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第8章:人は見た目で判断してはいけない(シンクロイド視点)
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転送後の空間は住宅街の道の真ん中に立っていた。しかし、生活音はなく、静寂に包まれていた。蘇芳は初めて見る空間に辺りを見渡した。健人も初めて見る空間に驚き、道路や家の塀を触ったりしていた。
「うわぁ、仮想空間とはいえ、触れた感触も肌に感じる風や温度もリアルだし、本物そのものだ」
「外の世界はこんな感じになっているのか? でも、人間の気配が全くないぞ」
「細部まで本物そっくりに再現されるからね。ダミーの人間を配置する事も出来るけど、今はとにかく健人さんと蘇芳にレクチャーしないとね。まずは蘇芳のことを考えながら、『フォージ』って言ってみて」
健人は夏希に言われるがまま、俺様に向かって「フォージ」と言った。その瞬間、体の中心から温かくなるのを感じ、力が湧き出てくる感覚がした。蘇芳は両手を見つめ、手を握ったり、開いたりし、体が軽くなったのを実感した。
『共命が完了しました。共命良好。シンクロイドは所有者の指示に従ってください』
スマートウォッチから自動音声が流れた。蘇芳が液晶画面に触れると、目の前にホログラムモニターが出てきて、共命率や残量、健人の心電図波形などが表示された。健人が俺様のところへ来て、モニターを不思議そうに覗き込む。
「とりあえず共命自体は大丈夫そうだね。共命は字のごとく、命を共有すること。パンドラは第二の心臓とも呼ばれるからね」
「命を共有するか。ということは、俺様は今、コイツの力――いや、第二の心臓と呼ばれるパンドラにある力を受け取ったってことか」
「その通り! パンドラの力量は個人差があって、高ければ高い程、シンクロイドが発揮出来る力も自然と比例していくし、複雑な技を構築して、繰り出すことも出来る。でも、それは無限じゃないのには注意だね」
「やはり制限があるのか。それはこのモニターに表示されている残量やコイツの心身状態に気を付けろということか。仮に戦闘の長期化や負傷時の生体エネルギー漏出などの場合はどうなるんだ?」
「勿論、パンドラの使い方次第では急速に減っていくし、シンクロイドの生体エネルギー漏出があった時はどちらかが共命解除しない限り、パンドラの残量が一定値を下回るまで供給され続けるよ。一応、警告表示されるけど」
蘇芳は顎に手を当て、モニターを見ながら、夏希の話を聞いた。自分の生体エネルギーが漏出してもパンドラの力で補填出来る。ある意味、無敵状態だが、仮にパンドラの力の下限値を超えた場合、どうなってしまうか疑問に思った。
「もし、万が一、パンドラの力を使い切った場合はどうなるんだ?」
蘇芳は夏希に質問したが、夏希は健人の服を引っ張り、なにやらコソコソと話し始めた。健人は苦笑いしながら、頭を掻く。そして、夏希は驚きの声を発し、健人に向かって注意していた。
健人が俺様の前に立つと、一度大きな深呼吸をして、いつにない硬い表情で話し始めた。
「一応、警告を無視して、パンドラの力を使い果たすことは出来るよ。そうなった時はパンドラ保有者がロストに陥るから、余程のことがない限りやらない」
「ロスト? それは精神障害の類か?」
「ううん、それとは全く違う。ロストになったら、二度と元の状態には戻れないって言われてる。パンドラの力を全て失った者は『人間の形を成しただけの抜け殻』になるんだ。だから、そうならないように制限が設けられているんだ」
「なるほど。うまく使いこなせということか」
「健人さんのことだから、てっきり伝えてあるのかと思ったよ」
「いやぁ、蘇芳の部屋で理論の勉強しながら、蘇芳には伝えていたつもりだったんだけど……。僕の思い違いだったかな?」
健人は頭を掻きながら、苦笑いした。夏希と琥太郎はそんな健人を見て、呆れ顔でため息をついた。
健人の思い違いじゃないかもしれない。俺様がただ聞き流していただけ……いや、何もかもくだらないと思い、聞く耳すら持たなかっただけだ。蘇芳は今になって申し訳無さを若干感じる。
「すまん。俺様が聞いていないだけだ。あとで理論のプログラムをインストールしておく」
「蘇芳、ごめんね。手を煩わせて……」
「貴様は別に悪くない。それより、一つ気になることがあるんだが」
蘇芳はカフェテリアで見た光景をホログラムモニターに映し出した。それは人間の隣で直立不動なシンクロイドと、配膳ロボットのように飲み物を人間に持っていく姿。
「これがどうしたの?」
「いや、ここに映るシンクロイドは何故俺様と違うのか気になった。俺様は席に座り、飲み物も飲んで、貴様らと会話をした。他のシンクロイドはただ立ったまま。何故だ?」
「それは感情構築システムがあるかどうかかな?」
「そのシステムの利点は何なんだ?」
「そうだねぇ。感情構築システムはそもそも完全オーダーメイドのシンクロイドだけ――つまり、蘇芳や琥太郎がそれに該当する。僕や健人さんみたいなパンドラの力が上位だとエネルギー構造がより複雑化するから、シンクロイド側でも制御出来るようになってるの。それが利点かな?」
蘇芳は夏希の説明に首を傾げた。もっと重要な部分があるような、そんな疑問を抱き、健人をじっと見つめた。健人はぽかんとし、自分自身の顔を指差し、キョロキョロとした。
「えっと、一般的なシンクロイドは全権限がパンドラ保有者にあるんだけど、僕たちはちょっと仕組みが違うというか。僕もちゃんと説明出来ないんだけど、もしも窮地に陥った時、シンクロイドが自らの体を張って犠牲にするか、パンドラ保有者の力を強制的に吸収して、ロストさせる覚悟で敵に立ち向かうか。その判断をするために、上位のシンクロイドに一種の制御機構として感情構築システムが備わってるんだ」
蘇芳は夏希や健人の説明で推測するしかなかった。上位シンクロイドは俺様と獣人野郎だけ。しかし、上位の存在は他言無用。アカデミーでは恐らく教えてくれないのだろう。普通は一方通行へ流れる仕組みで、上位は『共命』という字のごとく、リアルタイムに循環しているのだろう。その中でどのくらい授受するかをシンクロイドが判断しなければならない。それが感情構築システムなのだろうと結論付けた。
蘇芳は二人に自分なりの考察を伝えた。二人は顔を見合わせ、苦笑いしながら、首を縦に振った。……大丈夫か、コイツら?
「まぁ、そんな感じだよ。――ね、健人さん?」
「えっ! うん。たぶんきっと、そんな感じ。今度、研究員の人に聞いてみる。って、夏希君のお父さんの方が詳しいでしょ? 開発部門な訳だし」
「そうだけど、そんなこと言ったら、健人さんのお父さんは最高司令官だから、すべてを掌握してるでしょ?」
夏希たちが互いに言い合っていると、深いため息をついた琥太郎が二人の間に入り、話を強制的に断ち切らせた。
「うわぁ、仮想空間とはいえ、触れた感触も肌に感じる風や温度もリアルだし、本物そのものだ」
「外の世界はこんな感じになっているのか? でも、人間の気配が全くないぞ」
「細部まで本物そっくりに再現されるからね。ダミーの人間を配置する事も出来るけど、今はとにかく健人さんと蘇芳にレクチャーしないとね。まずは蘇芳のことを考えながら、『フォージ』って言ってみて」
健人は夏希に言われるがまま、俺様に向かって「フォージ」と言った。その瞬間、体の中心から温かくなるのを感じ、力が湧き出てくる感覚がした。蘇芳は両手を見つめ、手を握ったり、開いたりし、体が軽くなったのを実感した。
『共命が完了しました。共命良好。シンクロイドは所有者の指示に従ってください』
スマートウォッチから自動音声が流れた。蘇芳が液晶画面に触れると、目の前にホログラムモニターが出てきて、共命率や残量、健人の心電図波形などが表示された。健人が俺様のところへ来て、モニターを不思議そうに覗き込む。
「とりあえず共命自体は大丈夫そうだね。共命は字のごとく、命を共有すること。パンドラは第二の心臓とも呼ばれるからね」
「命を共有するか。ということは、俺様は今、コイツの力――いや、第二の心臓と呼ばれるパンドラにある力を受け取ったってことか」
「その通り! パンドラの力量は個人差があって、高ければ高い程、シンクロイドが発揮出来る力も自然と比例していくし、複雑な技を構築して、繰り出すことも出来る。でも、それは無限じゃないのには注意だね」
「やはり制限があるのか。それはこのモニターに表示されている残量やコイツの心身状態に気を付けろということか。仮に戦闘の長期化や負傷時の生体エネルギー漏出などの場合はどうなるんだ?」
「勿論、パンドラの使い方次第では急速に減っていくし、シンクロイドの生体エネルギー漏出があった時はどちらかが共命解除しない限り、パンドラの残量が一定値を下回るまで供給され続けるよ。一応、警告表示されるけど」
蘇芳は顎に手を当て、モニターを見ながら、夏希の話を聞いた。自分の生体エネルギーが漏出してもパンドラの力で補填出来る。ある意味、無敵状態だが、仮にパンドラの力の下限値を超えた場合、どうなってしまうか疑問に思った。
「もし、万が一、パンドラの力を使い切った場合はどうなるんだ?」
蘇芳は夏希に質問したが、夏希は健人の服を引っ張り、なにやらコソコソと話し始めた。健人は苦笑いしながら、頭を掻く。そして、夏希は驚きの声を発し、健人に向かって注意していた。
健人が俺様の前に立つと、一度大きな深呼吸をして、いつにない硬い表情で話し始めた。
「一応、警告を無視して、パンドラの力を使い果たすことは出来るよ。そうなった時はパンドラ保有者がロストに陥るから、余程のことがない限りやらない」
「ロスト? それは精神障害の類か?」
「ううん、それとは全く違う。ロストになったら、二度と元の状態には戻れないって言われてる。パンドラの力を全て失った者は『人間の形を成しただけの抜け殻』になるんだ。だから、そうならないように制限が設けられているんだ」
「なるほど。うまく使いこなせということか」
「健人さんのことだから、てっきり伝えてあるのかと思ったよ」
「いやぁ、蘇芳の部屋で理論の勉強しながら、蘇芳には伝えていたつもりだったんだけど……。僕の思い違いだったかな?」
健人は頭を掻きながら、苦笑いした。夏希と琥太郎はそんな健人を見て、呆れ顔でため息をついた。
健人の思い違いじゃないかもしれない。俺様がただ聞き流していただけ……いや、何もかもくだらないと思い、聞く耳すら持たなかっただけだ。蘇芳は今になって申し訳無さを若干感じる。
「すまん。俺様が聞いていないだけだ。あとで理論のプログラムをインストールしておく」
「蘇芳、ごめんね。手を煩わせて……」
「貴様は別に悪くない。それより、一つ気になることがあるんだが」
蘇芳はカフェテリアで見た光景をホログラムモニターに映し出した。それは人間の隣で直立不動なシンクロイドと、配膳ロボットのように飲み物を人間に持っていく姿。
「これがどうしたの?」
「いや、ここに映るシンクロイドは何故俺様と違うのか気になった。俺様は席に座り、飲み物も飲んで、貴様らと会話をした。他のシンクロイドはただ立ったまま。何故だ?」
「それは感情構築システムがあるかどうかかな?」
「そのシステムの利点は何なんだ?」
「そうだねぇ。感情構築システムはそもそも完全オーダーメイドのシンクロイドだけ――つまり、蘇芳や琥太郎がそれに該当する。僕や健人さんみたいなパンドラの力が上位だとエネルギー構造がより複雑化するから、シンクロイド側でも制御出来るようになってるの。それが利点かな?」
蘇芳は夏希の説明に首を傾げた。もっと重要な部分があるような、そんな疑問を抱き、健人をじっと見つめた。健人はぽかんとし、自分自身の顔を指差し、キョロキョロとした。
「えっと、一般的なシンクロイドは全権限がパンドラ保有者にあるんだけど、僕たちはちょっと仕組みが違うというか。僕もちゃんと説明出来ないんだけど、もしも窮地に陥った時、シンクロイドが自らの体を張って犠牲にするか、パンドラ保有者の力を強制的に吸収して、ロストさせる覚悟で敵に立ち向かうか。その判断をするために、上位のシンクロイドに一種の制御機構として感情構築システムが備わってるんだ」
蘇芳は夏希や健人の説明で推測するしかなかった。上位シンクロイドは俺様と獣人野郎だけ。しかし、上位の存在は他言無用。アカデミーでは恐らく教えてくれないのだろう。普通は一方通行へ流れる仕組みで、上位は『共命』という字のごとく、リアルタイムに循環しているのだろう。その中でどのくらい授受するかをシンクロイドが判断しなければならない。それが感情構築システムなのだろうと結論付けた。
蘇芳は二人に自分なりの考察を伝えた。二人は顔を見合わせ、苦笑いしながら、首を縦に振った。……大丈夫か、コイツら?
「まぁ、そんな感じだよ。――ね、健人さん?」
「えっ! うん。たぶんきっと、そんな感じ。今度、研究員の人に聞いてみる。って、夏希君のお父さんの方が詳しいでしょ? 開発部門な訳だし」
「そうだけど、そんなこと言ったら、健人さんのお父さんは最高司令官だから、すべてを掌握してるでしょ?」
夏希たちが互いに言い合っていると、深いため息をついた琥太郎が二人の間に入り、話を強制的に断ち切らせた。
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