魔王様は人間と仲良くしたい

 遥か昔、人間と魔族の間で起こった歴史的大戦。

 人々は「人魔大戦」と呼び今でも当時のことは物語として語られている。

 戦いのきっかけは人族が魔界に侵攻したことだった。

 当時、人族は高い文明を手に入れ強力な武器や兵器を大量に作ることに成功した。その結果、力を手に入れた人族の欲望は大きくなり、遂に領土を狙い魔族との戦いに進展したのである。

 戦いは苛烈を極め、双方に多大な被害を与えた。

 当時魔界を治めていた4代目魔王・アモンは魔界の危機を察し、人族との共存を望み、人族の王達との会談を行い不可侵条約を結んだ。

 それから300年の月日が経ち、魔界は6代目魔王・ベリロウェルが支配していた。ベリロウェルは祖父・アモンを尊敬し、自らも人族との共存を願う。

 しかし大陸では未だに人族と魔族の間では確執があり、名目上は友好関係を築いているものの実際のところ仲は良くない。

 果たしてこの世界で人間と魔族が手を取り合える世の中はできるのだろうか。
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