に加わった以上、逃げれない上、勝てるわけ無いと判断したようだ。
とりあえず、悪いことしてた人は拘束して、セレスティアさんの魔法で、纏めて亜空間に収監したよ。

どうやら、黒尽くめの男達は御忍びさん的な人達で、普段は城内の警備がお仕事らしい。
ただ、最近はグリンス王国の内情を探りに、出払っていたようで、ついさっき宰相さんに呼び戻されたんだってさ。
何も全員で行かなくても…そういう命令だったの?人手足りないから?
なら、しゃーないね!

『指示を出したのは、宰相さんです?』
「はい、コウメ様。宰相様の命により、総力を挙げて探っておりました。」
「魅了って怖いね。」
「くっ…皆猫好きなばっかりに……!」

黒尽くめの皆さん、現在1名を除いて小梅の魅了洗脳かかってたり。
その代わり拘束は無しで。
小梅の魅了は、猫好き程掛かりやすくて、掛かると猫の言葉が解るようになるみたいだね。
唯一掛からなかったのは、小梅の頭を叩きやがった奴だけだ。
どうやら、犬派らしい。

「…犬派…ハッ!お兄さんも、俺の魅了で虜にすれば同じように……?」
「いや、その尻尾と耳は惹かれるんだが、お前同性だろ?」
「大丈夫!男女問わず効きそうなんだよ、コレ!」

だって毛並みだし!

「ヤメロっ?!まだ未知の扉は開けたくn」

ぽふっしゅるるる…

『わんわんっ!』

とりゃー!黒い服に、肉球スタンプ押してやる!
序でに、紅い毛も着けてやれ!
ふはははは、洗濯で大変な思いをするが良いわぁー!

「…………」
『…ダメ?元気な大型犬は好みじゃなかった?』
「俺の負けだ……!」

よーしよしよし、心置きなくモフるといいさ!

「いいな。フカフカ狼くん、後でボクにも堪能させておくれ。」
『いいよ~。』
「宰相も、4分23秒173前に、取っ捕まえてるな。ラルフくん達と合流して、皇帝陛下へご挨拶と行きましょうや。」
『あっしの仕事は、終わりで良いっすね……寝るっす…zzz』
『リグルさん、お疲れ様なのです。』

皇帝陛下って、16歳なんだよね。
突然、「お宅の宰相と将軍、その他諸々しょっぴきました~」なんて言われたら、パニック起こしちゃうかな。

『急に行って、ビックリさせないです?』
「取り次ぎはボクがするよ。一応、ここの宮廷魔術師だからね。」
「我々も居ります。ご安心ください。」
「よ、よろしくお願いいたします。」

皇帝陛下、どんな子かな?
仲良く成れるといいなぁ~。

───────

そんなわけで、ラルフ達とも合流して、皇帝陛下の執務室の前で待機なう。

「いやー、ビックリしたなぁ~♪ラルフとレナさん見付けたと思ったら、手繋いでんだもんな~♪」
「もう、未來くん。からかっちゃダメですよ?」
「あ、アレはだから…レナがはぐれない様にだな……!」
「そ、そんな事しなくても、はぐれないわよっ!」
『照れなくて良いのにね~。』

ゴメンね、詳細全部、若葉に聞いてるんだw
2人に掛けられた幻術のことと、再会した時のお互いの確かめ方w
ラルフ、レナさんが本物かどうか、抱き締めて確認したんだって?よっ、色男♪

いやしかし、話ながらも、部屋の中の様子を軽く聞き耳立ててるんだけど…

「セレスティア様っ!ぼ、僕はもう子供では…!」
「ボクから見れば、まだまだ子供さ。よしよし、こんな時間までお仕事お疲れ様。」

お部屋の中で、何やらオネショタ(?)な展開が繰り広げられているような。
壁やドアが薄い訳じゃないよ。俺の狼イヤーが高性能なだけで。
とりあえず、皇帝陛下ガンバ。

「さて、陛下。ボクは一応、真面目な報告をしに来たんだ。」
「え、珍し……こほんっ、申してみよ。」
「実はね…ドアの外に刺客が4人と5体程居るのだよ。」
「えっ?!」

バターンッ!!

「ちょっ、俺やっぱり動物枠なの?!」
「姉さん、面白がって適当なこと言わんでください!」
『刺客じゃないのです!』
「しししし刺客?!ど、どどどどどどこですか?!」
「落ち着いてシオンちゃん!」
『シオンちゃん、敵居ないから大丈夫だよ!』
「っ?!だだだだr……っゴホン!!その方らは、何者だ!」

あ…えーと、こんばんは。
なんか…ゴメンね?素で話して良いんだよ?

「……ヒナタとリグルは、この騒ぎでも起きないのか。」
『くー…くー…zzz』
『zzzzzzzzzzzz……』

───────

「ほう、我が国の宮廷魔術師と、懇意の者達であったか。」
「我々影の者達も、この方々は信用に足ると保証致します。」
「うむ。本来、余の執務室へ無断で立ち入るなど言語道断ではあるが、宮廷魔術師本人と我が影達に免じて、此度は赦そう。」
「寛大な御処置を賜り、誠にありがとうございます。」
「「「ありがとうございます!」」」
『ありがとうなのです。』
『ラルフくん、難しい言葉知ってるね~。』

ラルフなんてった?
かんだいなごしょちをたまわり……?
まあたぶん、「許してくれてありがとう」的なことなんだろう。

「影の者達は退がれ。」
『皆、皇帝くんのために、お仕事頑張るのです♪』
「はっ、失礼致します。」

おお、消えた!プロの忍者すげー!

「さて…既に存じている者も居ろうが、余はブランカ帝国第七代皇帝。ジュリアス・ブランカである。その方ら、名を名乗るが良い。」
「はっ。グリンス王国より参上致しました。シルフィード伯爵家次男、ラルフ・シルフィードと申します。皇帝陛下の御尊顔を拝見させて頂き、恐悦至極にございます。」

ラルフ、こういうの馴れてんのかな。
スラスラと、よく喋れんなぁー。

「お、同じく、グリンス王国から参りました!シルフィード領ケールの冒険者ギルドマスターの娘、レナ・クリムと申します!」
「え、ええっと…」
「此方の獣人と白髪の人族は、シルフィード領の、ヒノワという小さな村に住まう者達でございます。こう見えて腕の立つ冒険者でして、我々の護衛を引き受けてもらいました。田舎者故、目に余る態度を示す事も御座いましょうが…」
「良い。公式の場では無いのだ。余をあからさまに侮辱するので無ければ、多少の不敬には目を瞑ろう。」

ラルフ馴れすぎワロタw
辺境の伯爵家って、だいぶ偉いんだっけか。
王族にも、何度もあってるのかねぇ。

「あ、ありがとうございます!魔法使いの、シオン・ユヅキと申します!」
「武闘家のミライ・ヒノワっ……です!」
[よく言えました!]
[流石にな!]
『小梅なのです♪』
『ワカバだよ!この子はヒナタくんで、そっちの蛇はリグルお兄さん!』

何とか敬語にできたぞ!
よーし、頑張った俺!

「グリンス王国、王都シュプリームにて魔導技師をしております。ビルム・クロックオーグです。」
「…その方。余を覚えておるか?」
「ええ、勿論。お久しゅうございます。ご立派に成られまして。」
「立派になど、成っておらぬ。父が貶めた帝国の威光を取り戻すどころか、更に悪化させる無能な皇帝を嗤うがよい。」
「本気で頑張っていらっしゃる方を嗤うなど、到底出来ることではございません。」

何々、ビルムさん知り合い?

「自己紹介もしたところで…陛下、本題に入って良いかい?」
「うむ、赦す。」
「この子達がね。我らが帝国を裏切り、陛下を惑わせて滅びの道を選ばせようとした、大罪人達を取り抑えたんだ。」

ショック受けちゃうかな…?
親代わりの宰相さんに、頼りにしてた将軍だもんなぁ。
でも、言わないわけには行かないし…心を鬼にするしかない、か。
しおりを挟む
感想 497

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!

京衛武百十
ファンタジー
異世界で何で魔法がやたら発展してるのか、よく分かったわよ。 戦争の為?。違う違う、トイレよトイレ!。魔法があるから、地球の中世ヨーロッパみたいなトイレ事情にならずに済んだらしいのよ。 で、偶然現地で見付けた微生物とそれを操る魔法によって、私、宿角花梨(すくすみかりん)は、立身出世を計ることになったのだった。

【完結】妃が毒を盛っている。

井上 佳
ファンタジー
2年前から病床に臥しているハイディルベルクの王には、息子が2人いる。 王妃フリーデの息子で第一王子のジークムント。 側妃ガブリエレの息子で第二王子のハルトヴィヒ。 いま王が崩御するようなことがあれば、第一王子が玉座につくことになるのは間違いないだろう。 貴族が集まって出る一番の話題は、王の後継者を推測することだった―― 見舞いに来たエルメンヒルデ・シュティルナー侯爵令嬢。 「エルメンヒルデか……。」 「はい。お側に寄っても?」 「ああ、おいで。」 彼女の行動が、出会いが、全てを解決に導く――。 この優しい王の、原因不明の病気とはいったい……? ※オリジナルファンタジー第1作目カムバックイェイ!! ※妖精王チートですので細かいことは気にしない。 ※隣国の王子はテンプレですよね。 ※イチオシは護衛たちとの気安いやり取り ※最後のほうにざまぁがあるようなないような ※敬語尊敬語滅茶苦茶御免!(なさい) ※他サイトでは佳(ケイ)+苗字で掲載中 ※完結保証……保障と保証がわからない! 2022.11.26 18:30 完結しました。 お付き合いいただきありがとうございました!

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。 これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。 それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

処理中です...