40 / 117
第四章:Side Noa <互いの気持ちが徐々に>
4-9:男の園(第二騎士団宿舎)と肝っ玉母さんカレン
しおりを挟む
エミュはいつも通りの時間に起きた。しかし、うなされたのか、目覚めは最悪だった。エミュは身なりを整えて、希空の部屋へ行った。ノックをし、部屋へ入ると、焼き立てのスコーンの香りが漂ってきた。希空は台所からひょっこりと出てくると、太陽のような笑顔で出迎えてくれた。希空の笑顔はいつ見ても心が温かくなり、自然と自分も笑顔になってしまう。
「希空様、おはようございます。今日は随分早いのですね」
「うん。楽しみにしている子供達の事を考えてたら、うずうずしちゃって。早起きして、スコーンを焼いてた」
「そ、それにしても、沢山焼かれたんですね」
「ごめん。つい調子に乗って、焼き過ぎちゃった。でも、今焼き上がったので最後だから、安心して」
希空は石窯から天板を取り出し、スコーンを竹籠に移した。竹籠から落ちそうな位にスコーンがこんもりと積まれていた。持ち運びには難があると思ったエミュは棚から茶色の紙袋を数枚出し、希空に渡した。希空はエミュから紙袋を受け取ると、アールグレイのスコーン、クランベリー入りのスコーン、そして、何も入っていないスコーンと種類毎に詰めていった。
「まだ出発するには早いですし、朝食もまだですし、折角なので、騎士団宿舎の厨房へ行かれますか? 朝食を摂った後でも構いませんが……」
「ううん、行ったり来たりするの大変だし、厨房へ行って、そこでご飯を食べるよ。食べ終わったら、孤児院にスコーンを届けてくるよ」
「では、そうしましょうか」
希空は三つの紙袋を両手で抱えた。エミュはクローゼットからフード付きケープとキャンバス生地で作られた大きめのサコッシュバッグを取り出した。エミュが紙袋を代わりに持とうとしたが、希空はまだ焼き立ても入っているし、紙袋を開けておかないと、湿気るからと言い、遠慮した。
二人はスコーンの美味しそうな香りを漂わせながら、部屋を後にし、騎士団宿舎へ向かった。二階建てのレンガ造りの宿舎で、中に入ると、掃除がきちんと行き届いていないのか、風通しが悪いのか、若干の湿っぽさと埃臭さ、そして、男のニオイが混ざった表現しがたい空気が漂っていた。希空は顔を引き攣らせて、先へ行こうとするエミュの服を引っ張って、制止させた。
「希空様、どうされましたか?」
「あ、あのさ……。エミュはこんなとこに毎日食事を取りに来てるの?」
「はい、そうですよ。いつもは厨房の裏口から入りますけど、朝は仕込みもあって、忙しいので、正面玄関から入ってます」
「それにしても、見る限り、えーと、何と言うか……。掃除ってしてるんだよね? 単に風通しが悪いだけ?」
「あーっ、……掃除はしているとは思いますよ。しているとは」
(あっ、二回言った。って事はしていないって事だな。ま、聞かなくても見れば分かるけど)
希空は疑いの目でエミュを見ると、エミュは目を泳がせながら、苦笑いした。そして、今の話は無かった事にするように、希空を食堂へ案内した。食堂へ続く廊下を歩いていると、眠そうな兵士達とすれ違う。すれ違いざまに、希空が会釈すると、団員達は皆、驚いた様子だった。
エミュ曰く、騎士団は第一と第二があり、教会側にあるのが第二騎士団の宿舎で、主に神官の護衛や教会の門番が主な仕事だ。第一騎士団よりかは規則的にも緩く、朝食も訓練の集合時間までに食べれば良い事になっており、皆バラバラで食べるそうだ。それを聞いて、掃除が行き届いていない感じだったり、軍服ではなく、Tシャツ姿だったりと、希空はなんとなく察した。
「希空様、こちらが食堂です。そして、その奥が厨房です」
(なんだか学生食堂みたいだな……。ちょっと狭く感じるけど)
古びた木製の長机と椅子が規則正しく並んでいた。流石に食券機はないが、入り口にはトレイが置かれ、それを持ち、右から左へ流れるように、カウンターに置かれた食事を取るシステムみたいだ。エミュが希空に設備の説明をしていると、朝食を摂っていた団員達が手を止め、こちらを見ていた。希空が会釈すると、団員達は少し照れながら、頭を下げた。
エミュがカウンター越しに厨房を見渡し、背中を向けて、仕込み作業をしている恰幅の良い女性に声を掛けた。
「カレン! おはようございます。お忙しいところ恐縮ですが、今よろしいですか?」
「あぁ、エミュ様。おはようございます。お隣にいらっしゃるのが聖女様かしら? あら、エミュ様に負けず劣らずの美人じゃない」
「希空と申します。よろしくお願いします。僕の事は敬称無しで『希空』って呼んでください」
「いいのかい? 聖女様って呼ばなくて?」
カレンは何度も聞き返してきたが、希空は大丈夫と答えた。カレンは昔、修道女をしていたそうだが、第二騎士団の宿舎が建てられてからは、ずっとこの宿舎で料理人として働いているという。カレンには申し訳ないが、修道女の風貌は感じず、食堂の肝っ玉母さんみたいな雰囲気だ。
エミュに荷物を預け、希空はカレンの後ろをついて、厨房の物品の場所やパントリーの中を案内してもらった。業務用冷蔵庫みたいなものもあり、それを開けると、白い冷気が出てきた。中には、肉類や魚類もあり、鮮度を保つために、氷雪石で温度を保っているそうだ。
「希空は料理が好きなのかい? ここの連中は大食いばっかりだから、作るってなると大仕事だよ」
「はい、皆さん、鍛えてらっしゃいますし、なんとなく想像出来ます。一日中、教会にいるのも段々飽きてきたので、何か出来ないかなと思って」
「希空様、おはようございます。今日は随分早いのですね」
「うん。楽しみにしている子供達の事を考えてたら、うずうずしちゃって。早起きして、スコーンを焼いてた」
「そ、それにしても、沢山焼かれたんですね」
「ごめん。つい調子に乗って、焼き過ぎちゃった。でも、今焼き上がったので最後だから、安心して」
希空は石窯から天板を取り出し、スコーンを竹籠に移した。竹籠から落ちそうな位にスコーンがこんもりと積まれていた。持ち運びには難があると思ったエミュは棚から茶色の紙袋を数枚出し、希空に渡した。希空はエミュから紙袋を受け取ると、アールグレイのスコーン、クランベリー入りのスコーン、そして、何も入っていないスコーンと種類毎に詰めていった。
「まだ出発するには早いですし、朝食もまだですし、折角なので、騎士団宿舎の厨房へ行かれますか? 朝食を摂った後でも構いませんが……」
「ううん、行ったり来たりするの大変だし、厨房へ行って、そこでご飯を食べるよ。食べ終わったら、孤児院にスコーンを届けてくるよ」
「では、そうしましょうか」
希空は三つの紙袋を両手で抱えた。エミュはクローゼットからフード付きケープとキャンバス生地で作られた大きめのサコッシュバッグを取り出した。エミュが紙袋を代わりに持とうとしたが、希空はまだ焼き立ても入っているし、紙袋を開けておかないと、湿気るからと言い、遠慮した。
二人はスコーンの美味しそうな香りを漂わせながら、部屋を後にし、騎士団宿舎へ向かった。二階建てのレンガ造りの宿舎で、中に入ると、掃除がきちんと行き届いていないのか、風通しが悪いのか、若干の湿っぽさと埃臭さ、そして、男のニオイが混ざった表現しがたい空気が漂っていた。希空は顔を引き攣らせて、先へ行こうとするエミュの服を引っ張って、制止させた。
「希空様、どうされましたか?」
「あ、あのさ……。エミュはこんなとこに毎日食事を取りに来てるの?」
「はい、そうですよ。いつもは厨房の裏口から入りますけど、朝は仕込みもあって、忙しいので、正面玄関から入ってます」
「それにしても、見る限り、えーと、何と言うか……。掃除ってしてるんだよね? 単に風通しが悪いだけ?」
「あーっ、……掃除はしているとは思いますよ。しているとは」
(あっ、二回言った。って事はしていないって事だな。ま、聞かなくても見れば分かるけど)
希空は疑いの目でエミュを見ると、エミュは目を泳がせながら、苦笑いした。そして、今の話は無かった事にするように、希空を食堂へ案内した。食堂へ続く廊下を歩いていると、眠そうな兵士達とすれ違う。すれ違いざまに、希空が会釈すると、団員達は皆、驚いた様子だった。
エミュ曰く、騎士団は第一と第二があり、教会側にあるのが第二騎士団の宿舎で、主に神官の護衛や教会の門番が主な仕事だ。第一騎士団よりかは規則的にも緩く、朝食も訓練の集合時間までに食べれば良い事になっており、皆バラバラで食べるそうだ。それを聞いて、掃除が行き届いていない感じだったり、軍服ではなく、Tシャツ姿だったりと、希空はなんとなく察した。
「希空様、こちらが食堂です。そして、その奥が厨房です」
(なんだか学生食堂みたいだな……。ちょっと狭く感じるけど)
古びた木製の長机と椅子が規則正しく並んでいた。流石に食券機はないが、入り口にはトレイが置かれ、それを持ち、右から左へ流れるように、カウンターに置かれた食事を取るシステムみたいだ。エミュが希空に設備の説明をしていると、朝食を摂っていた団員達が手を止め、こちらを見ていた。希空が会釈すると、団員達は少し照れながら、頭を下げた。
エミュがカウンター越しに厨房を見渡し、背中を向けて、仕込み作業をしている恰幅の良い女性に声を掛けた。
「カレン! おはようございます。お忙しいところ恐縮ですが、今よろしいですか?」
「あぁ、エミュ様。おはようございます。お隣にいらっしゃるのが聖女様かしら? あら、エミュ様に負けず劣らずの美人じゃない」
「希空と申します。よろしくお願いします。僕の事は敬称無しで『希空』って呼んでください」
「いいのかい? 聖女様って呼ばなくて?」
カレンは何度も聞き返してきたが、希空は大丈夫と答えた。カレンは昔、修道女をしていたそうだが、第二騎士団の宿舎が建てられてからは、ずっとこの宿舎で料理人として働いているという。カレンには申し訳ないが、修道女の風貌は感じず、食堂の肝っ玉母さんみたいな雰囲気だ。
エミュに荷物を預け、希空はカレンの後ろをついて、厨房の物品の場所やパントリーの中を案内してもらった。業務用冷蔵庫みたいなものもあり、それを開けると、白い冷気が出てきた。中には、肉類や魚類もあり、鮮度を保つために、氷雪石で温度を保っているそうだ。
「希空は料理が好きなのかい? ここの連中は大食いばっかりだから、作るってなると大仕事だよ」
「はい、皆さん、鍛えてらっしゃいますし、なんとなく想像出来ます。一日中、教会にいるのも段々飽きてきたので、何か出来ないかなと思って」
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
兎森りんこ
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる