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ビビりとモフモフ、冒険開始
とりあえず出発
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詩音の神の手により、リラックス状態にされてしまった全身の筋肉へ渇を入れる。
立つのも大変ってどういうことさ…
獣特効テイム術にされてただけはある。
[詩音、加減を覚えようか。]
「えっと、強すぎましたか…?」
[いや、むしろ気持ちよすぎる。]
「えっ、気持ちいいなら、良かったんじゃ…」
[ここまで全身解すのは、宿とかテントの中でにしてよってことね。動きたくなくなっちゃうから。寝る前が一番嬉しいかなぁ。]
「わ、わかりました。すみません……」
[いや、謝ることでもないんだけどね。次からそうしてよ。]
寝る前にやってくれるなら、両手を挙げて喜ぶよ俺。
今の姿なら、報酬として尻尾ふりながら顔舐めるくらいするよ。本当に気持ちいいから。
……いや、やっぱ顔舐めるのはハードル高いわ。
[とりあえず、スキルとか練習しながら町目指そうか。地図プリーズ。]
「地図ですね。はい、どうぞ。」
おおぅ、タブレット型?!
てっきり、紙で来るかと…まあいいや。
なんで俺が受け取るかというと、詩音は地図が読めないからである。
下手に読もうとすると、確実に逆方向へ行く奇跡の方向音痴だ。
いっそ手を繋いで歩いた方がいいかな…。
でもなぁ…もう少し四足歩行に馴れておきたいしなぁ。
リード…詩音のはぐれ防止にリードが欲しい。
折角首輪だし。
この際ロープでもいいから、町に着いたら何か探そう。
[地図ってナビ付きなんだよね?]
「みたいです。」
[えーと、地図さんよ。ケールの町へ行きたいっす。]
どうなるかなー?
[目的地までのルートを表示します]
「喋りましたっ!?」
[…カーナビ?]
「で、ですかね……。似てますけど…」
[所要時間は、一般人の徒歩で1時間程です。]
[所要時間とか言い始めたよ…1時間かぁ。それよりは早く着きそうだね。]
「そうですか?私の足の遅さだと……」
[練習がてら、月之浮舟しようよ。]
「ぁあ!そうですね!そうしましょう!」
やれやれ。
……え、地図の端末浮いた……。着いてくるし。
四足歩行だと持てないから、ありがたいけど…
「ひいっ?!な、なんですか?!なんで浮くんですか?!」
とりあえず、詩音を宥めねば。
[詩音、たぶん俺が地図見るための機能だよ。]
「!な、なるほど。未來くんは擬人化しないと持てないから、ですか。」
かなり適当に理由こじつけたけど、落ち着いてくれたからいいや。
[んー……こっちか。現在地表記が三角形でよかった。]
「未來くん、少し走りますか?」
[後でね。最初はゆっくり行こう。月之浮舟もどんだけ飛ぶか解らないし。]
「わかりました。それでは……《月之浮舟》!」
フワフワと詩音が浮いた。
着地と同時に地面を軽く蹴り、ピョンッと跳ねる。
それなりの速度で上がり、ゆっくり降りてきた。
軽くでも、4メートル強は高さ出るっぽいな。
「ほっ!よっ!…凄いですよコレ!体が軽いです!」
[そかそかwあんま調子乗らないでね?]
「はい!じゃあ、軽く前進してみますね♪」
[うん。]
「せーのっ!」
詩音はピョーンッと前方へ飛び上がり、ゆっくりと
[あ]
「へ?…ぁあああ?!」
……ゆっくりと、木の枝の密集地帯に突っ込んだ。
[……ごめん、詩音。超絶ドジッ子のお前に、木々の生い茂る森で飛ぶとか無理だったな……。]
「ひぃいいい?!み、みみみ未來くん、助けてくださぁああい!!」
漫画の如く、枝に引っ掛かった詩音を降ろすため、また擬人化することになった。
─────────
「ご、ご迷惑をおかけします……。」
[いやいや。詩音軽いからなんも負担無いよ。]
結局、月之浮舟の本格的な練習は、開けた所に出るまでお預けとした。
現在、詩音は俺の背に乗っている。
詩音が小柄、かつ俺はそれなりにデカくてよかったよ。
これならリード要らないかな。
念のため、索敵しながら進んでいく。
嫌な気配は、ポツポツ点在しているみたいだ。
「なんか、アレみたいですね。私達くらいの子が、リアリティー溢れる人間サイズの蜘蛛を、剣一本で狩っていたゲーム。」
[蜘蛛……?]
「ほら、主人公がワンコになって、背中に小さい女の子乗せてたやつですよ。今の状態、似てません?」
[ああ、ゼ●伝のト●プリか。そういや、見せたことあったね。]
アレもリアルだったよなぁ……
三次元のモンスターは、アレ以上のクオリティなんだろう…ゴブリンとかでも怖いかもしれん。
っていうか、怖いだろうな。
何しろ自分のリアルライフ賭かってるんだし。
そこがゲームと決定的に違うよね。
……ん?詩音、ブツブツ何言って……
[ぐはっ?!]
い、痛い……っ!背中痛い!
なんだ?!濡れてるし冷たいし…水?!
「あっ!ご、ごごごごごめんなさい!魔法の練習すれば、魔力を籠める方法も解るかな~と……」
[それはいいよ、それはいい……でもさ、俺の上で水属性魔法練習すんのやめて?痛い。]
水かかっただけなのに、濡れた所がジンジンする。やっぱ火属性なんだね、俺。
俺のHPと魔防力でも痛いんだから、他の火属性モンスターはひとたまりもなさそう。
俺を消火しないで、頼むから。
「痛いんですか?!ええっと、どうすれば、そう、回復!《ヒール》!!」
[うー……ん、ジンジンするの消えた。]
ヒールは問題無く使えるのな。
でも、なんか寒い…体温が下がってるような気がする。
おなかも空いたなぁ。肉と炎くれー。
……炎?
今、とても自然に出てきたんだけど。
俺って炎食うの?マジ?
……属性吸収的な意味かな。
…そういえば、水は飲めるんだろうか……
飲み水でダメージ喰らったら洒落にならんぞ。
[…ん?]
「ど、どうしました?まだ痛いですか?」
[いや…なんか来てる。モンスターっぽい気配が一個。]
「えっ?!どどどどどこ?!どこです?!」
[上から来るぞ気を付けろー。]
「上?!」
[ごめん、冗談。右。]
「右?!」
気配的に、そんなヤバそうでもない。
初バトルになるかな?
お、出てきた。
……緑の小さい二足歩行な豚擬き?
『…………!!』
「っ……!!」
[ゴブリン、かな?……思ったよりはキモくないな。]
…意外と肌綺麗だな。ザラッザラしてんのかと思ってた。
『ギィイイイイイイイイイ?!』
「ぎゃぁああああああああ?!」
[うぉっ?!]
み、耳が!耳が死ぬっ!!
なんなの、どしたのこの子達?!
急にお互い叫んで何してんの?!
俺の鼓膜破れるから、やめてー!
立つのも大変ってどういうことさ…
獣特効テイム術にされてただけはある。
[詩音、加減を覚えようか。]
「えっと、強すぎましたか…?」
[いや、むしろ気持ちよすぎる。]
「えっ、気持ちいいなら、良かったんじゃ…」
[ここまで全身解すのは、宿とかテントの中でにしてよってことね。動きたくなくなっちゃうから。寝る前が一番嬉しいかなぁ。]
「わ、わかりました。すみません……」
[いや、謝ることでもないんだけどね。次からそうしてよ。]
寝る前にやってくれるなら、両手を挙げて喜ぶよ俺。
今の姿なら、報酬として尻尾ふりながら顔舐めるくらいするよ。本当に気持ちいいから。
……いや、やっぱ顔舐めるのはハードル高いわ。
[とりあえず、スキルとか練習しながら町目指そうか。地図プリーズ。]
「地図ですね。はい、どうぞ。」
おおぅ、タブレット型?!
てっきり、紙で来るかと…まあいいや。
なんで俺が受け取るかというと、詩音は地図が読めないからである。
下手に読もうとすると、確実に逆方向へ行く奇跡の方向音痴だ。
いっそ手を繋いで歩いた方がいいかな…。
でもなぁ…もう少し四足歩行に馴れておきたいしなぁ。
リード…詩音のはぐれ防止にリードが欲しい。
折角首輪だし。
この際ロープでもいいから、町に着いたら何か探そう。
[地図ってナビ付きなんだよね?]
「みたいです。」
[えーと、地図さんよ。ケールの町へ行きたいっす。]
どうなるかなー?
[目的地までのルートを表示します]
「喋りましたっ!?」
[…カーナビ?]
「で、ですかね……。似てますけど…」
[所要時間は、一般人の徒歩で1時間程です。]
[所要時間とか言い始めたよ…1時間かぁ。それよりは早く着きそうだね。]
「そうですか?私の足の遅さだと……」
[練習がてら、月之浮舟しようよ。]
「ぁあ!そうですね!そうしましょう!」
やれやれ。
……え、地図の端末浮いた……。着いてくるし。
四足歩行だと持てないから、ありがたいけど…
「ひいっ?!な、なんですか?!なんで浮くんですか?!」
とりあえず、詩音を宥めねば。
[詩音、たぶん俺が地図見るための機能だよ。]
「!な、なるほど。未來くんは擬人化しないと持てないから、ですか。」
かなり適当に理由こじつけたけど、落ち着いてくれたからいいや。
[んー……こっちか。現在地表記が三角形でよかった。]
「未來くん、少し走りますか?」
[後でね。最初はゆっくり行こう。月之浮舟もどんだけ飛ぶか解らないし。]
「わかりました。それでは……《月之浮舟》!」
フワフワと詩音が浮いた。
着地と同時に地面を軽く蹴り、ピョンッと跳ねる。
それなりの速度で上がり、ゆっくり降りてきた。
軽くでも、4メートル強は高さ出るっぽいな。
「ほっ!よっ!…凄いですよコレ!体が軽いです!」
[そかそかwあんま調子乗らないでね?]
「はい!じゃあ、軽く前進してみますね♪」
[うん。]
「せーのっ!」
詩音はピョーンッと前方へ飛び上がり、ゆっくりと
[あ]
「へ?…ぁあああ?!」
……ゆっくりと、木の枝の密集地帯に突っ込んだ。
[……ごめん、詩音。超絶ドジッ子のお前に、木々の生い茂る森で飛ぶとか無理だったな……。]
「ひぃいいい?!み、みみみ未來くん、助けてくださぁああい!!」
漫画の如く、枝に引っ掛かった詩音を降ろすため、また擬人化することになった。
─────────
「ご、ご迷惑をおかけします……。」
[いやいや。詩音軽いからなんも負担無いよ。]
結局、月之浮舟の本格的な練習は、開けた所に出るまでお預けとした。
現在、詩音は俺の背に乗っている。
詩音が小柄、かつ俺はそれなりにデカくてよかったよ。
これならリード要らないかな。
念のため、索敵しながら進んでいく。
嫌な気配は、ポツポツ点在しているみたいだ。
「なんか、アレみたいですね。私達くらいの子が、リアリティー溢れる人間サイズの蜘蛛を、剣一本で狩っていたゲーム。」
[蜘蛛……?]
「ほら、主人公がワンコになって、背中に小さい女の子乗せてたやつですよ。今の状態、似てません?」
[ああ、ゼ●伝のト●プリか。そういや、見せたことあったね。]
アレもリアルだったよなぁ……
三次元のモンスターは、アレ以上のクオリティなんだろう…ゴブリンとかでも怖いかもしれん。
っていうか、怖いだろうな。
何しろ自分のリアルライフ賭かってるんだし。
そこがゲームと決定的に違うよね。
……ん?詩音、ブツブツ何言って……
[ぐはっ?!]
い、痛い……っ!背中痛い!
なんだ?!濡れてるし冷たいし…水?!
「あっ!ご、ごごごごごめんなさい!魔法の練習すれば、魔力を籠める方法も解るかな~と……」
[それはいいよ、それはいい……でもさ、俺の上で水属性魔法練習すんのやめて?痛い。]
水かかっただけなのに、濡れた所がジンジンする。やっぱ火属性なんだね、俺。
俺のHPと魔防力でも痛いんだから、他の火属性モンスターはひとたまりもなさそう。
俺を消火しないで、頼むから。
「痛いんですか?!ええっと、どうすれば、そう、回復!《ヒール》!!」
[うー……ん、ジンジンするの消えた。]
ヒールは問題無く使えるのな。
でも、なんか寒い…体温が下がってるような気がする。
おなかも空いたなぁ。肉と炎くれー。
……炎?
今、とても自然に出てきたんだけど。
俺って炎食うの?マジ?
……属性吸収的な意味かな。
…そういえば、水は飲めるんだろうか……
飲み水でダメージ喰らったら洒落にならんぞ。
[…ん?]
「ど、どうしました?まだ痛いですか?」
[いや…なんか来てる。モンスターっぽい気配が一個。]
「えっ?!どどどどどこ?!どこです?!」
[上から来るぞ気を付けろー。]
「上?!」
[ごめん、冗談。右。]
「右?!」
気配的に、そんなヤバそうでもない。
初バトルになるかな?
お、出てきた。
……緑の小さい二足歩行な豚擬き?
『…………!!』
「っ……!!」
[ゴブリン、かな?……思ったよりはキモくないな。]
…意外と肌綺麗だな。ザラッザラしてんのかと思ってた。
『ギィイイイイイイイイイ?!』
「ぎゃぁああああああああ?!」
[うぉっ?!]
み、耳が!耳が死ぬっ!!
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急にお互い叫んで何してんの?!
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