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第一章 幼少時代
第一話 父、山本勘助との秘密事
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幼少の頃、まだ、与七郎、(後の山本勘蔵。二代目山本勘助)と呼ばれていた時、父、山本勘助も生きていて、甲斐の国、武田家の軍師であったらしい。
俺の父、山本勘助は生まれ、間もなくして、言葉が話せる様になっていたので、驚きはしたものの、喜んで軍学を学ばせてくれた。
五年たった今も、父は、無精髭を弄りながらその時の事を話していた。
「与七郎。赤子の時に、儂の言葉を止まる事なく話しておったな。まるで、天狗や仏の生まれ変わりかとおもったぞ」
「左様でございますか」
素直に応えたが、父は鷹の様な鋭い眼で、不器用な笑顔をしながら、
「そう畏まらなくても良い。与七郎……お前は、儂の後を継ぐのに相応しいが、まだ、幼い。儂が生きてる間に、武田家における与七郎の地位を認め差せよぞ!」
武田の地位に拘る父に、圧迫されつつも、
「ありがたき御言葉……。生涯忘れませぬ!」
と、感動したが、父は、笑顔を作るのは、止めて、耳元に近づき、小声で、
「与七郎よ。今も戦国乱世。皮肉な事じゃな……。儂はお主の父じゃ。幾らでも力になろう。この身に代えても。そうであった。火縄銃と火薬作りは順調か?」
予想外の発言に驚き、
「何故、わかったのでございますか?」
と、驚き、うかつにも、大声を出してしまった。
すると、父は、再び無精髭を触りながら、不器用な笑顔を浮かべ、
「うつけ、(馬鹿)者。儂は鼻と眼が良くてのう。後、気配を消す事も得意じゃ。で、順調か? ならば、順調でも、失敗でも、儂等の秘密にしておくのだ。しかし、誰から火縄銃や火薬の作り方を学んだ?」
と、尋ね、俺は疑問に答えた。
「実は父上、甲斐より、西に近江という国がございます。その近江の国友村の職人が、小田原の北条に行く途中でしたが、狼達に襲われたらしく、亡くなっていましたが、火縄銃の実物二丁と弾薬、火薬、火縄銃と弾薬、火薬の作り方の記載されている秘伝書を偶然手に入れ、独学で行っています。だだ、不思議な武器を他にも持っていたようです。また、不思議な肉体鍛練法の秘伝書もございました」
父は感心し、俺を諭す様に、
「与七郎……。その職人は北条の間者衆、風魔であろう。良かろう。火縄銃に関しては儂が信頼できる鍛冶職人を紹介してやろう。火薬と鍛練法、誰にも話すで無いぞ!」
と、助言してくれた。
「父上には敵いませぬな……。流石、軍師にして、兵法者……。そうですな、祖父上様にも気を付けねばなるまいでしょう。あの方は猛将ですから、孫である私の鍛練法は解らないにしても、火縄銃や火薬の製造法を知っているとならば、御屋形様、に利用されるばかりか、北条を初め、他の勢力に狙われかねないですね……。」
と、応えると、当たり前の様に、
「解っているなら、それで良い。今日は師匠から教えて頂いた剣術の奥義を教える……。与七郎……お前ならば五歳から学べば三年以内には会得しよう……」
その父の言葉を聞き、驚愕したように、
「父上……。奥義の名は……」
尋ねた。
「一ノ太刀じゃ」
と、不敵に答えた父であった。
こうして、二年後、俺は一ノ太刀を会得するのだが、その年、大規模な合戦、(戦場)に父上は巻き込まれるのである。
俺の父、山本勘助は生まれ、間もなくして、言葉が話せる様になっていたので、驚きはしたものの、喜んで軍学を学ばせてくれた。
五年たった今も、父は、無精髭を弄りながらその時の事を話していた。
「与七郎。赤子の時に、儂の言葉を止まる事なく話しておったな。まるで、天狗や仏の生まれ変わりかとおもったぞ」
「左様でございますか」
素直に応えたが、父は鷹の様な鋭い眼で、不器用な笑顔をしながら、
「そう畏まらなくても良い。与七郎……お前は、儂の後を継ぐのに相応しいが、まだ、幼い。儂が生きてる間に、武田家における与七郎の地位を認め差せよぞ!」
武田の地位に拘る父に、圧迫されつつも、
「ありがたき御言葉……。生涯忘れませぬ!」
と、感動したが、父は、笑顔を作るのは、止めて、耳元に近づき、小声で、
「与七郎よ。今も戦国乱世。皮肉な事じゃな……。儂はお主の父じゃ。幾らでも力になろう。この身に代えても。そうであった。火縄銃と火薬作りは順調か?」
予想外の発言に驚き、
「何故、わかったのでございますか?」
と、驚き、うかつにも、大声を出してしまった。
すると、父は、再び無精髭を触りながら、不器用な笑顔を浮かべ、
「うつけ、(馬鹿)者。儂は鼻と眼が良くてのう。後、気配を消す事も得意じゃ。で、順調か? ならば、順調でも、失敗でも、儂等の秘密にしておくのだ。しかし、誰から火縄銃や火薬の作り方を学んだ?」
と、尋ね、俺は疑問に答えた。
「実は父上、甲斐より、西に近江という国がございます。その近江の国友村の職人が、小田原の北条に行く途中でしたが、狼達に襲われたらしく、亡くなっていましたが、火縄銃の実物二丁と弾薬、火薬、火縄銃と弾薬、火薬の作り方の記載されている秘伝書を偶然手に入れ、独学で行っています。だだ、不思議な武器を他にも持っていたようです。また、不思議な肉体鍛練法の秘伝書もございました」
父は感心し、俺を諭す様に、
「与七郎……。その職人は北条の間者衆、風魔であろう。良かろう。火縄銃に関しては儂が信頼できる鍛冶職人を紹介してやろう。火薬と鍛練法、誰にも話すで無いぞ!」
と、助言してくれた。
「父上には敵いませぬな……。流石、軍師にして、兵法者……。そうですな、祖父上様にも気を付けねばなるまいでしょう。あの方は猛将ですから、孫である私の鍛練法は解らないにしても、火縄銃や火薬の製造法を知っているとならば、御屋形様、に利用されるばかりか、北条を初め、他の勢力に狙われかねないですね……。」
と、応えると、当たり前の様に、
「解っているなら、それで良い。今日は師匠から教えて頂いた剣術の奥義を教える……。与七郎……お前ならば五歳から学べば三年以内には会得しよう……」
その父の言葉を聞き、驚愕したように、
「父上……。奥義の名は……」
尋ねた。
「一ノ太刀じゃ」
と、不敵に答えた父であった。
こうして、二年後、俺は一ノ太刀を会得するのだが、その年、大規模な合戦、(戦場)に父上は巻き込まれるのである。
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