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ビビりとモフモフ、冒険開始

屋根の上の散歩道

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その後、屋敷の大体の構造とか、ピザの生活ぶり,屋敷に勤めてる人々について、ある程度情報が得られた。

屋敷はそこまで広くなくて、使用人は執事さんとメイド長さんと、エマちゃん,カリーナさん,門番1人,料理人1人。

どうも、しきょー様にはお姉さんがいるようで、その人が派手な調度品とかドレス買い漁ってるらしい。
カリーナさん曰く『成金趣味』とのこと。

食事はしきょー様とお姉さんが肉中心。
使用人達は野菜中心なんだって。
体型の差が凄そうだ。

驚くべきは、殆どの使用人が1年前に雇われていたこと。
それより前から居たのは、執事さんだけなんだってさ。
いつから屋敷に住み始めたのかは、誰にも聞いたことないんだと。
知ってる使用人は、執事さんくらいだろうね。
シスター曰く、3年前は間違い無く教会で暮らしてたらしい。
今の屋敷は、裕福な商人とかが多く住んでる辺りにあるそうな。

んで、今俺は何をしてるかというと

『おお~、日向ぼっこにいいな此所。』
『お昼寝にも、お薦めなのです♪』
『あー……でも今寝たら、大騒ぎになるか、屋根に穴空けるか、屋根から落ちるかだな…。』

会議も一段落したとこで、小梅とデート再開である。
オススメスポット、紹介してもらう約束だったしね。

現在地は、教会の屋根の上だ。
陽射しが良い感じで、寝そうになる。
小梅同伴なら、その辺の木にエレベーターの役割をしてもらえるから、狼のままで登れたよ。
擬人化すれば、自力でも登れるかな。

『オススメはココと、商業ギルドの屋根と、猫鍋亭の屋根なのです♪』
『へぇ~。確かに、こっから見ても陽当たり良さそうだもんなぁ。』
『行ってみるです?』
『そうだね。行ってみたい。』
『案内するのです♪』

そう言うと、小梅はピョーンと教会の屋根から、すぐ隣の孤児院の屋根へ飛び降りた。
2階建ての教会に対し、孤児院は平屋だ。
それなりに高さがある。
しっかり着地してる辺り、流石猫だなぁ。
擬人化してたら拍手を贈るところだよ。

……いやいやいや、そんなキラキラした眼で見上げられても、俺が同じルート通ることはできないからね?
孤児院の屋根、破壊するのがオチだって!

『総長さん、大丈夫です!小梅がちゃんと受け止めるです!』
『えぇぇ…』

す、砂が…巨大な手の形状になって、待ち構えとる…!
ゼ●伝のボンゴボ●ゴとか、カー●ィのワムバムロ●クを思い出すな…捕まったらゴリゴリHP減るアレっぽい。
…いや、砂でそれやられるなら、NARU●Oの砂●柩からの砂漠●葬か……?

『んじゃ、頼むよ。器物損壊はしたくないから。』
『お任せなのです!』
『あと、俺を砂でプチってしないでね?』
『しないですから、早くですー。』

んじゃ、疾風の腕輪の力も借りつつ…

『無限の彼方へー!さあ行くぞー!』

飛んでいるのではない、落ちているのだ!
詩音に付き合って見た映画だけど、部分的に覚えてるもんだ。
……あ、顔面から落ちるの、まずったかm

ズボーッ

『っ……!~~~っ!』

ギリギリ目は閉じたけど…か、顔と前肢が砂に埋まって…!
苦しい!助けて!砂退けてー!
辛うじて、後肢がジタバタできるけど、意味がない!
ちょ、コレ死ぬ…!

『ぷはぁっ!!』
『大丈夫です?』
『な、なんとか……!』

危うく屋根の上で窒息死するとこだった…!
次から尻餅着く形で跳ぼう。

『砂まみれなのです。取ってあげるです。』
『ん、ありがとー。』

一応ブルブルもして、と。
ネコぱんちで砂ほろってくれるの、ちょっとマッサージっぽくて気持ちいい。

『ゴロゴロ~♪』
『そんなスリスリしたら、小梅に砂着いちゃうよ?』
『小梅は、砂浴び好きなので、いいのです♪』

まあ、可愛いし…小梅が良いならからいっか。

『んむ…そんなに顔着いてた?』
『砂は取れたのです。毛並み整えてあげるです♪』
『あ、じゃあ俺も、小梅の毛整えてあげるよ。』

舐めたり噛んだりだと、難しいかな?
前肢で撫でてあげよう。

『よいしょっ、痒い所とか無い?』
『大丈夫です♪』

小梅の毛、フワフワだなぁ。
絡まったりしないから、肌に当たらない程度に立てた爪が、スルっと通る。

『ん、良い感じかな。』
『ありがとうです♪』

序でにちょっと甘噛の練習を…口で挟むくらいかな?
ん…意外と違和感無くできた。
ほっぺにキスしてるようなもんなのかね。

『♪そろそろ、出発するです!』
『そだね。』

猫の道案内って、なんか良いよね。
屋根から屋根へ飛び移る度に、俺が付いて来てるか、確認してくれるのが可愛い。

しっかし、家と家の間隔狭っ!
俺の実家近辺だと、こんなに屋根続かないよ。
2件3件続いたら、道路とか庭とか畑挟んで隣ある感じだった。

『商業ギルドの屋根到着!ごめんね、俺遅い?』
『そんなことないです♪』

商業ギルドは、他の建物より高い3階建てだ。
小梅の固有スキルが無かったら、たどり着けなかったな。

『疲れたです?』
『そうでもないよ~。』
『でも、少しゆっくりするのです。小梅をモフモフして良いですよ♪』
『お、じゃあお言葉に甘えて♪』

失礼しまーす♪
まあ、さっきの毛繕いも、地味にモフってたんだけどさw
折角だから、しっかりめに堪能しようかな。
おー、小梅の方が俺より肉球ぷにぷにしてる。

『小梅、全体的に柔らかいなぁ。』
『総長さんは、ガッシリしてるです♪』
 
俺が大型犬サイズだと、じゃれるのに調度いいね。
人の目気にしなくていいし、此所結構いいデートスポットかも。

『暫く、此所でゴロゴロしよっか。』
『そうするです♪』

俺がその場で伏せると、ペッタリ寄り添ってくれた。
この場所でなら、転た寝しても大丈夫そうかなー。
少し昼寝したい。

『小梅、抱き枕にしていい?』
『いいですよ♪』
『ありがと~♪』

横向きに寝よう。
前肢の間に、小梅を挟んで…うん、いいなコレ。

『ふぁ~……』
『眠いです?』
『ちょっとね~……』
『小梅もお昼寝するです。』

日が落ちる前には、部屋に戻らないとなぁ。
…そういや、デイヴィーさんいつ頃来るんだろ……まあいいや、部屋に居なかったら念話くれるよね。
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