87 / 249
ビビりとモフモフ、冒険開始
屋根の上の散歩道
しおりを挟むその後、屋敷の大体の構造とか、ピザの生活ぶり,屋敷に勤めてる人々について、ある程度情報が得られた。
屋敷はそこまで広くなくて、使用人は執事さんとメイド長さんと、エマちゃん,カリーナさん,門番1人,料理人1人。
どうも、しきょー様にはお姉さんがいるようで、その人が派手な調度品とかドレス買い漁ってるらしい。
カリーナさん曰く『成金趣味』とのこと。
食事はしきょー様とお姉さんが肉中心。
使用人達は野菜中心なんだって。
体型の差が凄そうだ。
驚くべきは、殆どの使用人が1年前に雇われていたこと。
それより前から居たのは、執事さんだけなんだってさ。
いつから屋敷に住み始めたのかは、誰にも聞いたことないんだと。
知ってる使用人は、執事さんくらいだろうね。
シスター曰く、3年前は間違い無く教会で暮らしてたらしい。
今の屋敷は、裕福な商人とかが多く住んでる辺りにあるそうな。
んで、今俺は何をしてるかというと
『おお~、日向ぼっこにいいな此所。』
『お昼寝にも、お薦めなのです♪』
『あー……でも今寝たら、大騒ぎになるか、屋根に穴空けるか、屋根から落ちるかだな…。』
会議も一段落したとこで、小梅とデート再開である。
オススメスポット、紹介してもらう約束だったしね。
現在地は、教会の屋根の上だ。
陽射しが良い感じで、寝そうになる。
小梅同伴なら、その辺の木にエレベーターの役割をしてもらえるから、狼のままで登れたよ。
擬人化すれば、自力でも登れるかな。
『オススメはココと、商業ギルドの屋根と、猫鍋亭の屋根なのです♪』
『へぇ~。確かに、こっから見ても陽当たり良さそうだもんなぁ。』
『行ってみるです?』
『そうだね。行ってみたい。』
『案内するのです♪』
そう言うと、小梅はピョーンと教会の屋根から、すぐ隣の孤児院の屋根へ飛び降りた。
2階建ての教会に対し、孤児院は平屋だ。
それなりに高さがある。
しっかり着地してる辺り、流石猫だなぁ。
擬人化してたら拍手を贈るところだよ。
……いやいやいや、そんなキラキラした眼で見上げられても、俺が同じルート通ることはできないからね?
孤児院の屋根、破壊するのがオチだって!
『総長さん、大丈夫です!小梅がちゃんと受け止めるです!』
『えぇぇ…』
す、砂が…巨大な手の形状になって、待ち構えとる…!
ゼ●伝のボンゴボ●ゴとか、カー●ィのワムバムロ●クを思い出すな…捕まったらゴリゴリHP減るアレっぽい。
…いや、砂でそれやられるなら、NARU●Oの砂●柩からの砂漠●葬か……?
『んじゃ、頼むよ。器物損壊はしたくないから。』
『お任せなのです!』
『あと、俺を砂でプチってしないでね?』
『しないですから、早くですー。』
んじゃ、疾風の腕輪の力も借りつつ…
『無限の彼方へー!さあ行くぞー!』
飛んでいるのではない、落ちているのだ!
詩音に付き合って見た映画だけど、部分的に覚えてるもんだ。
……あ、顔面から落ちるの、まずったかm
ズボーッ
『っ……!~~~っ!』
ギリギリ目は閉じたけど…か、顔と前肢が砂に埋まって…!
苦しい!助けて!砂退けてー!
辛うじて、後肢がジタバタできるけど、意味がない!
ちょ、コレ死ぬ…!
『ぷはぁっ!!』
『大丈夫です?』
『な、なんとか……!』
危うく屋根の上で窒息死するとこだった…!
次から尻餅着く形で跳ぼう。
『砂まみれなのです。取ってあげるです。』
『ん、ありがとー。』
一応ブルブルもして、と。
ネコぱんちで砂ほろってくれるの、ちょっとマッサージっぽくて気持ちいい。
『ゴロゴロ~♪』
『そんなスリスリしたら、小梅に砂着いちゃうよ?』
『小梅は、砂浴び好きなので、いいのです♪』
まあ、可愛いし…小梅が良いならからいっか。
『んむ…そんなに顔着いてた?』
『砂は取れたのです。毛並み整えてあげるです♪』
『あ、じゃあ俺も、小梅の毛整えてあげるよ。』
舐めたり噛んだりだと、難しいかな?
前肢で撫でてあげよう。
『よいしょっ、痒い所とか無い?』
『大丈夫です♪』
小梅の毛、フワフワだなぁ。
絡まったりしないから、肌に当たらない程度に立てた爪が、スルっと通る。
『ん、良い感じかな。』
『ありがとうです♪』
序でにちょっと甘噛の練習を…口で挟むくらいかな?
ん…意外と違和感無くできた。
ほっぺにキスしてるようなもんなのかね。
『♪そろそろ、出発するです!』
『そだね。』
猫の道案内って、なんか良いよね。
屋根から屋根へ飛び移る度に、俺が付いて来てるか、確認してくれるのが可愛い。
しっかし、家と家の間隔狭っ!
俺の実家近辺だと、こんなに屋根続かないよ。
2件3件続いたら、道路とか庭とか畑挟んで隣ある感じだった。
『商業ギルドの屋根到着!ごめんね、俺遅い?』
『そんなことないです♪』
商業ギルドは、他の建物より高い3階建てだ。
小梅の固有スキルが無かったら、たどり着けなかったな。
『疲れたです?』
『そうでもないよ~。』
『でも、少しゆっくりするのです。小梅をモフモフして良いですよ♪』
『お、じゃあお言葉に甘えて♪』
失礼しまーす♪
まあ、さっきの毛繕いも、地味にモフってたんだけどさw
折角だから、しっかりめに堪能しようかな。
おー、小梅の方が俺より肉球ぷにぷにしてる。
『小梅、全体的に柔らかいなぁ。』
『総長さんは、ガッシリしてるです♪』
俺が大型犬サイズだと、じゃれるのに調度いいね。
人の目気にしなくていいし、此所結構いいデートスポットかも。
『暫く、此所でゴロゴロしよっか。』
『そうするです♪』
俺がその場で伏せると、ペッタリ寄り添ってくれた。
この場所でなら、転た寝しても大丈夫そうかなー。
少し昼寝したい。
『小梅、抱き枕にしていい?』
『いいですよ♪』
『ありがと~♪』
横向きに寝よう。
前肢の間に、小梅を挟んで…うん、いいなコレ。
『ふぁ~……』
『眠いです?』
『ちょっとね~……』
『小梅もお昼寝するです。』
日が落ちる前には、部屋に戻らないとなぁ。
…そういや、デイヴィーさんいつ頃来るんだろ……まあいいや、部屋に居なかったら念話くれるよね。
0
お気に入りに追加
130
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
欠損奴隷を治して高値で売りつけよう!破滅フラグしかない悪役奴隷商人は、死にたくないので回復魔法を修行します
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
主人公が転生したのは、ゲームに出てくる噛ませ犬の悪役奴隷商人だった!このままだと破滅フラグしかないから、奴隷に反乱されて八つ裂きにされてしまう!
そうだ!子供の今から回復魔法を練習して極めておけば、自分がやられたとき自分で治せるのでは?しかも奴隷にも媚びを売れるから一石二鳥だね!
なんか自分が助かるために奴隷治してるだけで感謝されるんだけどなんで!?
欠損奴隷を安く買って高値で売りつけてたらむしろ感謝されるんだけどどういうことなんだろうか!?
え!?主人公は光の勇者!?あ、俺が先に治癒魔法で回復しておきました!いや、スマン。
※この作品は現実の奴隷制を肯定する意図はありません
なろう日間週間月間1位
カクヨムブクマ14000
カクヨム週間3位
他サイトにも掲載
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる