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第8章:(苺視点)
8-7:四天王に溺愛されました
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「まぁ、確かにそうですけど。そういう大事なお話は事前に、事前に! 苺に相談してください! いいですか!」
「自己判断して悪かったと思っている。すまなかった」
「別に良いですけど。今ので苺はストラス様のことが少し嫌いになりました」
苺は頬を膨らまし、そっぽを向き、証書に目を通し始めた。ストラスは苺に声をかけたり、スキンシップをはかろうとしたが、苺に見向きもされなかった。
挙句の果て、ストラスは苺の方を向き、ソファの上に正座をし、どんよりとした表情を浮かべ、お経のように謝罪を述べ始めた。
苺がストラスをチラ見する度に、とても切なそうな顔をし、許しを請うため、苺は深いため息をついた。
「猛省しているのは伝わりました。でも、あからさまに許しを請うような表情はしないでください。苺のストラス様像が壊れちゃいます」
「ということは、許してくれるのか!?」
「だ、だから! そのあからさまな態度をしないでください。まったく……。そういうの、ズルいと思うんですよね。今回は許しますが……」
「苺は物わかりが早くて、助かるよ」
ストラスは満面の笑みであろう顔で、苺に抱きつき、鼻歌を歌い、上機嫌だった。苺はあまり納得がいかず、首を傾げた。
「きょ、今日は私がご飯を作ってもいいか?」
「良いですけど、昨日の残り物があります」
「じゃぁ、マッサージ! マッサージしてやろうか?」
「マッサージは間に合ってます」
「じゃぁ、じゃぁ――」
「あぁ、もう! これ以上理想像を壊さないでください! ご飯食べますよっ! オルトロスもご飯にするよ! 二階から降りておいで!」
「苺、愛してる。食事より苺が食べたい」
ストラスは苺の腰に手を回し、苺に唇を近づけてきた。流石の苺も堪忍袋の緒が切れ、外に聞こえるくらいの声で怒った。
「だから、そんなのどこで覚えてきたんですか! 次やったら、殴りますからね!」
こうして元男娼の苺と元常連客のストラス、そして、犬の姿を余儀なくされたオルトロスの新生活が始まった。
(完)
「自己判断して悪かったと思っている。すまなかった」
「別に良いですけど。今ので苺はストラス様のことが少し嫌いになりました」
苺は頬を膨らまし、そっぽを向き、証書に目を通し始めた。ストラスは苺に声をかけたり、スキンシップをはかろうとしたが、苺に見向きもされなかった。
挙句の果て、ストラスは苺の方を向き、ソファの上に正座をし、どんよりとした表情を浮かべ、お経のように謝罪を述べ始めた。
苺がストラスをチラ見する度に、とても切なそうな顔をし、許しを請うため、苺は深いため息をついた。
「猛省しているのは伝わりました。でも、あからさまに許しを請うような表情はしないでください。苺のストラス様像が壊れちゃいます」
「ということは、許してくれるのか!?」
「だ、だから! そのあからさまな態度をしないでください。まったく……。そういうの、ズルいと思うんですよね。今回は許しますが……」
「苺は物わかりが早くて、助かるよ」
ストラスは満面の笑みであろう顔で、苺に抱きつき、鼻歌を歌い、上機嫌だった。苺はあまり納得がいかず、首を傾げた。
「きょ、今日は私がご飯を作ってもいいか?」
「良いですけど、昨日の残り物があります」
「じゃぁ、マッサージ! マッサージしてやろうか?」
「マッサージは間に合ってます」
「じゃぁ、じゃぁ――」
「あぁ、もう! これ以上理想像を壊さないでください! ご飯食べますよっ! オルトロスもご飯にするよ! 二階から降りておいで!」
「苺、愛してる。食事より苺が食べたい」
ストラスは苺の腰に手を回し、苺に唇を近づけてきた。流石の苺も堪忍袋の緒が切れ、外に聞こえるくらいの声で怒った。
「だから、そんなのどこで覚えてきたんですか! 次やったら、殴りますからね!」
こうして元男娼の苺と元常連客のストラス、そして、犬の姿を余儀なくされたオルトロスの新生活が始まった。
(完)
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