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ビビりとモフモフ、冒険開始
報告とランクアップ
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ディアさんの言動で、領主様は困らされてないんだろうか。
…さっきから、半ば諦めたような笑顔を浮かべてるの、気のせい?
「ところで、ルーファス。これから、冒険者ギルドの前で、戦利品を御披露目しようと思うのだが…ただギルドに卸すのは、正直つまらん。此度の詫びも兼ねて、貴君と商業ギルドにも、買い取りの機会を設けたいのだが…如何かな?」
「それは面白そうではあるが…生半可な品では、恥をかくだけだぞ?この辺りに、そこまでのレアモンスターは居るまい。」
「フフッ……此度の私への依頼は、未発見ダンジョンの捜索、及び攻略だ。南東の森を、立ち入り禁止にしたくなるような獲物が、わんさか居たぞ。」
南東の森って…俺と詩音が最初に目を覚ました森だ。
ダンジョンなんてあったのか。
「あの森に、ダンジョンだと?」
「因みに、最下層には…………」
ディアさんが、ラルフパパに何やら耳打ちする。
かなり驚く内容だったみたいで、ラルフパパは目を見開いた。
「ば、バカな…何故そのような、危険なダンジョンが?!」
「さてな。世界が私の退屈凌ぎに、遊び場を用意してくれたのやもしれん。まあ、それなりには楽しめたぞ。」
きっと、災害級モンスター目白押しの、RPGならクリア特典で挑めるようなダンジョンだな。
レベルカンストでも、ちゃんと対策取らないと死ぬやつだろう。
「ダンジョンなんて、あったんですね。」
「気付かなかったな。それどころじゃ無かったってのもあるけど。」
むしろ、見つけてなくて良かった。
「それが誠なら、本当に南東の森を、立ち入り禁止とするべきか……。」
「ダンジョンに近付かなければ、問題無いさ。念のため結界も張ってある。戦利品の御披露目と共に、公表してしまえ。信憑性が上がる。」
「そうさせてもらおう。」
…結界…そこまでヤバイの居たんだ…何だろう。
「そんな、危険なモンスター狩ってきたの?」
「そうだな……アレが外へ出れば、山が3つは吹き飛ぶ。」
『おやま、ボーンです?』
「山ですか?!」
「大災害じゃないの!!」
「いったい何が居たんだ……。」
マジで、何狩ったのディアさん?!
───────
「成る程、白い炎はミライの聖火か。」
「うん。表向きは、ディアさんの仕業ってなってるけど。」
「ったく、脅かしやがって。」
すんません……。
「ディアドルフ殿には、感謝しか無いな。事実が知れれば、ミライを手中に収めようと、教会が使者を寄越してくるだろう。」
『きょーかい?わるいひとです?』
「いや、悪い人って訳じゃないけどね…。」
「その辺り、ディアドルフさんは大丈夫なんですか?」
「…あの人ね、性格も有名なのよ。己の信念を曲げること無く、権力にも決して屈さず、王家にすら頭を垂れないって。」
「引き入れたって、扱いに困るだけだ。制御できんのは、奥方くらいのもんだろうよ。」
確かに、あの人が教会に属しても……
きっと、年中気ままに旅して、気まぐれに人々救って…今とやってること変わらなさそうだ。
まず、神頼みとかするのかな?しないだろうな。
…神殺しならできそうだ……シェープ様逃げて。
「…よし、ウィンドホーク3羽にテンペストホーク1羽、確かに受け取った。不測の事態にも、よく対応したな。」
「ミライが居なければ、無傷は無理だった。」
「テンペストホークに止めを刺したのも、ミライくんよ。」
「はい!あの踏みつけ蹴り、凄かったです!」
「3人が気を引いてくれたからだよ。」
『そうちょーさん、かっこよかったのです?…コウメ、おきてたかったです。』
小梅は、格好いい俺をご所望か。
……明日でも、小梅を観客にエアモンスターとの模擬戦しようかな。
「さて……ワーム種のk…ドロップ品も合わせて、1人3万Gだな。コウメには、サンドウィスプのウィスプボール10個でどうだ?」
「やったー!宿代6日分!」
「やりましたね!」
「防具新調しようかしら♪」
「たまには、剣のメンテナンスでも依頼するか。」
『うぃーぷぼーる!コウメ、だいすき なのです!』
俺も、何か買おうかな?
武器と防具は別にいいと思うけど、道具屋は見てみたいなぁ。
「それと、今回の功績で、ミライとシオンは2ランク昇格だ。個人でDランク、レナとラルフとのパーティーなら、Cランクまでの依頼を受けれるぜ。」
「わぁーい♪」
「あ、ありがとうございます!頑張ります!」
一気に2ランクアップかぁ。
やっぱ、テンペストホークが大きかったかね。
「それじゃあ、俺は他の仕事に戻るぜ。またな。」
「はーい!」
「お忙しい中、ありがとうございました。」
『またねです~。』
「換金も昇格も終わったし、ディアドルフ様の戦利品、見ていきましょ!」
「そうだな。山を3つ吹き飛ばすモンスターとやらが気になる。」
よーし、なら広場へ向かおう。
いったい何があるのやら。
──────
外の広場には、人だかりができていた。
中心でネージュさんが鑑定をし、その様子を知らないお姉さんと、領主様、ディアさんが見ている。
「それでは、キメラフェニックスの翼は、商業ギルドが1枚8万Gで、買い取らせていただきます。」
「肉はシルフィード伯爵家が、1キロ5万Gで買い取ろう。」
「爪と火炎玉は冒険者ギルドが、爪1本3万G、火炎玉1つ5万Gで買い取らせていただきます。」
「うむ。」
わ、なんだアレ!
真っ赤な鳥の翼だ…綺麗だなぁ。
…爪1本で、俺の今日の稼ぎと同額か……レベルが違ぇ。
「父上、どのような品を購入されたのです?」
「おお、ラルフ。主に食用となる物だ。近頃想定外の事件が続いているからな。緊急事態でも領民を飢えさせぬため、貯蔵庫に少しでも蓄えたい。」
「流石です、ルーファス様!」
ルーファスさんは、いい領主様だね。
暫く、どんなんが出るのか見てよっと。
「ドラゴンのドロップとかあるかな?」
「ありそうですね。」
厄日だと思ってたけど、貴重な物が沢山見れるなら、有りかもしれない。
…さっきから、半ば諦めたような笑顔を浮かべてるの、気のせい?
「ところで、ルーファス。これから、冒険者ギルドの前で、戦利品を御披露目しようと思うのだが…ただギルドに卸すのは、正直つまらん。此度の詫びも兼ねて、貴君と商業ギルドにも、買い取りの機会を設けたいのだが…如何かな?」
「それは面白そうではあるが…生半可な品では、恥をかくだけだぞ?この辺りに、そこまでのレアモンスターは居るまい。」
「フフッ……此度の私への依頼は、未発見ダンジョンの捜索、及び攻略だ。南東の森を、立ち入り禁止にしたくなるような獲物が、わんさか居たぞ。」
南東の森って…俺と詩音が最初に目を覚ました森だ。
ダンジョンなんてあったのか。
「あの森に、ダンジョンだと?」
「因みに、最下層には…………」
ディアさんが、ラルフパパに何やら耳打ちする。
かなり驚く内容だったみたいで、ラルフパパは目を見開いた。
「ば、バカな…何故そのような、危険なダンジョンが?!」
「さてな。世界が私の退屈凌ぎに、遊び場を用意してくれたのやもしれん。まあ、それなりには楽しめたぞ。」
きっと、災害級モンスター目白押しの、RPGならクリア特典で挑めるようなダンジョンだな。
レベルカンストでも、ちゃんと対策取らないと死ぬやつだろう。
「ダンジョンなんて、あったんですね。」
「気付かなかったな。それどころじゃ無かったってのもあるけど。」
むしろ、見つけてなくて良かった。
「それが誠なら、本当に南東の森を、立ち入り禁止とするべきか……。」
「ダンジョンに近付かなければ、問題無いさ。念のため結界も張ってある。戦利品の御披露目と共に、公表してしまえ。信憑性が上がる。」
「そうさせてもらおう。」
…結界…そこまでヤバイの居たんだ…何だろう。
「そんな、危険なモンスター狩ってきたの?」
「そうだな……アレが外へ出れば、山が3つは吹き飛ぶ。」
『おやま、ボーンです?』
「山ですか?!」
「大災害じゃないの!!」
「いったい何が居たんだ……。」
マジで、何狩ったのディアさん?!
───────
「成る程、白い炎はミライの聖火か。」
「うん。表向きは、ディアさんの仕業ってなってるけど。」
「ったく、脅かしやがって。」
すんません……。
「ディアドルフ殿には、感謝しか無いな。事実が知れれば、ミライを手中に収めようと、教会が使者を寄越してくるだろう。」
『きょーかい?わるいひとです?』
「いや、悪い人って訳じゃないけどね…。」
「その辺り、ディアドルフさんは大丈夫なんですか?」
「…あの人ね、性格も有名なのよ。己の信念を曲げること無く、権力にも決して屈さず、王家にすら頭を垂れないって。」
「引き入れたって、扱いに困るだけだ。制御できんのは、奥方くらいのもんだろうよ。」
確かに、あの人が教会に属しても……
きっと、年中気ままに旅して、気まぐれに人々救って…今とやってること変わらなさそうだ。
まず、神頼みとかするのかな?しないだろうな。
…神殺しならできそうだ……シェープ様逃げて。
「…よし、ウィンドホーク3羽にテンペストホーク1羽、確かに受け取った。不測の事態にも、よく対応したな。」
「ミライが居なければ、無傷は無理だった。」
「テンペストホークに止めを刺したのも、ミライくんよ。」
「はい!あの踏みつけ蹴り、凄かったです!」
「3人が気を引いてくれたからだよ。」
『そうちょーさん、かっこよかったのです?…コウメ、おきてたかったです。』
小梅は、格好いい俺をご所望か。
……明日でも、小梅を観客にエアモンスターとの模擬戦しようかな。
「さて……ワーム種のk…ドロップ品も合わせて、1人3万Gだな。コウメには、サンドウィスプのウィスプボール10個でどうだ?」
「やったー!宿代6日分!」
「やりましたね!」
「防具新調しようかしら♪」
「たまには、剣のメンテナンスでも依頼するか。」
『うぃーぷぼーる!コウメ、だいすき なのです!』
俺も、何か買おうかな?
武器と防具は別にいいと思うけど、道具屋は見てみたいなぁ。
「それと、今回の功績で、ミライとシオンは2ランク昇格だ。個人でDランク、レナとラルフとのパーティーなら、Cランクまでの依頼を受けれるぜ。」
「わぁーい♪」
「あ、ありがとうございます!頑張ります!」
一気に2ランクアップかぁ。
やっぱ、テンペストホークが大きかったかね。
「それじゃあ、俺は他の仕事に戻るぜ。またな。」
「はーい!」
「お忙しい中、ありがとうございました。」
『またねです~。』
「換金も昇格も終わったし、ディアドルフ様の戦利品、見ていきましょ!」
「そうだな。山を3つ吹き飛ばすモンスターとやらが気になる。」
よーし、なら広場へ向かおう。
いったい何があるのやら。
──────
外の広場には、人だかりができていた。
中心でネージュさんが鑑定をし、その様子を知らないお姉さんと、領主様、ディアさんが見ている。
「それでは、キメラフェニックスの翼は、商業ギルドが1枚8万Gで、買い取らせていただきます。」
「肉はシルフィード伯爵家が、1キロ5万Gで買い取ろう。」
「爪と火炎玉は冒険者ギルドが、爪1本3万G、火炎玉1つ5万Gで買い取らせていただきます。」
「うむ。」
わ、なんだアレ!
真っ赤な鳥の翼だ…綺麗だなぁ。
…爪1本で、俺の今日の稼ぎと同額か……レベルが違ぇ。
「父上、どのような品を購入されたのです?」
「おお、ラルフ。主に食用となる物だ。近頃想定外の事件が続いているからな。緊急事態でも領民を飢えさせぬため、貯蔵庫に少しでも蓄えたい。」
「流石です、ルーファス様!」
ルーファスさんは、いい領主様だね。
暫く、どんなんが出るのか見てよっと。
「ドラゴンのドロップとかあるかな?」
「ありそうですね。」
厄日だと思ってたけど、貴重な物が沢山見れるなら、有りかもしれない。
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