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第3章:アルディアへの扉(メフィスト視点)
3-2:アルディアに降り立つ
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メフィストは魔王城へ行くと、地下水路の奥までやってきた。
「さぁて、アルディアはどんな場所かな。楽しみだ。俺を興奮させるような物があれば、ラッキーだな」
アルディアはニヤニヤしながら、扉を開けた。扉を開けた瞬間、眩い光に包まれ、思わず腕で顔を覆った。そして、光は弱まり、恐る恐る目を開けると、建物が立ち並び、人間のみならず、様々な種族が行き交っていた。
メフィストが頭上にあるアーケード看板を見ると、『天空都市アルディアへようこそ』とデカデカと書かれていた。
「おぉっ! やっぱり、アルディアに続く扉だったか。楽しみだな」
メフィストがアーケードを越え、街に入ろうとした時、検問所が設けられていた。
「ちっ、入国審査があるのか……。面倒くせぇな」
メフィストは仕方無く検問所の列に並び、自分の番が来るまで、気長に待った。先に並んでいた数人は検問官に追い返されていた。メフィストは自分が無事に検問所を突破出来るか心配になった。
「次の者、前に来い」
甲冑姿の検問官はハンドヘルド探知機をメフィストの体に当てた。体の隅々まで当てると、検問官はドッグタグネックレスを手渡してきた。
「そのネックレスは常時身に着けろ。帰る時に返却するように」
「分かりやしたぁ」
メフィストは無事に検問所のゲートを突破した。外からは分からなかったが、アルディアは特殊なシールドで守られており、ドーム状になっていた。広場を中心として急斜面に色とりどりの住宅が建っており、石畳の坂を上った先にはとても大きな教会がそびえ立っていた。階段や街の至る場所に花壇があり、草花が咲き乱れていた。
「おぉ、すげぇな! めちゃくちゃカラフルだな。広場に噴水か。空中に浮いてんのに、どうなってんだ? それよりも腹ごしらえだ」
メフィストは鼻歌を歌いながら、広場にある市場へ向かった。長身で二本角を生やし、片目は大きな古傷があるというのに、誰も怖がらず、自分の横を通っていく。人間界でこんな風にぶらついていたら、恐らく騎士団に串刺しにされているだろう。魔界でも部下達が寄り付かないと言うのに。
メフィストは自分がおかしいのか、アルディアという都市の思想がおかしいのか、あまりにもおかしくて、思わず吹き出して笑った。
「あははっ、すげぇ都市だな。ストラスが見たら、驚くだろうな。あーっ、笑い過ぎて腹減った。お、あそこに食堂があるじゃねぇか」
メフィストは大衆食堂へ入った。席は混んでおり、色んな種族が周りを気にせず、自由気ままに食事をしていた。円卓は満席だっただめ、カウンター席に座った。メフィストが席に座ると、黒髪ストレートロングのメイド服姿をした店員が水を持ってきた。
「ご注文がお決まりの頃、お伺いします」
「あーっ、姉ちゃん。ここのおすすめって――」
メフィストがおすすめを聞こうと、店員を見上げた瞬間、見覚えのある顔に驚き、指を指した。
「お、おま、お前、黒竜族のディーナじゃねぇか! お前、おと――っ!」
メフィストは急に口を手で塞がれた。ディーナは口角をピクつかせながら、ニコリと笑った。
「お客様ぁ、それ以上言いますと、お帰りいただきますよ?」
メフィストは、眉間に皺を寄せ、静かに怒るディーナを見て、首を縦に振った。ディーナは仕方無く手を外し、周りに聞こえないように、コソコソと話し始めた。
「で、何? なんでメフィスト様がここにいる訳?」
「あーっ、まぁ、成り行きで?」
「成り行きで来れる場所じゃないでしょ。……はぁ、いいわ。それで注文は? さっさとして。こっちは忙しいんだから」
ディーナは腕組みをし、イライラした表情と、早くしろと言わんばかりの足踏みをしていた。その間にも、ディーナを呼ぶ声がし、ディーナは声色を変え、呼ばれた円卓へフリフリと小走りで向かった。メフィストはディーナと客のやり取りを見て、思わず吹き出しそうになった。
メフィストが少しばかし観察していると、ディーナが近付いてきて、急に自分の角を持ち、不機嫌な顔でじっと睨みつけてきた。
「あのな、見せもんじゃねぇんだよ。さっさと注文しろ!」
「いや、まさかお前がこんな姿とはな……。ププッ」
「お客様ぁ? 丸焼きにして差し上げましょうか?」
「ごめん、ごめん。んじゃ、このオムライスで」
「はいはい、オムライスね。……ってか、お金あるんでしょうね? あんたみたいな雑魚が大金持ってるようには思えないんだけど」
「一応、金はあるさ。雑魚は心外だな。戦う趣味がないって言って欲しいな、ディーナちゃん」
メフィストはディーナにウィンクした。ディーナは手で軽くあしらい、厨房に注文を言いに行った。
「さぁて、アルディアはどんな場所かな。楽しみだ。俺を興奮させるような物があれば、ラッキーだな」
アルディアはニヤニヤしながら、扉を開けた。扉を開けた瞬間、眩い光に包まれ、思わず腕で顔を覆った。そして、光は弱まり、恐る恐る目を開けると、建物が立ち並び、人間のみならず、様々な種族が行き交っていた。
メフィストが頭上にあるアーケード看板を見ると、『天空都市アルディアへようこそ』とデカデカと書かれていた。
「おぉっ! やっぱり、アルディアに続く扉だったか。楽しみだな」
メフィストがアーケードを越え、街に入ろうとした時、検問所が設けられていた。
「ちっ、入国審査があるのか……。面倒くせぇな」
メフィストは仕方無く検問所の列に並び、自分の番が来るまで、気長に待った。先に並んでいた数人は検問官に追い返されていた。メフィストは自分が無事に検問所を突破出来るか心配になった。
「次の者、前に来い」
甲冑姿の検問官はハンドヘルド探知機をメフィストの体に当てた。体の隅々まで当てると、検問官はドッグタグネックレスを手渡してきた。
「そのネックレスは常時身に着けろ。帰る時に返却するように」
「分かりやしたぁ」
メフィストは無事に検問所のゲートを突破した。外からは分からなかったが、アルディアは特殊なシールドで守られており、ドーム状になっていた。広場を中心として急斜面に色とりどりの住宅が建っており、石畳の坂を上った先にはとても大きな教会がそびえ立っていた。階段や街の至る場所に花壇があり、草花が咲き乱れていた。
「おぉ、すげぇな! めちゃくちゃカラフルだな。広場に噴水か。空中に浮いてんのに、どうなってんだ? それよりも腹ごしらえだ」
メフィストは鼻歌を歌いながら、広場にある市場へ向かった。長身で二本角を生やし、片目は大きな古傷があるというのに、誰も怖がらず、自分の横を通っていく。人間界でこんな風にぶらついていたら、恐らく騎士団に串刺しにされているだろう。魔界でも部下達が寄り付かないと言うのに。
メフィストは自分がおかしいのか、アルディアという都市の思想がおかしいのか、あまりにもおかしくて、思わず吹き出して笑った。
「あははっ、すげぇ都市だな。ストラスが見たら、驚くだろうな。あーっ、笑い過ぎて腹減った。お、あそこに食堂があるじゃねぇか」
メフィストは大衆食堂へ入った。席は混んでおり、色んな種族が周りを気にせず、自由気ままに食事をしていた。円卓は満席だっただめ、カウンター席に座った。メフィストが席に座ると、黒髪ストレートロングのメイド服姿をした店員が水を持ってきた。
「ご注文がお決まりの頃、お伺いします」
「あーっ、姉ちゃん。ここのおすすめって――」
メフィストがおすすめを聞こうと、店員を見上げた瞬間、見覚えのある顔に驚き、指を指した。
「お、おま、お前、黒竜族のディーナじゃねぇか! お前、おと――っ!」
メフィストは急に口を手で塞がれた。ディーナは口角をピクつかせながら、ニコリと笑った。
「お客様ぁ、それ以上言いますと、お帰りいただきますよ?」
メフィストは、眉間に皺を寄せ、静かに怒るディーナを見て、首を縦に振った。ディーナは仕方無く手を外し、周りに聞こえないように、コソコソと話し始めた。
「で、何? なんでメフィスト様がここにいる訳?」
「あーっ、まぁ、成り行きで?」
「成り行きで来れる場所じゃないでしょ。……はぁ、いいわ。それで注文は? さっさとして。こっちは忙しいんだから」
ディーナは腕組みをし、イライラした表情と、早くしろと言わんばかりの足踏みをしていた。その間にも、ディーナを呼ぶ声がし、ディーナは声色を変え、呼ばれた円卓へフリフリと小走りで向かった。メフィストはディーナと客のやり取りを見て、思わず吹き出しそうになった。
メフィストが少しばかし観察していると、ディーナが近付いてきて、急に自分の角を持ち、不機嫌な顔でじっと睨みつけてきた。
「あのな、見せもんじゃねぇんだよ。さっさと注文しろ!」
「いや、まさかお前がこんな姿とはな……。ププッ」
「お客様ぁ? 丸焼きにして差し上げましょうか?」
「ごめん、ごめん。んじゃ、このオムライスで」
「はいはい、オムライスね。……ってか、お金あるんでしょうね? あんたみたいな雑魚が大金持ってるようには思えないんだけど」
「一応、金はあるさ。雑魚は心外だな。戦う趣味がないって言って欲しいな、ディーナちゃん」
メフィストはディーナにウィンクした。ディーナは手で軽くあしらい、厨房に注文を言いに行った。
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