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コーヒーの水たまりができていると思ったら俺の手がこぼしていた。だって目の前の王子様が突然変なことを言ったから。
「大丈夫?」
高比良さんが心配そうに俺を見ている。心配なのは俺の方だった。自分が何を言ったのかわかっているんだろうか。
「…………」
高比良さんがまたボーッと天井のファンを見つめた。
「ずっと社長から見合いをしつこく勧められてて、見合いで初めて会った千紗は家柄に合わない相手との交際を家族に反対されてて、それならちょうどいいと思ったんだ」
「…………」
ちょうどいいと思った?
「これで誰からも見合いを勧められなくなるし、千紗は好きな人と会い続けることができるし」
「…………」
「全てが順調だと思ってた。でも君が退社してしまってから狂い出したんだ」
何を言ってるんだろう。あれだけ大勢の人が祝福してくれた結婚式だったのに。
「それで千紗が妊娠して、もう嘘をつけなくなってしまった」
「…………」
「千紗は離婚を自分の不貞のせいにしてくれた」
何を言ってるんだ。
「偶然再会してみてわかったんだ。僕は君のことが好きだったんだ」
「…………」
苦手なコーヒーはなかなか体内に入ってくれなかったけど、なんとか飲み切った。
でも高比良さんの言い分の方は全く飲み込めなかった。どうしてあんなに大勢の人を騙してまで結婚したのか。どうして俺はあんなに泣いたのか。
自分の分のお金を置いて席を立つことにした。
店を出て歩いていると、濡れたアスファルトで滑って思い切り転び、植え込みの角で頭を打った。
「大丈夫っ!?」
「…………」
後ろから来ていた高比良さんが驚いて手を差し伸べてくれたが、恥ずかしくてその手を遮って立ち上がった。
「病院に行こう」
「大丈夫です。帰ります」
タクシーを見つけて停めたけど全く痛みはなかった。
……こんなポンコツを高比良さんが好きだなんておかしい。現実だと信じてはいけない。帰って早く漫画を描こう。俺の脈略のない漫画の方がまだ現実味がある。
「心配だから一緒に乗るよ」
「大丈夫です」
高比良さんの手を押しのけシートに座ると、こめかみから血が流れていることに気がついた。眼鏡も歪んでいる。だから高比良さんが青ざめているのか。
「すみません。一番近い病院に行ってください」
運転手にそう言うと、ドアが閉まった。
なかなか止まらない血を袖で押さえながら高比良さんへの気持ちが冷めていくのを感じていた。
あの人は嘘つきで意気地のない人だ。
木島の言う通り、見た目の良さだけで世を渡ってきた人だ。大勢の人を騙した人だ。
……どうして三年前に言ってくれなかったんだ。
「…………」
こんなにも心が静まり返ったのは、高比良さんに再会してからは初めてだった。
だから恋なんて嫌いだ。思い通りにならないから。今さらこんな展開にされたって困る。俺は主人公じゃないからどうしたらいいかわからないのに。
「高比良さん仕事復帰したぞ」
「…………」
久しぶりに会った木島は、体が一回り大きくなっていた。木島が俺のこめかみのガーゼを気にしたのは一瞬のことで、すぐに高い肉を注文して豪快に焼きだした。
保険屋なんて体力バカで鋼のメンタルがなきゃ勤まらないんだ。身を以て体験したことなのに、どうして高比良さんだけは違うと思ってしまったのか。俺よりもずっと長く働いている人なのに。
嘘で結婚なんて俺には絶対にできない。
「いつ元奥さんが飛び込んで来るんだってみんなで楽しみにしてるんだけどな」
「…………」
機嫌よさそうに肉をひっくり返していた木島が突然俺の顔をトングで指した。
「お前、高比良さんのことなんか知ってるな? 話せよ」
「…………」
まだ高比良さんのことがよくわからない。あの見た目だけが好きで、中身なんて全く見てなかったのか。どうして高比良さんがそういう人だって気が付かなかったのか。
もう好きかどうかわからないのに、それでも高比良さんのことを考えると、なぜか涙が出た。
「大丈夫か?」
おしぼりを両目に当てていると、木島に箸で頭をつつかれた。
「泣いてるのか?」
あの日ラーメンなんか食べに行かずに家にいれば良かった。外に出ずに漫画だけ描いていれば現実なんて知らずにすんだのに。
「高比良さんに振られたのか? よく勇気出せたな」
「…………」
「誰か紹介しようか」
「…………」
このまま何もしなければ高比良さんとは二度と会わないでいられる。どうしてか俺が高比良さんを振ったことになっている。俺も高比良さんを騙したままだ。
嘘つきで意気地がないから嫌いになったと思っていたのに、今は高比良さんに会いたかった。
また一緒にご飯が食べたい。
今さら高比良さんが俺を好きだったことに、嬉しさが込み上げてきたなんて馬鹿みたいだ。もう二度と恋なんてしないと決めていたのに。
何度もコールしても出ない高比良さんはやっぱり意気地なしだった。出るまでかけてやろうと思っていると、ようやく高比良さんが電話に出た。
「今どこにいますか?」
『家だよ』
俺はどうしようもない人間だ。
恋なんて二度としないと思っていたのに結局は抑えられないでいる。
「今から行くので住所を教えてください」
電話を切ってすぐに住所が送られてきた。
タクシーに住所を告げて高比良さんのマンションに向かった。
高比良さんは開いたドアの隙間から俺の顔を見て驚いた顔をした。
「怪我大丈夫?」
「ちょっと縫っただけです」
十針縫った。あのあと切ったこめかみと打った頭部に猛烈な痛みがきてヤバかった。でもそんなことは今はどうでも良い。
ドアの隙間に手を入れ、高比良さんの首に腕を回して、初めてのキスをした。
「…………」
仰け反る高比良さんの首をロックしてキスを続けた。高比良さんの唇はやわらかくて、俺の描く絵とは全く違う感触だった。
俺のキャラクターたちがなぜキスをしたがるのかよくわかってしまった。
ドアが後ろで閉まり、高比良さんの手が背中に回り、高比良さんを壁に押し付けながらキスを続けた。何度も描いてきたくせに初体験のキスは、唇を押し付けることしかできなかった。童貞キャラそのものだ。
息が続かず唇を離すと、高比良さんに腕を掴まれた。至近距離で見下されると、恥ずかしさが込み上げてきた。
「……俺が、どれだけ高比良さんの結婚に、傷ついたかわかります?」
「…………」
こんな話を本人にする日が来るとは思わなかった。
「高比良さんが結婚したから会社辞めたんですよ?」
まさか高比良さんが俺を好きだなんて夢にも思わなかったから。ただしんどい毎日の中で唯一の希望の人だった。まさかそれ以上があるなんて思いもしなかったから。
「……ごめんね」
高比良さんの肩に顔を寄せて抱きつくと、高比良さんの体は温かくて、全然繊細じゃない、骨と筋肉の男の体だった。こんなのリアルに知ってしまったら我慢できるわけがない。
「……怒ってるから許してください」
もう一度キスをしようとすると、高比良さんの方からキスをされた。
「…………」
きつく背中を抱きしめられ、開いた唇に舌を入れられた。
「…………」
激しく口の中を撫でられる舌の感触は、初心者の俺にはレベルが高かった。思わず喘ぎそうになっていると突然唇が離れ、高比良さんが俺の手を引っ張って歩き出した。
「えっ、ちょ、ちょっと待ってください」
慌てて靴を脱いだから靴が後ろへ飛んでいってしまった。
「し、仕事がまだ残ってて、あの、帰らなきゃ」
そう言ってるのに、高比良さんは俺の手を握ったまま歩いていく。
これ以上のことをする心の準備はまだできてないのに。どうしよう。
高比良さんに連れて行かれたのは、キッチンだった。高比良さんが大量のお湯がボコボコと沸いている鍋の火を止めた。
「久我山くんのためにラーメンを作ろうと思ってたんだ」
「…………」
キッチンにはラーメンの袋が一つだけ置いてあった。
高比良さんが俺の顔を見つめながら冷蔵庫を指差した。
「冷凍ピザもあるよ。食べる?」
高比良さんが開けた冷凍庫の中は、ピザしか入っていなかった。高比良さんはようやく俺の手を離し、ピザの袋を開け、電子レンジに入れた。
まだ使い慣れていないのか、新品の電子レンジに悪戦苦闘しながら高比良さんがボタンを押し、電子レンジが動き出した。
「久我山くんとまたごはんが食べたいと思ってたんだ」
「…………」
「食べ終わったら帰っていいからね」
「……はい」
まだ仕事があると言ってしまったことを後悔した。
「大丈夫?」
高比良さんが心配そうに俺を見ている。心配なのは俺の方だった。自分が何を言ったのかわかっているんだろうか。
「…………」
高比良さんがまたボーッと天井のファンを見つめた。
「ずっと社長から見合いをしつこく勧められてて、見合いで初めて会った千紗は家柄に合わない相手との交際を家族に反対されてて、それならちょうどいいと思ったんだ」
「…………」
ちょうどいいと思った?
「これで誰からも見合いを勧められなくなるし、千紗は好きな人と会い続けることができるし」
「…………」
「全てが順調だと思ってた。でも君が退社してしまってから狂い出したんだ」
何を言ってるんだろう。あれだけ大勢の人が祝福してくれた結婚式だったのに。
「それで千紗が妊娠して、もう嘘をつけなくなってしまった」
「…………」
「千紗は離婚を自分の不貞のせいにしてくれた」
何を言ってるんだ。
「偶然再会してみてわかったんだ。僕は君のことが好きだったんだ」
「…………」
苦手なコーヒーはなかなか体内に入ってくれなかったけど、なんとか飲み切った。
でも高比良さんの言い分の方は全く飲み込めなかった。どうしてあんなに大勢の人を騙してまで結婚したのか。どうして俺はあんなに泣いたのか。
自分の分のお金を置いて席を立つことにした。
店を出て歩いていると、濡れたアスファルトで滑って思い切り転び、植え込みの角で頭を打った。
「大丈夫っ!?」
「…………」
後ろから来ていた高比良さんが驚いて手を差し伸べてくれたが、恥ずかしくてその手を遮って立ち上がった。
「病院に行こう」
「大丈夫です。帰ります」
タクシーを見つけて停めたけど全く痛みはなかった。
……こんなポンコツを高比良さんが好きだなんておかしい。現実だと信じてはいけない。帰って早く漫画を描こう。俺の脈略のない漫画の方がまだ現実味がある。
「心配だから一緒に乗るよ」
「大丈夫です」
高比良さんの手を押しのけシートに座ると、こめかみから血が流れていることに気がついた。眼鏡も歪んでいる。だから高比良さんが青ざめているのか。
「すみません。一番近い病院に行ってください」
運転手にそう言うと、ドアが閉まった。
なかなか止まらない血を袖で押さえながら高比良さんへの気持ちが冷めていくのを感じていた。
あの人は嘘つきで意気地のない人だ。
木島の言う通り、見た目の良さだけで世を渡ってきた人だ。大勢の人を騙した人だ。
……どうして三年前に言ってくれなかったんだ。
「…………」
こんなにも心が静まり返ったのは、高比良さんに再会してからは初めてだった。
だから恋なんて嫌いだ。思い通りにならないから。今さらこんな展開にされたって困る。俺は主人公じゃないからどうしたらいいかわからないのに。
「高比良さん仕事復帰したぞ」
「…………」
久しぶりに会った木島は、体が一回り大きくなっていた。木島が俺のこめかみのガーゼを気にしたのは一瞬のことで、すぐに高い肉を注文して豪快に焼きだした。
保険屋なんて体力バカで鋼のメンタルがなきゃ勤まらないんだ。身を以て体験したことなのに、どうして高比良さんだけは違うと思ってしまったのか。俺よりもずっと長く働いている人なのに。
嘘で結婚なんて俺には絶対にできない。
「いつ元奥さんが飛び込んで来るんだってみんなで楽しみにしてるんだけどな」
「…………」
機嫌よさそうに肉をひっくり返していた木島が突然俺の顔をトングで指した。
「お前、高比良さんのことなんか知ってるな? 話せよ」
「…………」
まだ高比良さんのことがよくわからない。あの見た目だけが好きで、中身なんて全く見てなかったのか。どうして高比良さんがそういう人だって気が付かなかったのか。
もう好きかどうかわからないのに、それでも高比良さんのことを考えると、なぜか涙が出た。
「大丈夫か?」
おしぼりを両目に当てていると、木島に箸で頭をつつかれた。
「泣いてるのか?」
あの日ラーメンなんか食べに行かずに家にいれば良かった。外に出ずに漫画だけ描いていれば現実なんて知らずにすんだのに。
「高比良さんに振られたのか? よく勇気出せたな」
「…………」
「誰か紹介しようか」
「…………」
このまま何もしなければ高比良さんとは二度と会わないでいられる。どうしてか俺が高比良さんを振ったことになっている。俺も高比良さんを騙したままだ。
嘘つきで意気地がないから嫌いになったと思っていたのに、今は高比良さんに会いたかった。
また一緒にご飯が食べたい。
今さら高比良さんが俺を好きだったことに、嬉しさが込み上げてきたなんて馬鹿みたいだ。もう二度と恋なんてしないと決めていたのに。
何度もコールしても出ない高比良さんはやっぱり意気地なしだった。出るまでかけてやろうと思っていると、ようやく高比良さんが電話に出た。
「今どこにいますか?」
『家だよ』
俺はどうしようもない人間だ。
恋なんて二度としないと思っていたのに結局は抑えられないでいる。
「今から行くので住所を教えてください」
電話を切ってすぐに住所が送られてきた。
タクシーに住所を告げて高比良さんのマンションに向かった。
高比良さんは開いたドアの隙間から俺の顔を見て驚いた顔をした。
「怪我大丈夫?」
「ちょっと縫っただけです」
十針縫った。あのあと切ったこめかみと打った頭部に猛烈な痛みがきてヤバかった。でもそんなことは今はどうでも良い。
ドアの隙間に手を入れ、高比良さんの首に腕を回して、初めてのキスをした。
「…………」
仰け反る高比良さんの首をロックしてキスを続けた。高比良さんの唇はやわらかくて、俺の描く絵とは全く違う感触だった。
俺のキャラクターたちがなぜキスをしたがるのかよくわかってしまった。
ドアが後ろで閉まり、高比良さんの手が背中に回り、高比良さんを壁に押し付けながらキスを続けた。何度も描いてきたくせに初体験のキスは、唇を押し付けることしかできなかった。童貞キャラそのものだ。
息が続かず唇を離すと、高比良さんに腕を掴まれた。至近距離で見下されると、恥ずかしさが込み上げてきた。
「……俺が、どれだけ高比良さんの結婚に、傷ついたかわかります?」
「…………」
こんな話を本人にする日が来るとは思わなかった。
「高比良さんが結婚したから会社辞めたんですよ?」
まさか高比良さんが俺を好きだなんて夢にも思わなかったから。ただしんどい毎日の中で唯一の希望の人だった。まさかそれ以上があるなんて思いもしなかったから。
「……ごめんね」
高比良さんの肩に顔を寄せて抱きつくと、高比良さんの体は温かくて、全然繊細じゃない、骨と筋肉の男の体だった。こんなのリアルに知ってしまったら我慢できるわけがない。
「……怒ってるから許してください」
もう一度キスをしようとすると、高比良さんの方からキスをされた。
「…………」
きつく背中を抱きしめられ、開いた唇に舌を入れられた。
「…………」
激しく口の中を撫でられる舌の感触は、初心者の俺にはレベルが高かった。思わず喘ぎそうになっていると突然唇が離れ、高比良さんが俺の手を引っ張って歩き出した。
「えっ、ちょ、ちょっと待ってください」
慌てて靴を脱いだから靴が後ろへ飛んでいってしまった。
「し、仕事がまだ残ってて、あの、帰らなきゃ」
そう言ってるのに、高比良さんは俺の手を握ったまま歩いていく。
これ以上のことをする心の準備はまだできてないのに。どうしよう。
高比良さんに連れて行かれたのは、キッチンだった。高比良さんが大量のお湯がボコボコと沸いている鍋の火を止めた。
「久我山くんのためにラーメンを作ろうと思ってたんだ」
「…………」
キッチンにはラーメンの袋が一つだけ置いてあった。
高比良さんが俺の顔を見つめながら冷蔵庫を指差した。
「冷凍ピザもあるよ。食べる?」
高比良さんが開けた冷凍庫の中は、ピザしか入っていなかった。高比良さんはようやく俺の手を離し、ピザの袋を開け、電子レンジに入れた。
まだ使い慣れていないのか、新品の電子レンジに悪戦苦闘しながら高比良さんがボタンを押し、電子レンジが動き出した。
「久我山くんとまたごはんが食べたいと思ってたんだ」
「…………」
「食べ終わったら帰っていいからね」
「……はい」
まだ仕事があると言ってしまったことを後悔した。
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