41 / 117
第四章:Side Noa <互いの気持ちが徐々に>
4-10:花嫁修業?あと、ちょっとアイツが優しい
しおりを挟む
「そうかい。でも、そんな細い腕で鍋なんて持てるのかい?」
「大丈夫です! 頑張ります! 是非、カレンさんのお手伝いもさせてください」
「嬉しいね。こんな可愛い子が私の手伝いなんて……まるで、花嫁修業みたいだね。それで、いつから来れるんだい?」
「今日の夕食の時でも大丈夫ですか?」
「私は大丈夫だよ。希空が作る料理が楽しみだよ。本当に嬉しいよ。皆も聞いたかい? 夕方に来るってさ」
カレンは希空の背中を叩き、声を出して笑った。そして、厨房に居た他の女性達にも伝えた。皆、希空に期待の眼差しを向けた。希空は思い出したかのように、先程の紙袋からスコーンを取り出し、カレンに味見してもらった。
カレンはスコーンを半分に割り、香りを嗅いだ。そして、ひと口食べた。舌で味と触感を確かめながら、ゆっくりと味わう真剣なカレンを見て、希空は内心ドキドキした。
「うん、旨いじゃないか! これなら、色んな味のものを作って、朝食に出せば、少しは楽が出来るよ。勿論、私達のお茶菓子にもなるわ。あはははっ」
「美味しいって言って頂き、ありがとうございます。また夕方に伺います」
カレンの食べているスコーンが気になったのか、他の女性達も作業の手を止め、カレンに駆け寄り、「何それ美味しそう」と興味津々に見ていた。希空はカレンにお辞儀をすると、エミュとともに宿舎を後にした。
希空はフード付きケープを身に着け、紙袋を大きめのサコッシュバッグに入れた。そして、エミュから紙に包まれた聖杯を孤児院へ持って行くようにお願いされ、聖杯も一緒にバッグの中に入れた。意外にもバッグはギチギチで、肩掛けの紐が食い込んで、少し痛かった。
「希空様、大丈夫ですか? 結構、重たそうですが……」
「うん、たぶん大丈夫。一人でなんとか行けるよ」
「えっ? お一人で行かれるのですか? 只今、フィディスを呼んできますが……」
「ううん、なんか顔を合わせづらいというか、気まずいというか。でも、本当にあの距離なら一人で行けるし、しっかりフードも被るし、大丈夫! じゃ、行ってきます!」
「あぁ! 希空様!」
希空は小走りで通行門へ向かった。エミュが心配そうな顔をし、引き止めようとしたが、希空は元気よく手を振った。通行門の門番に通行証を見せると、「御付きの方は?」と聞かれ、一人である事を伝えると、酷く驚かれた。エミュ同様、門番にも心配そうな顔をされた。
希空は満面の笑みでグッドポーズをすると、意気揚々と街へ向かう第一歩を踏み出したが、門を出てすぐ、低い声で行く手を阻まれた。声がする方を向くと、馬に乗ったフィディスがいた。眉間に皺が寄せ、とても不機嫌そうな顔で、こちらを見ていた。
「おい、小っちゃいの。お前は今から何処へ行くつもりだ? これでも俺はお前の護衛なんだぞ。勝手な行動は慎め」
「なんだ、フィディスか。驚かせないでよ。今から孤児院へスコーンを届けに行こうかなぁって」
「小せぇ体に、そんな大荷物。届けるだけで明日になりそうだぜ」
「はぁ? これ位、自分で持てるし! いい加減、揶揄うの止めてください」
「――いいから、さっさと荷物を貸せ! 面倒くせぇな」
フィディスは頭を掻き、ため息をつくと、馬を降りて、希空のバッグを奪い取った。そして、キャンパス地のホースサドルバッグに荷物を入れた。フィディスは颯爽と馬に跨ると、希空に手を差し出した。希空が躊躇っていると、フィディスは舌打ちをし、希空の手を引っ張って、馬に乗せた。しかも、フィディスが跨っている前だ。
「お前は前じゃないと危ないからな」
「はぁ…………。って、この馬はなんていう名前なの?」
「コイツは俺の愛馬、ヘンリーだ」
「ヘンリーか。よろしくね、ヘンリー」
希空が声をかけながら、ゆっくり優しくたてがみを撫でると、ヘンリーは嬉しそうにしていた。そして、フィディスは手綱を持ち、ゆっくりと馬を走らせた。馬は風を切りながら、街へ進んでいった。
初めての乗馬にバランスのとり方が分からなかった希空は縦揺れのせいでそのまま落馬しそうで怖かった。しかし、フィディスが体を密着させ、手綱を持ちながら、太い腕で希空の体を挟むように支えてくれた。
(フィディスの体ってこんなに大きかったんだ。太い腕に、手綱を持つ大きな手。いつもは僕の事を馬鹿にするのに、守ってもらってる感じで安心する。なんかドキドキしてきた。いや、まさか……あの失礼極まりないフィディスだよ?)
フィディスは終始無言で手綱を持ち、希空の小さな体をしっかりと支えていた。希空は何か話をした方が良いのか考えたが、胸が変にドキドキして、息をするのを忘れそうになる。希空は俯き、馬のたてがみを見て、気を紛らわせた。
「ちょっと寄る所がある」
「えっ?」
フィディスは橋を越え、孤児院の前をそのまま通り過ぎ、王都の南門を潜り抜けた。希空はフィディスに止まるように言ったが、フィディスは聞く耳を持たず、川沿いを進み、その先にある草原に来た。
広大な草原の中に、ひときわ大きな木がぽつんと立っていた。フィディスは馬を止めると、希空を降ろし、自分も馬から降りた。
「大丈夫です! 頑張ります! 是非、カレンさんのお手伝いもさせてください」
「嬉しいね。こんな可愛い子が私の手伝いなんて……まるで、花嫁修業みたいだね。それで、いつから来れるんだい?」
「今日の夕食の時でも大丈夫ですか?」
「私は大丈夫だよ。希空が作る料理が楽しみだよ。本当に嬉しいよ。皆も聞いたかい? 夕方に来るってさ」
カレンは希空の背中を叩き、声を出して笑った。そして、厨房に居た他の女性達にも伝えた。皆、希空に期待の眼差しを向けた。希空は思い出したかのように、先程の紙袋からスコーンを取り出し、カレンに味見してもらった。
カレンはスコーンを半分に割り、香りを嗅いだ。そして、ひと口食べた。舌で味と触感を確かめながら、ゆっくりと味わう真剣なカレンを見て、希空は内心ドキドキした。
「うん、旨いじゃないか! これなら、色んな味のものを作って、朝食に出せば、少しは楽が出来るよ。勿論、私達のお茶菓子にもなるわ。あはははっ」
「美味しいって言って頂き、ありがとうございます。また夕方に伺います」
カレンの食べているスコーンが気になったのか、他の女性達も作業の手を止め、カレンに駆け寄り、「何それ美味しそう」と興味津々に見ていた。希空はカレンにお辞儀をすると、エミュとともに宿舎を後にした。
希空はフード付きケープを身に着け、紙袋を大きめのサコッシュバッグに入れた。そして、エミュから紙に包まれた聖杯を孤児院へ持って行くようにお願いされ、聖杯も一緒にバッグの中に入れた。意外にもバッグはギチギチで、肩掛けの紐が食い込んで、少し痛かった。
「希空様、大丈夫ですか? 結構、重たそうですが……」
「うん、たぶん大丈夫。一人でなんとか行けるよ」
「えっ? お一人で行かれるのですか? 只今、フィディスを呼んできますが……」
「ううん、なんか顔を合わせづらいというか、気まずいというか。でも、本当にあの距離なら一人で行けるし、しっかりフードも被るし、大丈夫! じゃ、行ってきます!」
「あぁ! 希空様!」
希空は小走りで通行門へ向かった。エミュが心配そうな顔をし、引き止めようとしたが、希空は元気よく手を振った。通行門の門番に通行証を見せると、「御付きの方は?」と聞かれ、一人である事を伝えると、酷く驚かれた。エミュ同様、門番にも心配そうな顔をされた。
希空は満面の笑みでグッドポーズをすると、意気揚々と街へ向かう第一歩を踏み出したが、門を出てすぐ、低い声で行く手を阻まれた。声がする方を向くと、馬に乗ったフィディスがいた。眉間に皺が寄せ、とても不機嫌そうな顔で、こちらを見ていた。
「おい、小っちゃいの。お前は今から何処へ行くつもりだ? これでも俺はお前の護衛なんだぞ。勝手な行動は慎め」
「なんだ、フィディスか。驚かせないでよ。今から孤児院へスコーンを届けに行こうかなぁって」
「小せぇ体に、そんな大荷物。届けるだけで明日になりそうだぜ」
「はぁ? これ位、自分で持てるし! いい加減、揶揄うの止めてください」
「――いいから、さっさと荷物を貸せ! 面倒くせぇな」
フィディスは頭を掻き、ため息をつくと、馬を降りて、希空のバッグを奪い取った。そして、キャンパス地のホースサドルバッグに荷物を入れた。フィディスは颯爽と馬に跨ると、希空に手を差し出した。希空が躊躇っていると、フィディスは舌打ちをし、希空の手を引っ張って、馬に乗せた。しかも、フィディスが跨っている前だ。
「お前は前じゃないと危ないからな」
「はぁ…………。って、この馬はなんていう名前なの?」
「コイツは俺の愛馬、ヘンリーだ」
「ヘンリーか。よろしくね、ヘンリー」
希空が声をかけながら、ゆっくり優しくたてがみを撫でると、ヘンリーは嬉しそうにしていた。そして、フィディスは手綱を持ち、ゆっくりと馬を走らせた。馬は風を切りながら、街へ進んでいった。
初めての乗馬にバランスのとり方が分からなかった希空は縦揺れのせいでそのまま落馬しそうで怖かった。しかし、フィディスが体を密着させ、手綱を持ちながら、太い腕で希空の体を挟むように支えてくれた。
(フィディスの体ってこんなに大きかったんだ。太い腕に、手綱を持つ大きな手。いつもは僕の事を馬鹿にするのに、守ってもらってる感じで安心する。なんかドキドキしてきた。いや、まさか……あの失礼極まりないフィディスだよ?)
フィディスは終始無言で手綱を持ち、希空の小さな体をしっかりと支えていた。希空は何か話をした方が良いのか考えたが、胸が変にドキドキして、息をするのを忘れそうになる。希空は俯き、馬のたてがみを見て、気を紛らわせた。
「ちょっと寄る所がある」
「えっ?」
フィディスは橋を越え、孤児院の前をそのまま通り過ぎ、王都の南門を潜り抜けた。希空はフィディスに止まるように言ったが、フィディスは聞く耳を持たず、川沿いを進み、その先にある草原に来た。
広大な草原の中に、ひときわ大きな木がぽつんと立っていた。フィディスは馬を止めると、希空を降ろし、自分も馬から降りた。
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
兎森りんこ
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる