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オマケ集
6月の第3日曜日
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雨空の月、3回目の太陽の日。
前世で言うと6月の第3日曜日。
この世界に、父の日なんてもんは存在しないらしい。
そんな行事無くても、父親は家族内で一番の権力者だからかな?
例外が超身近に居るけどね。
「そんなわけで、どうやら奥さんに弱いらしい、例外さんを労ろうと思う。」
「ディアドルフさんに贈り物なら…やっぱり、お酒でしょうか?」
「そだね。あと、お摘み作ろう。」
あれ?いつもと変わんない?
…いや、お酒買ったことは無いから、そんなことない筈だ。
お摘みも、ちょっと豪華にしよう。
「折角だから、ディアさんの好きなもの作りたいな。」
「ロゥミアさんとお子さん達に、聞き込みしてみましょうか。」
「よし、小梅ー!」
『なんですか?』
「ちょっと、ヴァールフラン家巡りしたいんだけど、空間転移してもらえる?」
『お任せなのです♪』
よし、先ずはマクベスさんからかな~。
───────
証言1 マクベスさん
「父さんの好物?……スターホエールとか、1人で1頭食べるけど…狩るならガルヴァとディアナとジェイク連れてった方が良いよ。アレをソロで狩ろうと思うの、父さんくらいだから。」
証言2 デイヴィーさん
「んー……肉なら大体喜んで食べるよ。酒は…一番好きな奴はバカみたいに高いけど、商業ギルドで普通に売ってる葡萄酒も好きだよ。」
証言3 ガルヴァさん
「親父が喜ぶモンなぁ……お前らから貰えりゃ、何でも喜ぶとは思うが…。珍しい肉料理でも作ってやれば良いんじゃねぇか?……あー、悪い。これから店の奴等の淹れ方指導あってよ、今から狩りは行けねぇ。」
証言4 ジェイクさん
「スターホエール?ガルヴァ兄さんが来れないなら、無理があるぞ…。グリフォンなら、俺が手伝うだけで狩れると思う。行くか?」
証言5 ディアナさん
「お父様にお酒とお摘みねぇ…あら、もう食材はグリフォンに決まってるのね。だったら、このお酒持って行く?ドワーフの国で作っている、葡萄の蒸留酒なのよ。ビルが隠してた奴だけど、昨日見付けたからシバき倒して取り上げたの♪」
証言6 ロゥミアさん
「ディアドルフ様が食べたことのない、お肉料理ですか……。ミライ達の故郷のお料理を、ちょっと教えて貰えますか?もしかしたら、食べたことのないモノがあるかもしれません。」
────────
てなわけで
お酒はビルムさんから提供(違)してもらい、お肉はジェイクさん協力の元グリフォンを狩ってきた。
グリフォンさんの遺言は「せめて美味な料理にしてくれ」だった。
御期待に沿えるよう、頑張るよ。
「んでもって、メニューは唐揚げに決定~♪」
「唐揚げ粉とかありませんけど、作れます…?」
「先ずはサランの油くれ。えーと、上新粉は…こないだと同じ要領で米粉作って。それとギルドにあった片栗粉混ぜればいいよ。後は、卵と料理酒,醤油,砂糖は…ビットの実でいいか。塩とニンニクと生姜も出して。」
「は、はい!」
上新粉使うと、サックサクにできるんだよ。
さあ、先ずは調味料に浸けないとね。
30分くらい浸けたら、今度は卵を絡めて15分おく。
最期に粉をよくまぶして揚げればオッケー!
『おてつだい、ダメなの?』
『今日のは、ちょっと危ないらしいです。』
「ごめんなー、詩音と待っててな!」
「あ、私もなんですね?」
うん。熱した油引っくり返されたら、たまったモンじゃねーから。
「身長おにぎり3個分~♪体重約10グラム~♪肩周り21センチメートル♪実は妖精~♪」
「……何の歌ですかそれ?」
「え、ロー●ンのからあげ●ン音頭、知らない?」
「知りません。」
あれま。
───────
「コレがその、からあげ●ンとやらか?」
「いえ、それはこの料理の、販売促進を司る妖精です。」
「ほう、面白い妖精が存在するのだな。」
「跳び跳ねる梨の妖精も居たからねぇ。この料理は、『グリフォンの唐揚げ』だよ。」
揚げ物久々だったから、ちょっと心配だったけど…俺自身食べて大丈夫だったし、小梅と詩音にもお墨付き貰ったからイケるはず!
陽向はやっぱり嫌がったけど、まあそもそも肉ダメだからね。
陽向には、かりんとうを作ってあげたよ。
「この酒はどうした…?君達の稼ぎでは、買うのは無理だと思うのだが。」
「ビルムさんの尊い犠牲によって、謙譲されたよ。」
「結局見付かったのか…ディアナは隠し事を見抜くのが上手いからな。」
『コレ、1本いくらするのです?』
「時価で…少なくとも百5十万Gはするな。」
「「百5じゅ………っ?!」」
……そんなもん買って隠してりゃ、ディアナさんも激おこになるわ。
「いただきます。…うむ、悪くない味だ。」
『おいしい?』
「ああ。しかし、今日は何の祝い事だ?」
「父の日です。家族のために頑張ってくださる、お父さんに感謝を伝える日なんですよ。」
『ディーさん、お父さん代わりなのです♪』
「てなわけで、今日は酔って俺を撫で回してもいいよ。」
「ほう、それは嬉しいな。では、遠慮無く。」
「ちょ、獣化するまで待ってってば!」
まだ素面だよね?!
ったくもー…
ぽふっ
『耳と尻尾も、まあ許してあげるよ。…今日だけだからね、おとーさん。』
「フフッwでは、今日の内に堪能させてもらおうか♪」
前世で言うと6月の第3日曜日。
この世界に、父の日なんてもんは存在しないらしい。
そんな行事無くても、父親は家族内で一番の権力者だからかな?
例外が超身近に居るけどね。
「そんなわけで、どうやら奥さんに弱いらしい、例外さんを労ろうと思う。」
「ディアドルフさんに贈り物なら…やっぱり、お酒でしょうか?」
「そだね。あと、お摘み作ろう。」
あれ?いつもと変わんない?
…いや、お酒買ったことは無いから、そんなことない筈だ。
お摘みも、ちょっと豪華にしよう。
「折角だから、ディアさんの好きなもの作りたいな。」
「ロゥミアさんとお子さん達に、聞き込みしてみましょうか。」
「よし、小梅ー!」
『なんですか?』
「ちょっと、ヴァールフラン家巡りしたいんだけど、空間転移してもらえる?」
『お任せなのです♪』
よし、先ずはマクベスさんからかな~。
───────
証言1 マクベスさん
「父さんの好物?……スターホエールとか、1人で1頭食べるけど…狩るならガルヴァとディアナとジェイク連れてった方が良いよ。アレをソロで狩ろうと思うの、父さんくらいだから。」
証言2 デイヴィーさん
「んー……肉なら大体喜んで食べるよ。酒は…一番好きな奴はバカみたいに高いけど、商業ギルドで普通に売ってる葡萄酒も好きだよ。」
証言3 ガルヴァさん
「親父が喜ぶモンなぁ……お前らから貰えりゃ、何でも喜ぶとは思うが…。珍しい肉料理でも作ってやれば良いんじゃねぇか?……あー、悪い。これから店の奴等の淹れ方指導あってよ、今から狩りは行けねぇ。」
証言4 ジェイクさん
「スターホエール?ガルヴァ兄さんが来れないなら、無理があるぞ…。グリフォンなら、俺が手伝うだけで狩れると思う。行くか?」
証言5 ディアナさん
「お父様にお酒とお摘みねぇ…あら、もう食材はグリフォンに決まってるのね。だったら、このお酒持って行く?ドワーフの国で作っている、葡萄の蒸留酒なのよ。ビルが隠してた奴だけど、昨日見付けたからシバき倒して取り上げたの♪」
証言6 ロゥミアさん
「ディアドルフ様が食べたことのない、お肉料理ですか……。ミライ達の故郷のお料理を、ちょっと教えて貰えますか?もしかしたら、食べたことのないモノがあるかもしれません。」
────────
てなわけで
お酒はビルムさんから提供(違)してもらい、お肉はジェイクさん協力の元グリフォンを狩ってきた。
グリフォンさんの遺言は「せめて美味な料理にしてくれ」だった。
御期待に沿えるよう、頑張るよ。
「んでもって、メニューは唐揚げに決定~♪」
「唐揚げ粉とかありませんけど、作れます…?」
「先ずはサランの油くれ。えーと、上新粉は…こないだと同じ要領で米粉作って。それとギルドにあった片栗粉混ぜればいいよ。後は、卵と料理酒,醤油,砂糖は…ビットの実でいいか。塩とニンニクと生姜も出して。」
「は、はい!」
上新粉使うと、サックサクにできるんだよ。
さあ、先ずは調味料に浸けないとね。
30分くらい浸けたら、今度は卵を絡めて15分おく。
最期に粉をよくまぶして揚げればオッケー!
『おてつだい、ダメなの?』
『今日のは、ちょっと危ないらしいです。』
「ごめんなー、詩音と待っててな!」
「あ、私もなんですね?」
うん。熱した油引っくり返されたら、たまったモンじゃねーから。
「身長おにぎり3個分~♪体重約10グラム~♪肩周り21センチメートル♪実は妖精~♪」
「……何の歌ですかそれ?」
「え、ロー●ンのからあげ●ン音頭、知らない?」
「知りません。」
あれま。
───────
「コレがその、からあげ●ンとやらか?」
「いえ、それはこの料理の、販売促進を司る妖精です。」
「ほう、面白い妖精が存在するのだな。」
「跳び跳ねる梨の妖精も居たからねぇ。この料理は、『グリフォンの唐揚げ』だよ。」
揚げ物久々だったから、ちょっと心配だったけど…俺自身食べて大丈夫だったし、小梅と詩音にもお墨付き貰ったからイケるはず!
陽向はやっぱり嫌がったけど、まあそもそも肉ダメだからね。
陽向には、かりんとうを作ってあげたよ。
「この酒はどうした…?君達の稼ぎでは、買うのは無理だと思うのだが。」
「ビルムさんの尊い犠牲によって、謙譲されたよ。」
「結局見付かったのか…ディアナは隠し事を見抜くのが上手いからな。」
『コレ、1本いくらするのです?』
「時価で…少なくとも百5十万Gはするな。」
「「百5じゅ………っ?!」」
……そんなもん買って隠してりゃ、ディアナさんも激おこになるわ。
「いただきます。…うむ、悪くない味だ。」
『おいしい?』
「ああ。しかし、今日は何の祝い事だ?」
「父の日です。家族のために頑張ってくださる、お父さんに感謝を伝える日なんですよ。」
『ディーさん、お父さん代わりなのです♪』
「てなわけで、今日は酔って俺を撫で回してもいいよ。」
「ほう、それは嬉しいな。では、遠慮無く。」
「ちょ、獣化するまで待ってってば!」
まだ素面だよね?!
ったくもー…
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『耳と尻尾も、まあ許してあげるよ。…今日だけだからね、おとーさん。』
「フフッwでは、今日の内に堪能させてもらおうか♪」
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