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第4話  ブリジット、大人の秘め事を邪魔をする

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「マークウェル……あたし、あんんたの事が好き」

「本当か?」

「もちろんよ。強くて勇敢な、勇者、マークウェル・カインが好きだわ」

「悪くないぜ……。ロザリンデ、俺もだ。今夜は眠らせねぇぜ」

「まっ」

 ドーリアの王都、アスタナシヤに入る前にマークはリド・オアシスの馴染みの女ところへ来ていた。
 ブリジットは、宿に預けてをして、風の大将に見張らせ、大人しく待ってるように言い聞かせて来たのだ。

 二人の関係は、長かった。
 マークウェルが、まだ東方にいた時からの付き合いだ。
 淡い金髪と緑の瞳を持つロザリンデは、ここでマークウェルの来訪を待っていた。
 二人どちらからともなく、唇を重ねあう。

 マークウェルは、行為に夢中だったが、どうも、二回目の辺りから、視線を感じていた。
 視線の正体に気が付いた!!

「止めないでよ、マーク。何かあったの?」

「窓の外に、子供がいる」

「嘘!! ここは二階よ!!」

 ブリジットの方が驚いていた。

 マークウェルは、ロザリンデを抱き抱えて、窓から離れ毛布で身を守った。

 次の瞬間、大きなレトア語で

『ユウシャサマ、オンナノヒト、ナカス、ダメ~~!!』

 窓を破って火と共に聞こえて来たのである。

「こら!! ブリジット。大人の時間を邪魔をするんじゃねえ!!」

『ユウシャサマ』

「黒板!!」

《女の人を苛めてた》

「苛《いじ》めてたんじゃなくて、悦《よろこ》ばせてたんだ。子供に行っても分からないだけだがな」

「それより、火を何とかしてよ。オアシスは水が貴重なのよ!!」

 ロザリンデは、本気で怒っていた。
 マークウェルは、覚えたばかりの水の呪文で、水の精霊を喚んだ。 
 もともと小竜なので、火の勢いはすごいが、ダメージは少ないのが幸いした。


「これならなんとか、なりそうだ。何なら明日一日、窓を開けっ放しにしておけば、煙臭いのも取れるぜ」

「マーク!それ以前にこの子誰!? まさかあんたの子供!?」

「俺に火を吐く子供はいねぇよ。こいつは火竜らしい。子供のな……」

 ロザリンデの思考はストップした。 
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