召喚聖女♂の異世界攻略ノート~クーデレ護衛騎士と人狼わんこの手懐け方~

沼田桃弥

文字の大きさ
上 下
19 / 117
第二章:Side Noa <名ばかりの召喚聖女>

2-8:★魔力増幅技法・前半

しおりを挟む
 希空はエミュとともに、地下聖堂へ入った。地下聖堂と言う事だから、懺悔室みたいな場所かと思ったら、小さな実験室だった。薬草園で見かけた薬草や、様々な液体物質から固体物質までがガラス瓶に入れられており、それらがびっしりと棚に並んでいた。
 ドレッドが部屋のドアを閉めると、香炉に火を灯した。香炉からはジャスミンとイランイランの香りが濃厚に香り、他にもバニラやサンダルウッドの香りが後から感じ、こっくりとした甘さの香りがした。
 狭い実験室はあっという間に、濃厚で官能的な香りに包まれる。それにしても、やけに香りが強い事に希空は疑問を感じた。
 希空は大人一人が寝そべられるような実験台の前まで来て、実験台の上に上がろうとした。しかし、足が思うように上がらなかった。希空が異変に気付いた時には、体に力が入らず、膝から崩れそうになった。エミュが慌てて、希空の体を支え、横に抱くと、実験台の上に優しく寝かせてくれた。


「ごめん、エミュ。なんだか急に力が入らなくなって……」
「大丈夫ですよ」
「それでは、これより魔力増幅技法を行なう。エミュはしっかりとメモを取れ。報告書で使うからな」


 エミュはドレッドから紙の束とペンを渡されて、実験の邪魔にならないように、扉の近くに立った。ドレッドは香りの効き目を確認するために、希空に十秒数えさせた。希空が十、九、八、……と数えていくうちに、徐々に声が小さくなり、朦朧状態になった。ドレッドは希空の服を脱がせると、四つん這いにさせ、固定具で固定した。そして、希空の下着の紐を外し、秘部を露わにした。


「ドレッド様。い、いくら希空様に意識が無いと言っても素肌を晒すのは、い、いかがなものかと……」
「そんな事言ってる場合ではないだろう。お前はきちんと記録しろ。何度も言わせるな」


 ドレッドは瓶から少し粘性がある紫色のスライム溶液を手に取ると、希空の秘部に垂らした。希空は冷たさで体をビクッとさせた。ドレッドはスライム溶液を馴染ませるために、人差し指と中指でお尻の割れ目を丹念に上下に擦った。秘部に指がかかる度に、希空は吐息を漏らし、体を小さく震わせた。エミュはその妖艶な様子を見て、頬を赤くした。


「うぅっ……。なに、これ……。んっ! んんっ。そんなに、擦らないで」
「の、希空様。……が、我慢してください」
「ほう、なるほど。これは即効性があるな。ヒクヒクさせて、物欲しそうにしている」


 そして、ドレッドは柔らくなった希空の秘部に人差し指をゆっくりと入れた。希空はビクビクッと体を小刻みに震わせた。ドレッドは人差し指と秘部の隙間にスライム溶液を垂らし、内壁に擦り込むように指を動かし、滑りを良くした。


「んあっ! ゆ、指が……、指が……んっ! 擦らないで! んんんっ!」
「希空、力を入れるな。口で呼吸するんだ。おい、エミュ。香炉の中にある香油を取り出して、希空の鼻の下に塗れ」
「は、はい……」


 香炉で焚いているだけでも、力が抜けているのに、香油を鼻の下に塗るのは危険であるとエミュは認識していたが、ここで反論すると、またドレッドの怒りを買ってしまうため、仕方なく香油を取り出し、希空の鼻の下に塗った。そして、希空に深呼吸をするように促すと、先程以上に呂律が回っておらず、口から涎を垂らし、目が少し上転していた。エミュがこのままだと希空が危険だと改めて思ったが、ドレッドは希空の秘部を解すのに集中しており、何も言えない自分を責めた。
 ドレッドは秘部が少し緩んだのを感じると、中指を追加し、希空の中をグチュグチュと音を立てるように、掻き回した。希空は涎を垂らしながら、朦朧とする意識の中、弱々しく啼いた。


「んあぁ! しょんなに、しにゃいでぇ……。んあっ! お尻、きもちくなりゅからぁ……。だめぇ……」
「よし、これで準備出来たな。次はこれを使うぞ」
「ド、ドレッド様。そのようなものを、……本当に入れるのですか?」
「お前は口答えせずに、記録しろ。きちんと記録出来ないと、聖女のためにもならないぞ」


 ドレッドは希空の秘部から指を抜くと、机の上に置いてあった全長二十センチ程の凹凸がある棒のようなものを取り出した。その棒にスライム溶液を付け、馴染ませると、希空の秘部にあてがった。棒は飲み込まれるように秘部に入っていった。一つの凹凸を飲み込む度に、希空は体をビクッとさせ、口で呼吸しながら、啼いた。


「ぅあっ! は、入ってくるぅ……。何これ……。グプッて! 穴の入り口にグプッて! うぅっ、き、気持ちいぃ。んあっ……、はぁはぁ……。ま、まだ入ってくるのぉ?」
「素直な聖女で良かったよ。こんなに幸せそうにされているのだから。ふはははははっ!」
「…………希空様」


 禁書に書かれていた過程が滞りなく進んでいる事に、ドレッドの表情は喜びに満ちていた。それを見て、エミュは恐怖さえ感じた。人間に対して、このような事をして、許されるものなのかと疑問に感じた。それも、聖女である希空に対して、屈辱的行為を行なうなんて言語道断だと思い、怒りさえ覚えた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~

兎森りんこ
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。 そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。 そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。 あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。 自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。 エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。 お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!? 無自覚両片思いのほっこりBL。 前半~当て馬女の出現 後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話 予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。 サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。 アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。 完結保証! このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。 ※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(10/21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。 ※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

処理中です...